本屋から伸びる長い影と少年の陰 | hirohelloのブログ

本屋から伸びる長い影と少年の陰

ある晴れた日の、ある晴れた街に、その少年は生まれた。


名を『蒼』と両親は名づけた。


樹木が水分を吸って、ぐんぐん空に向かって成長するように


彼はぐんぐん、ぐんぐん、成長していった。


母は言った、蒼、もっと食べなさい


『うん』


蒼は大好きだった、母の料理がなんでも。


父も、負けじと、蒼、車に乗って旅に出ようか


『うん』


蒼は大好きだった、父の車の助手席が。



外からみれば、変哲もない、いや、とても幸せそうに見える

家族であったが、本当は、そうでもなく。


お互いがお互いを監視していたのであった・・。

それは、蒼の誕生まで遡るのであり、

蒼もそれを感覚として捕えていた。


だから、蒼はぐんぐん成長していったのだ、

周りの悪意から身を守るために。