<怒涛の恐怖映画雑記(笑)>
サイコ(1998年版)
日本では、1999年公開! あのアルフレッド・ヒッチコックの傑作恐怖映画「サイコ」(1960)のカラーリメイク版!!
初鑑賞は、DVDで。
公開当時からの予備知識としては、「サイコ」の脚本、カメラワーク、編集、音楽をそっくりマネして作られた、完全コピー版であること!!??
こういうやり方は、珍しいので、興味津々。
ある種、緊張感を持って、初鑑賞に臨みましたよ!!(笑)
伝説的なシャワー殺人シーンまで、完コピなのか!?
そのシーンが来るまで、ワクワクドキドキ。
今回、超久しぶり!実に21年ぶりに、再びDVDで、再鑑賞です!!
・・・・ここで、面白い試みを・・・・。
2000年に発売されたリメイク版「サイコ」のDVDを初鑑賞した、当時の自分の映画ノートから、その感想文を完全コピー!!(笑)
<以下、原文のママ 原文は手書き>
★待望のリメイク版を見た。最初は、オリジナルとまったく同じように作られているということで、すべてが同じだと思ったのだが、部分的に違うところもあり、そこがかえって、驚きと衝撃を与えてくれたのだ!!
有名なシャワーシーンも、ここは、特にまったく同じカットにすると思ったが、大胆にも音楽の入れるタイミング、カメラスピード、サブリミナルカット風のコマのソウ入など、だいぶオリジナルと印象が違う。(モノクロとカラーの違いも大きい。)
それゆえに何ともしれない戦慄が身体を走った!!
このシーンは、あまりにも有名ゆえに、このシーンに近づくにつれて、見る側は、異様な緊張につつまれるのである。
そして・・・・。
あれ・・・、まず気がつくのは、バーナード・ハーマンの音楽の入れるタイミングが違うのである。 オリジナルは、殺人鬼がシャワーカーテンを開けたときに流れはじめるが、このリメイクは、開けてもまだ流れてこない。あれ、おかしいぞと音楽に敏感なマニアなら、誰もが思ったハズだ!!
この音楽の入るタイミングのわずかな差でも印象が大きく違うのである。
これは何を意味するのか?
監督のガス・バン・サントがオリジナルの音楽の入れるタイミングが昔からどうしても気に入らず、自分の納得する入れ方にしたのか、オリジナルと違うぞということを示すために、もちろん、オリジナルのタイミングもいいのだけど、今回は、ヒロインが、ナイフにさされはじめるところから、意図的に入れてみました・・・・・ってな感じだ。
オリジナルの入れ方は、カーテンをあける音とともに流れる。確かに入れ方としては、カーテンのあけるアクションとともに入れるので文句ない、誰もがそうするであろうきれいな入れ方だ。しかし、よくつきつめて考えてみれば、これはヒロインがまだ恐怖を認識していない時間なのだ。音楽のほうが、先に恐怖を表現してしまっている。これを良しとするかどうかは、それぞれの人のセンスによるが、ここで、ハッキリ私の意見をいいましょう!!
実は、私としては、声に出していわなかったけれど、オリジナルの音の入れるタイミングは、前々から早すぎると思ってました!!
曲のせいかもしれないけど、あの曲は、ナイフで切りきざむ行為のときにこそ効果を得る曲なので、曲調にあわせるならば、リメイクの曲の入れ方が本来の正しいタイミングだと思う。
なおかつ、前述したヒロインの恐怖の認識にあわせる入れ方もひとつの正しい解釈だ。
オリジナルが悪いというわけではないが、比較してしまうとリメイク版が正しかったのかなぁ~と思う。
あと、オリジナルと大きな違いで衝撃を受けたのは、これまた有名な私立探偵が殺されるところ。ここでも、サブリミナルカット風の映像がソウ入される。
この映像がどうやら探偵が死ぬ直前に頭によぎった映像らしいのだが、非常に意味不明ながら、妙に納得できるものなのだ!! ― 不気味でもある!!
それと、クライマックスの地下室でミイラを発見するところ。オリジナルと微妙に違うことで、オリジナルを知っている人にその違いゆえに、より大きな衝撃を与えることに成功している。
このリメイク版は、悪評が多かったようだが、私は気に入ったし傑作だと思った!!
オリジナルを知らない人が初めて見てもかなりの衝撃を受ける恐怖映画だ!!
原色を多用した撮影の色彩設計も効果をあげている。・・・・・・ちょっとドギツイ感じもするが、それが異様な効果をあげていることも事実!!
必見作です!!
<以上>