前回のブログにも書いたように、中心市街地活性化のマネジメントを担う人材についてのご相談とともに、まちづくり会社の経営についても、よくご相談いただきます。行政側からは「そろそろ、まちづくり会社に(資金的に)自立してほしい」とか、まちづくり会社側からは「これまで収益源としてきた公的事業がなくなるので、早く稼げる手段を探さなければならない」といったものです。

中活法では、まちづくり会社は「都市機能の増進を推進するもの」という位置づけであり、具体的には「中心市街地整備推進機構」または、「良好な市街地を形成するためのまちづくりの推進を図る事業活動を行うことを目的として設立された会社」とされています。
国交省のHPでは以下のような図が示されています。


まちづくり会社がまちの魅力を高めます

デベロッパーとして開発を行い、民間投資を誘発できるようにまちの価値を高める、公益性を持ち市民に役立つ成果を提供する・・・といろいろありますが、私としては、基本的な役割は、まちの価値を高めて民間投資を誘発することにあるのだろうと考えています。そのために、イベントを含めて魅力的な事業をプロデュースし、民間にここで事業をやりたい!または、ここに暮らしたい!(住宅も投資です)と思ってもらうのは大事な役割です。そして、投資がスムーズに行えるよう、不動産の流動化を促進することも重要な役割です。

なのですが、中活計画の認定にはまちづくり会社を設立しなければならないため、認定のために、本来の役割をどう果たして行くかをあまり考えないまま会社を設立してしまった地域がたくさんあります。また、「会社」と名前がつくためか、完全に独立して経営が行えるようなイメージを持たれたりもします。
でも、民間企業として成り立つのであれば、法整備等をしなくても既に民間が参入しているでしょう。一部の大都市では、すでに民間企業がまちづくり会社の役割を担っている地域もあります。
また、民間企業とは異なり、将来的に見ても儲からなくてもやらないといけない事業も存在します。プロフィットセンター(利益を上げる)事業から収益を上げ、コストセンター(コストとなる)事業に配分する。そのためにも収益事業をやっていく必要があります。しかし、上に書いたような、まちづくり会社の本来目的、「投資の誘発」や「まちとしての資産向上」事業から収益を上げることは相当に難しいのではないかと思います。
もちろん、すごく素敵なカフェやレストラン、ブティックなどがきっかけとなって、そのエリアの資産価値が上がり、お店が集積する事例も各地であります。でも、その素敵なお店が公益性を持つか、継続的にまちの維持管理をしていくか、となると難しいでしょう。

何が言いたいかというと、中活法におけるまちづくり会社は、資産を持たずに、また公共からの事業委託や指定管理を含む公的支援なくしては、その目的を果たして行くことは相当に困難なことだと思うのです。NPOやNGOと同じく、事業収益、公的資金、寄付性資金などの収益バランスの上に、経営を成り立たせる必要があるのではないでしょうか。

機動性を高め、民間の投資を誘発して行くには、公共から切り離してまちづくり会社を設立するのは有効だと思いますが、100%自立経営するということとは、また別のことだろうと思うのです。

つづく