<ジェリー・フィールディング幻の作品 雑記>

 

ゲッタウェイ

1973年公開! 

スティーブ・マックイーン主演!

サム・ペキンパー監督のアクション映画!

初見は、TV放送。(正味90分、スタンダードサイズ) カークラッシュとマックイーンがショットガンでぶっ放すシーンとラストくらいしか覚えてない。(笑)

今回、スカパー放送版で初めて完全なかたちで鑑賞!(122分!!シネスコサイズ!!)

音楽は、ジェリー・フィールディングだったのにもかかわらず、製作を兼ねていたマックイーンが気に入らなくて、クインシー・ジョーンズに急遽頼んで差し替えたという、いわくつきの映画!

他、音響も一部やり直したり、再編集もしたらしい。

フィールディングの没になった音楽は、2005年に3000枚限定でCD化。

今回、見るにあたって、まず、フィールディングの没音楽CDを充分聴きこんでから、鑑賞!

 クインシー・ジョーンズの曲と比較して、結局どっちが良かったのか、はたしてマックイーンの選択は正しかったのか、私なりに判断するためです!!(笑)

ジョーンズの音楽は、シングル盤でしか出ておらず、それも聴いてますが、ハーモニカをフィーチャーした愛のテーマ的な優しい曲。

おそらくこの甘いテーマ曲がなかったために、フィールディングの音楽は却下されたんだろうと推測。

はたして勝敗は??(笑)

 

で、見たんですが・・・。

音楽について触れる前に、この映画、けっこう無駄なシーンが多かったのには、ビックリ!(笑)

なんで、こんなシーンがあるのか不思議なくらい。

展開が停滞してる! でも、あえて入れてるのは、原作にもあったってことなのか?

そりゃあ、小説で読んでる分には違和感のないエピソードなんだけど、映像にすると、無駄の何物でもない!!(笑) 

普通は、カットするでしょう・・・???

ペキンパーらしくないし、マックイーンらしくない。

これが70年代ならではの映画の味なのか!?

妙に切れ味の悪い、ダラダラしたハードボイルド場面があるんですよ!!

記憶にはもうないけど、おそらくTV放送版では、この無駄なシーンをカットしたんじゃあないかな。それでちょうど90分。(笑)

90分のストレートなアクション映画! 今ならそうしたはず!?

見てないけど、この映画、1994年にリメイクされてるんで、こっちがどうなってるのか、興味あるところ!! 

ただ、114分の作品みたいなんで、ほぼ忠実な映画化か??

オリジナルにある無駄なシーンも入ってるのか??(笑)

今度確かめてみます!!

あと、マックイーンのキャラがイマイチなんじゃあないかと。(笑)

ちょっと嫉妬深くて、好きな女性に頭が上がらない弱い男になってるんです!

原作がそうなのかもしれないけど、私のイメージは、マックイーンだったら、もっと強くないといけないのかなと。

このキャラだったら、ポール・ニューマンか、ダスティン・ホフマンですよ!?(笑)

あまりにも情けないんで、見ながら、おいおい、マックイーン、しっかりしろよ!!!と叫んじゃいたくなりましたねえええ!(笑)

 

てなところで、・・・・・今何気なく調べたら、なんと!「ゲッタウェイ」のブルーレイ、ジェリー・フィールディングの音楽が特典として収録されてる!!??みたいなんで、ちょっと見てみる必要があると判断!!

(アメリカでは2004年のDVDに既に収録済。その後に没音楽をCD化。

当時からそのことは知ってて気になっていて、日本版が出たら買おうと思ってたんだけど、いつのまにか忘れちゃって(笑)、今の今まで、日本版に移植されていたとは、まったく気づきませんでした!!(笑))←日本のブルーレイは2008年発売らしい。14年間もほったらかしだったとは!!(笑) 驚き桃の木山椒の木!!(笑)

まずは、これを確認してから、

フィールディング対ジョーンズの勝敗を決めたいと思います!!!(笑)

 

で、行動が早い私。(笑)

さっそく、「ゲッタウェイ」のブルーレイをレンタル。

特典を確認。 おそらくセル版と同じはず。

うれしかったのは、ジェリー・フィールディングの奥さんと娘さんが、愛する夫、愛する父親とペキンパー監督との想い出を語るドキュメンタリーが収録されていたこと。

このドキュメンタリー、実は、2005年発売の3000枚限定のジェリー・フィールディングの没音楽CDに付けられていた特典DVDと内容が同じ!!

字幕がなかったこともあり、早送りで見ただけだったので(笑)、なんと、今回17年ぶりに、まともに鑑賞!!

まさかの奇跡!!(笑)

サム・ペキンパーは、よくフィールディングの家に寝泊まりしてたこと。

二人は頑固で、しょっちゅうケンカしていたこと。

でも、ペキンパーはフィールディングを尊敬していたこと。

フィールディングの音楽が没になったのは、スティーブ・マックィーンの独断で、ペキンパーはまったく関与してなかったこと。

などなど、非常に興味深い話満載!!

 

注目は、もちろん、ジェリー・フィールディングの没音楽が、本編映像を見ながら聴けたこと!!

いわゆるアイソレーテッドスコアというもので、セリフとか効果音はなし。

音楽のみ。

銀行強盗のシーンのみ、別特典として、セリフ効果音音楽付きで再現されてました!!

いやああ、これ、フィールディングファンを始め、奥さん、娘さん、感激したでしょうねえええ。

本当は、スティーブ・マックイーンの手が入る前のペキンパー&フィールディング版が見たかったなああああ・・・・。

 

・・・・で、結局のところ、

ジェリー・フィールディングの没音楽と、

差し替えられたクインシー・ジョーンズの音楽、どっちが良かったのか!!

 

私の判断は、

引き分け!!!

どっちも、いいと思いました!!(笑)

大きな違いは、愛のテーマにメロディがあるかないかだけ。

フィールディングの愛のテーマは、口ずさめるような覚えやすいメロディではなく、感覚に訴えるきらびやかな音色の美しさで勝負!! でしゃばってこないので、印象に残ることはなし。

エンドタイトルも、違うメロディ。

対して、ジョーンズは、覚えやすいメロディをハーモニカでフィーチャーした主題曲的なもの。劇中何回か流れ、エンドタイトルは、そのメロディーに歌をつけての締めくくり!!(笑)←でも、ちょっとゴスペル調なんで、好き嫌いが分かれますが・・・。

まあ、製作者のマックイーンとしては、音楽も印象づけないと興行的に不安だったと思うので、土壇場で、ジョーンズに依頼したのは、懸命な判断だったのかと。

フィールディングの音楽は、マニアックすぎて、一般受けしない欠点があるからね。そこがたまらなくいいんだけど(笑)、それがわからない人がいっぱいいるので、しょうがない!!??(笑)

でも、昨今の映画音楽は、なぜかまったく印象に残らないマニアックな曲が増えている・・・・。 これはどういうことなのか・・・??? 不思議不思議・・・。← まあ、単純にいいメロディが思いつかないだけだと思うけどネ・・・。(笑)

また、サスペンスフルな曲は、どっちも、同じ感じ。

ややフィールディングのほうが、スタイリッシュかな。

ジョーンズは、ファンキーな感じがします!! ←クセがあるというのか・・・。

 

いやああ、映画音楽って、ほんと、面白いもんですね!!(笑)