人間の証明

1977年公開!

「犬神家の一族」で、日本映画界に新風を送り込み、風穴を開けた感のある角川映画の勢いづいた第2弾!! 

公開前からの大量の宣伝のおかげで、見ないわけにはいかなくなり(笑)、まずは、森村誠一の原作を読むことに。

これは、推理物としても、人間ドラマとしても読み応えがあり、なかなか面白かった印象あり。

その後、映画の脚本を一般から募集するというというオドロキの告知があり、よし、自分も書いてみようかと思ったけど(笑)、結局応募しなかった。(笑)

で、フタを開けてみれば、プロが応募した脚本が選ばれ、なああああんだ、つまんないの!っていう結果に。

プロを選ぶんだったら、最初から募集するなよと。(笑)

公開日が近づいてくると、TVで予告編もはじまり、例の主題歌と、「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?」という惹句が、いやでも耳につくことに。

曲はいいんで、完全に期待に胸膨らませて、初日に劇場に見に行きましたが、見る前にちょっと悪い予感が。

今でも、思うんだけど、あのポスターデザイン、どうなんですかね。

映画の中で、ちょっとした出てこなかった、少年をメインにした、あのポスター。

当時も今も、自分としては、拒否反応。

なんで、このデザイン? 

「犬神家の一族」同様、イラストで構成したほうが良かったんではないかと。

せめて、森村誠一の文庫本の表紙の絵を、映画ポスター用にアレンジすれば、この違和感は解消していたのに・・・・。

この大胆ともいえる、デザインの選択は、どう見ても、不思議でしょうがない。

睨みをきかせた松田優作、対するジョージ・ケネディ、ニューヨークでのカーアクション、三船敏郎、麦わら帽子、そしてあの少年・・・という要素を入れたイラストこそが、ほんとうのポスターデザインだったのではないか。

 

で、そのイヤな予感は、的中!!

ぜんぜん面白くない!!(笑)

あれ、原作のほうが、ぜんぜん面白かったのに!!??

全体的に、安っぽい映像、腑抜けた軽い音楽、ニューヨークロケなのに、重量感なし、クライマックスのパーティ会場における、絶対ありえない展開と、ダメダメづくし。まったくノレず。

ああああああ、やっぱり、日本映画ってこんなもんなんだなあと、大失望!!

期待してただけに、大落胆ですよ!(笑)

映画は、外国映画がいちばんかと!!

 

公開後の批評も、大方、否定的だったし、自分とおんなじ。

その後、TV放映で見たっきりで、改めてつまらなさを確認。 いい印象のない作品に。(笑)

もう二度と、見ない映画だと、決めていたんですが、

なぜか、今回、急に見たくなったんですよ。(笑)

理由は、わかんないけど、急にですよ、急に。

神の啓示なのか!?

まあ、

自分も、当時は、そんなに映画というものを多く見てたわけではなく、鑑賞眼も備わってない、ズブの素人少年。(笑)

そんなド素人がつまんないと判断した映画が、はたして本当につまんないのか!?  

ちゃんと、鑑賞眼が備わってから見ないと、正当な評価ができないんじゃあないかという思いもあり、この見たい衝動、素直に受け取り、再見するに至りました!(笑)

でも、この精神は、正解だと思う。

 

で、WOWOW放送版で、再見。

 

・・・・絶句・・・・。

 

いやあああ、これ、面白いじゃあないですか!!(笑)

傑作じゃあないですか!!

自分、大変気に入りました!!

良く出来てますよ!!

金かけてますよ!!

その成果が画面に現れてますよ!!

????

当時は、やはり、自分、ぜんぜん映画の深さのこと、わかってなかったようです。

 

今ここに、正当な評価を下します!!

「人間の証明」は、傑作です!!(笑)

当時、ベテランの評論家たちが、こぞって批判していたのが、信じられませんよ!!

良くできてるじゃあないですか!!

これは、角川映画に対する、妬みからくる?意図的な批判だったとしか、考えられません!!??

純粋に、映画自体を評価してほしいよなあああ。(笑)

当時、自分は、まだ若かった。

大人の映画は、理解できない部分があり、単純に面白いか面白くないかの選択でしかなかった。

それが今や・・・・。

・・・・人間って、成長するもんなんですねええええ。(笑)

 

初見のとき、非常に違和感のあった、原作にはない、あのクライマックスの絶対ありえない展開も、映画の劇的要素を高めるためには、必要で、最適、この改変もありだなと、思いました。

 

当時は、知る由もなかったんですが、

なんと、主人公の女性が乗る、車、

ポルシェ924です!!!

おそらく日本では、発売されたばっかりの新車だったんではないでしょうか!!

さすが、角川映画!!

 

あと、ニューヨークロケのカーアクション。

今見ると、大迫力!!

日本映画にないド迫力!!

さすが角川映画!!

 

「犬神家の一族」に続いての角川映画の傑作です。

今、わかって、申し訳ない!!(笑)