<黒澤明 監督作品雑記>

 

1990年公開!

巨匠黒澤明の脚本監督作品!

あの黒澤監督が見たとんでもない夢を?(笑)、8話のオムニバス形式で見せてくれる!!

あのスティーブン・スピルバーグも協力!

超久しぶりにBS放送版で鑑賞!

当時、劇場で2回も見て!、その後、TV放送、ビデオ、BS放送版とかで、何度か見てきている。

なぜか、見たくなる? 不思議な吸引力があるんですよ!(笑)

劇場で、2回も見たのは、

1回目、途中で寝てしまったので(笑)、見てないところを確認するために、仕方なく(笑)、もう一度、劇場へ足を運んだからです。

そうしたら、今度は、1回目寝なかったところで、寝てしまう始末。(笑)

面白いことに、その後、TVで見ても、やはり途中で眠くなり(笑)、一気に見ることができず、必ず、2回に分けて見ることに!(笑)

意図はしてないんだろうけど?、この映画、「夢」というタイトルどおり、夢見心地で見てしまう、眠気を誘う? 不思議な映画になってたんです!!(笑)

 

さて、今回はどうなのか?

今まで同様、途中で寝てしまうのか?(笑)

・・・・・・・

結果的には、昔と見る環境が変わっていたんで、

初めて! 途中で眠ることなく! 見通すことができました!!

33年ぶりの快挙です!!(笑)

要因としては、ハイビジョン放送による映像の美しさに見惚れてしまったから!!

全編に渡る素晴らしい映像美の数々に私の感性が刺激されまくりで、もう、ビックリ!! 眠ってる場合じゃあない!!(笑)

しかも、望遠レンズの効果なのか、画面に異様な迫力がある! これもスゴイ!!見てて、感心関心。 

当時は、フィルム上映だったんで、ここまでの映像美がスクリーンに映し出せていなかったんだろうなあああ・・・・、だから私の感性が刺激されずに、眠っちゃったんだなあって、分析。 やっと今解明!!(笑)

TV放送時は、当時小さな画面で見てたんで、元からそんな刺激を感じることができなかったというわけ。

要は、この映画、黒澤監督の見た夢をそのまんまストレートに見せてるだけなんで、今までのように、話の展開が面白くなってるわけではない、特異な作品!

だから、映像美がすごく重要になってくる。

その肝心かなめの映像美を、見る側が残念ながら受け取れないと、つまんないなあ-----って、途中で眠くなってしまう・・・・・・・。

そう、見る環境が悪いと、眠くなるのは、当たり前だったわけです。(笑)

 

さて今回、改めて見て、大発見したことがありました!!

 

◎4話目のトンネルの話。 もろ、恐怖映画の演出!!

黒澤監督が描く、怪談話といってもいいほど、コワイ!!

 

◎7話目の荒れ地をさまよう主人公!

この場面、もろ、パゾリーニ映画!!!(笑)

黒澤監督が、パゾリーニをマネた!!!???

実に興味深くて、ある意味感激です!!(笑)

 

◎5話目の夢の話。

主人公がゴッホの絵の中に入り込んで歩きまわる合成シーンがあるんですが、柔らかそうな?地面を歩いてるときは、ちゃんと、靴が地面にめり込んでるんですよ!! それと顔にあたる光も絵に合わせて変化している!!

うわーーー、これは細かい!! 細かすぎる!!

さすが! 黒澤監督!! 

こんなところ、まず気づきにくい部分だけど、ここまで詳細に描写していたとは!!

なんか、うれしくなってしまいましたねえええ。

 

◎音楽とか、音の使い方が非常に繊細!!

聴いてて感心感心。

素晴らしい!! 素晴らしすぎる!!

私的には、この使い方、ハリウッド映画並みの細かさだと思い、仕上げはハリウッドでやったんじゃあないかと思ったけど、どうやら日本のスタジオだったらしい?

もちろん、今までの黒澤映画も、音楽音響の使い方は、異様にうまかったけど、今回は、それ以上だったように思う!!

とにかく、使い方が絶妙なんですよ!! どんなに小さな音にも意味を持たせて演出してる!! 驚異的!!

黒澤監督、絶好調!!

 

◎エンドタイトルが意外!!

ラストが希望を持たせる華やかシーンだったんで、爽やかに終わってたイメージがあったんですが、

今回見て、ビックリ!

華やかだった音楽も、途中で、フっと止まるんです!?

そして、たくさんの人たちも、いつのまにかいなくなってる!!??

まるで、何事もなかったかのように!!

そして、暗い暗い、エンドミュージックが流れてきます!!

わあああ、これは意外だったなあああ。

 

普通だったら、そのまま、楽しい曲が流れ続けてエンドタイトルに突入するのに、黒澤監督は、そうはしなかったってことですよ!!

暗い曲で、締めくくる。

これは、何を意味するものなのか!!!

きっと、当時の黒澤監督は、

未来の世界に、絶望してたんじゃあないかと思います。

それを、このエンドタイトルに込めたんではないかと!!

うーーーーーん、実に考えさせられる終わり方だ!! 

今の今まで、まったく気づかなかった!!! ← あくまでも私の解釈です。

黒澤監督おそるべし!!!

← 逆に 最後の作品「まあだだよ」(1993)のラストは、このラストの印象とまったく正反対になってたんで、考え方に変化があったんだと思われます。

 

◎この映画を鑑賞する前に、あの大林宣彦が監督した「夢」のメイキングビデオを見てたんで、今回ハッキリと確信できたことがあります!!

あくまでも、私の勝手な推測ではあるけれど、たぶん、正解のハズ!!

この「夢」の映画が、なぜ、途中から眠くなるのか!!??(笑)

その最大の理由は、

当初11話あった話を、最終的に8話に減らしたからなんじゃあないかと思います!!

外されたのは、手の込んだ特撮のある話ばかり。

予算の関係で、カットされたというけど、この選択が失敗。

この複雑な特撮場面のある、気分的に高揚する話が、重苦しい話と話の合間に入ることによって、緩急がつき、映画的に面白くなる仕掛けになっていたはずなのに、それをなくしてしまったがゆえに、バランスが悪くなり、

重苦しい話ばかりが続いてしまった・・・・・。

眠くなるのも、当たり前・・・・・・。

 

でも、私、この「夢」、再評価します!!

今回見て、大変良かったから!!

有意義な鑑賞でした!!!

 

きっとまた見たくなると思います!!(笑)