<大島 渚監督作品>

 

絞死刑

1968年公開! 大島渚監督の超問題作!

レンタルされてないので、買おうと思ったけど、日本の中古DVDは、プレミアがついてるのか?、高いので、海外の新品ブルーレイ版をゲット! これ・・・、買って大正解!!(笑)

4Kスキャンされていて、びっくりするくらい高画質だったんですよ!!!

いやああ、素晴らしい!!(日本ではまだ未ブルーレイ化)

この調子で、「愛の亡霊」も、高画質化してほしいなあ!!(笑)

予備知識ゼロで、見始めたんですが、最初の数十分で、これは、もしかしたら、見るのはきついぞぉーーと不安になりました。

死刑室を舞台にした、舞台劇の様相になっていたからです。

まるで、前衛劇団による、死刑問題をテーマにしたコミカルな?演劇公演を見てる感じ・・・。(笑)

事前に上映時間を確認してたんですが、118分! 

この調子の芝居を延々118分も続けられると、持たないなあああ・・・・。(笑) 

うーーーん、困った困った・・・・。

眠くなってきたし・・・・。(笑)

もう、これ以上、見るのは、ダメだあああ・・、寝てしまうぅうう・・・と思ったときに・・・・・・(笑)・・・・・。

なんと、ついに、死刑室から外に出たんです!!(笑)!!!???

この解放感、半端なし!!(笑)

そして、・・・外に出てからですよ、ようやく、この映画のことがわかりはじめたのは!!

ドタバタ喜劇で終始するのかと思っていたら、だんだんと、ゾッとしてくるような展開に!!

俄然、興味が増し、もう眠気なんて、吹っ飛びましたねえええ!!(笑) 

・・・あとで知ったんですが、この映画、実際に起こった殺人事件を、けっこう忠実に再現してるとのこと!! そこに、大島監督ならではの、いろんな体制批判?などなどを取り入れていて、・・・・超危険!! 

こんな映画作っていいのか?と思うような超問題作に仕上がっていたんです!! いやああ、スゴイ!! こんな映画が当時、作れたんですね!!

過激すぎです!!

まだ、未見の方は、予備知識を事前につけておくことをオススメします!!

前もって、知っていれば知っているほど、最初っから、眠気なんか感じませんから!!(笑) コミカルなことが、逆に恐ろしくなってきます!!

映画を超越した、別次元の傑作と言えますね!!

大島監督、すごすぎる!! でも、鑑賞注意!!

園子温監督の限界を超えた衝撃作「冷たい熱帯魚」の感覚に近いものあり!!

ちなみに、予告編も見所で、大島監督自ら出演して、怒りまくってます!!(笑)

 

御法度

1999年公開の大島渚監督脚本のひと味違う時代劇! 

WOWOW放送版で初鑑賞! 

オープニングから一見して、映像の濃密度が、他の日本映画と明らかに違う! 

さすが世界の大島です!

撮影もいいし、編集もいいし、脚本もいいし、見どころ多し。うなりまくりです。

ただ、派手なアクションを期待してた人には、物足りなさ感あり。

奥の深い心理ミステリー風アート時代劇になってるんで・・・。

自分的には、満足ですが・・・。

まあ、もしも、この上に、ものすごいアクションが付け足されていたら、誰もが満足する傑作になっていたとは思います・・・。 でも、この静けさこそが、大島渚ならではの映画なんですね?

「戦場のメリークリスマス」も、戦争アクションのない戦争映画で、全編心理劇のような展開で、見る人を選び、この映画と共有する部分もありますが、 あの映画が評判になったのは、有名スター競演と坂本龍一の音楽の良さ、そして泣ける感動があったからだと思います! 

この「御法度」にも、それがあれば良かったのに、今回は、同じ坂本龍一なんだけど、音楽がイマイチ・・・。 うまくいかないもんだねえええ。(笑)

 

マックス、モン・アムール

1987年公開! 大島渚監督のフランス映画! DVDで、初鑑賞!

オープニングの洒落たクレジットと音楽の良さで、一気に映画の中に引きずり込まれます! 出足は快調! やっぱ、この頃の映画音楽、ほんと、いいですねええ。今とは大違い!?(笑) この音楽いいですよ! 大発見! サントラあるのかなああ?(笑)

脚本もよく練られており、無駄なくスムーズに話が展開していくんで、見てて気持ちいいです! 最後まで、まったく先が読めないところもいい。いやああ、うまい!!

大きなチンパンジーが、出てくるんですが、本物にしか見えないところもビックリ! 着ぐるみだと思うんですが、自分は、ホンモノにしか見えなかった・・・。(笑)

大人向きの、わかる人にはわかる寓話劇。

深読みしようと思えば、いくらでも深読みでき、脚本化の意図したことが、映像化することによって、まったく別の側面からもとらえることができるようになっているので、映画って、すごいなああって思いました!(笑)

クールで美しいシャーロット・ランプリングは適役。 懐かしいニコール・カルファンが、ちょっとおばさんっぽくなってたのは、残念・・・。(笑)

 

日本の夜と霧

1960年公開の大島渚監督作品! レンタルDVDで初鑑賞!

問題作なので、撮影中止を恐れて、早く撮るために長廻しを多用したとか、劇場公開は、4日で!!打ち切られたとか、見る気にさせるワードがいろいろ揃っていた映画だったので、ついつい見てしまいました!(笑)

しかしながら、・・・うーーん、ちょっとこれは、見るのは辛かったなああ。

長廻しの技巧とか、演出的に工夫してるので、眠くはならず、飽きなかったけど、映画的に面白くない。(笑)

大人たちの討論会を延々と見せられているだけって感じ。(笑)

舞台劇に近い。 訳が分からないし・・・。(笑)

・・・・というか、予備知識をたっぷりつけてから見ないと、興味深く見れない類の映画だったということが、見てる途中でわかってきて、あああ、失敗したなああって思いました!(笑) リアルタイムで見た人こそ、共感できる映画だったと思います!! 今でいえば、ちょっと前に公開された「新聞記者」か。

この「新聞記者」を60年後に予備知識なしで見たら、きっとこんな思いをするんだろうなああって。(笑)

面白かったのは、長廻しが多いんで、緊張したのか、セリフをつっかえたりする役者陣が続出してること!(笑)

普通は、NGなんだろうけど、それを撮り直しせず、そのまま使ってる。(笑) よっぽど、急いでたんでしょうねええ。

「戦場のメリークリスマス」のときも、坂本龍一が緊張して、セリフの言い方がぎこちなかった時も、そのまま使ってたんで、大島監督って、もしかしたら、早撮り、ほぼ一発勝負の監督? 今回の作品見て、確信しました!(笑) 

編集は、浦岡敬一。 巨匠ならではの編集テクニックが楽しめます!

 

少年

1969年公開! 実際にあった事件をクセのある感覚でまとめあげた大島渚監督作品! 前に録ってあったWOWOW放送版で、初鑑賞! シネスコサイズだったんですが、このサイズを最大限生かした絵作りが当然されており、見てて、うなりまくりました。(笑)

例えば、画面の半分右側は、主人公の少年がたった一人で、ポツンと歩いてる・・・、左側は、大勢の子供たちが遊んでる・・・という対比とか、旅館の入り口で、画面右端から、少年のお母さんが、2階から階段で降りてきて、左端にいる受付の女性従業員と、やりとりするところとか、電車内で、画面右端にお母さんと少年が座っていて、左端では、後方の席に座ってるお父さんの顔がわずかに見えているところ等々、極端に右端と左端に人物を配置し、ワイド感を強調してる場面が多いんですよ。また、人物を左右どっちかに配置して、反対側の空間を空けてたり、人物を真ん中に据えて、左右の空間を思いっきり空けていたりとか、見てて惚れ惚れする大迫力のキラーカットが満載!! 監督の映像感覚、カメラマンの感性が只者ではないという証明ですね。

編集は、浦岡敬一で、実相寺監督作品に多い、特徴のある黒味、フラッシュバックの手法は、ここではなくて、何か所かカット尻に意図的な?わずかな間があるところ!とか、独特なインサートカット!とか、カラー作品なのに、モノクロになるシーンがあるところ!などなどに、編集者の主張性を感じましたねええ。

珍しくスローモーションもあり。

注目は、子役2人の演技が、うまいこと!! 長廻しで、長セリフもあるのに、難なくこなしてます!! お見事です!

しょっちゅう夫婦喧嘩のシーンがあり、お互い平手打ちとかしてるんですが、どうしても手加減してるのがわかるんで、大島監督の優しさがわかりました。(笑)

きっと、園子温監督だったら、本気で殴れ!って言うんでしょうねええ・・・。?

また、雪のシーンが、初期の園監督の作品で見た映像感覚に似てるところがあり、ちょっとオドロキました!

 

青春残酷物語

1960年公開! 大島渚脚本監督、浦岡敬一編集による辛口の青春映画!

モノクロだと思ったら、カラー!(笑)

当たり前ですが、今見ると、古さを感じますが、当時としては、スタイリッシュで斬新な青春映画だったと推察されて、なかなか興味深く見れて、良かったです!! 

ちょっと堅苦しい映画ばかりを作るイメージがある、大島監督なんですが、意外にも、この映画は、フレッシュで、垢抜けていて、ちょっとオドロキました!!

普通の映画の感覚に近い!?(笑)

脚本もうまく、いろいろ前半で見せていたことが、後半、パズルのピースのように、さりげなく、きれいにハマっていく手法も、お見事です!!

なんか、損してるのは、タイトルだと思う。確かに残酷な話なんだけど、ちょっとこの映像感覚とマッチしてないような気が・・・。

これでも当時は、違和感ないタイトルだったのか??

うまく、思いつかないけど、たとえば・・・・

<青春の果実> <太陽の果実> <青春の彷徨> <青春の光>的な方向をもつ、タイトルのほうが、合ってたんじゃあないのかなああ・・・・・??。(笑)