今月に入って年間被曝線量を20ミリ・シーベルト以下で安全と、規制委が指針 をまとめていると、報道で話題になっています。
原子力規制委員会が、東京電力福島第一原子力発電所事故で避難している住民の帰還に関して、1年間に被曝(ひばく)する放射線量が20ミリ・シーベルト以下であれば、健康上に大きな問題はないとする指針を、今月中にまとめるそうです。
政府が長期目標として掲げる「年間1ミリ・シーベルト以下」が安全の目安ととらえられているため、科学的な知見を示して不安の払拭を図るらしいのですが、その指針には20ミリ・シーベルトでは発がんリスクが十分に低く、適切な対策を取れば、リスクは回避できるとの見方が盛り込まれるとの見通しだそうです。
現在の年間で被曝する線量の基準は、空間の放射線量を年間で総計して考えていますが、今回の動きの背景には、福島の子供達に持たせたガラスバッジの総計放射線量を元に緩和策が出てきている様です。
ガラスバッジの年間総計線量は、年間での空間放射線量の総計よりも、被曝量は少なく出る傾向になり、ここに規制委員会が着目したようです。
それと、これに加え、現地調査を行った国際原子力機関(IAEA)が10月、年間1~20ミリ・シーベルトの被曝線量は許容できるとした報告書をまとめておりますが、どうもその報告書がガラスバッジの年間放射線量と合わせて、今回の 指針の参考となったようです。
指針を受けて、政府は正確な線量を把握するために、携帯式の個人線量計を配布する方向だそうで、また保健師などが住民の健康相談に乗る「帰還支援センター(仮称)」も各市町村に設置する方向性で具体的な取り組みに着手するらしいです。
低線量被曝における、身体への影響は、しきい値がなく、健康被害が出てくるかどうかも現在のところ未知数だとICRPは認識を示していますが、線量緩和の動きは、理不尽極まりないと言うしかありません。
これは、福島だけの問題ではなく、これから先 同じ様に原発関連の事故が起きたとすると、空間20ミリシーベルト/年までは、許容して、汚染された土地で生活して下さいという事になりかねません。
また、こういった緩和策が出てくると、食品における放射能の基準値も緩和される可能性も出てきますし、ここ相模原でも、市の除染基準値は毎時0.23マイクロシーベルトであるのに、ガラスバッジの線量が低いので、空間線量が毎時1マイクロシーベルト以上でも除染しないでも大丈夫という、恐ろしい事態にもなる可能性も示唆しています。
いくら除染しても、線量が下がらず 、とうとうギブアップしてしまった感じがします。
さて、これから一体 どうなるのでしょうか。
想像さえもつきません。
東京都の環境局の年1ミリシーベルトについての考え方がありましたので、載せておきます。
日本の放射線に関する法令・規則には、文部科学省の関わる原子力基本法、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(放射線障害防止法)、厚生労働省の関わる労働基準法、労働安全衛生法、電離放射線障害防止規則をはじめ、多くのものがあります。
日本はICRPの理念を尊重し、大半はそれに準拠しながらわが国の国情に合うように一部を修正して、これらの法令に取り入れています。そのまま明文化していない例として、1ミリシーベルトがあります。ICRPは、計画被ばく状況では公衆の被ばくの個人年線量限度として1ミリシーベルトを提案していますが、法令の中に明確に「公衆の線量限度を1mSvにする」という記述はありません。
管理区域境界の限度(250µSv/3ヵ月)や事業所から廃棄される放射性物質の数量・濃度は放射線障害防止法等に記述されていて、それらは1年で1ミリシーベルトを守るように定められています。ただし、これは計画被ばく状況下(通常時の運転や使用状態)に適用するためのものであり、緊急時被ばく状況下と現存被ばく状況下に適用するものではありません。
ICRPは、緊急時における参考レベルは100-20mSv、また事故後の復旧期が該当する現存被ばく状況における参考レベルは20-1mSvを目安として、当該政府が現状に合わせて決めることなどを提示しています。参考レベルを選択するにあたり、ICRPは、合理的に達成できる限り低く保つよう勧告しております。
すなわち、経済的・社会的要因の考慮、ステークホルダー(地元住民等)との合意を経ながら、できる範囲で低い値をとるということです。
「1年1ミリはICRPが根拠」という指針のようなものがありますが、これは政府が決めた「事故による放射線量は1ミリシーベルト以下とする」は、現存被ばく状況の参考レベルのうち最も低い値を採用したものといえます。
事故の頻度と緊急時の被ばく線量に関しても、ICRPでは「ある特別な事情においては、定められた5年間にわたる平均が年1ミリシーベルトを超えないという条件付きで、年間の実効線量としてより高い値も許容される。」と勧告しています(2007年勧告, 文章245)。
実際、以上のことを踏まえて、原子力安全委員会が防災指針に示している緊急時の食物摂取の線量の目安として5mSvが採用されており、食品安全委員会はこれを暫定規制値に取り入れました。
また、除染の基準としても5mSvを採用することが検討されましたが、ステークホルダーの関与により1mSvを採用しています。
なお、このような放射線防護の最適化が重要となる数十ミリシーベルト未満の線量では、健康に及ぼす影響は他の健康リスクと区別がつかない程小さく、”放射線による影響が現れるか否か”、あるいは”安全か否か”の境目になるレベルではなく、極めて小さいリスクをマネジメントするレベルであることに注意が必要です。
と、東京都の環境局のHP上に載っていますが、健康リスクが小さいとの認識は、どう解釈すればいいのでしょうか。
どの線量の基準で、規制するのか?議論をしっかりと重ねて考えて欲しいものです。
空間の年間放射線量で考えますか?
それとも、年間被曝線量で考えますか?
どちらがまっとうな考え方のでしょうか。
原子力規制委員会が、東京電力福島第一原子力発電所事故で避難している住民の帰還に関して、1年間に被曝(ひばく)する放射線量が20ミリ・シーベルト以下であれば、健康上に大きな問題はないとする指針を、今月中にまとめるそうです。
政府が長期目標として掲げる「年間1ミリ・シーベルト以下」が安全の目安ととらえられているため、科学的な知見を示して不安の払拭を図るらしいのですが、その指針には20ミリ・シーベルトでは発がんリスクが十分に低く、適切な対策を取れば、リスクは回避できるとの見方が盛り込まれるとの見通しだそうです。
現在の年間で被曝する線量の基準は、空間の放射線量を年間で総計して考えていますが、今回の動きの背景には、福島の子供達に持たせたガラスバッジの総計放射線量を元に緩和策が出てきている様です。
ガラスバッジの年間総計線量は、年間での空間放射線量の総計よりも、被曝量は少なく出る傾向になり、ここに規制委員会が着目したようです。
それと、これに加え、現地調査を行った国際原子力機関(IAEA)が10月、年間1~20ミリ・シーベルトの被曝線量は許容できるとした報告書をまとめておりますが、どうもその報告書がガラスバッジの年間放射線量と合わせて、今回の 指針の参考となったようです。
指針を受けて、政府は正確な線量を把握するために、携帯式の個人線量計を配布する方向だそうで、また保健師などが住民の健康相談に乗る「帰還支援センター(仮称)」も各市町村に設置する方向性で具体的な取り組みに着手するらしいです。
低線量被曝における、身体への影響は、しきい値がなく、健康被害が出てくるかどうかも現在のところ未知数だとICRPは認識を示していますが、線量緩和の動きは、理不尽極まりないと言うしかありません。
これは、福島だけの問題ではなく、これから先 同じ様に原発関連の事故が起きたとすると、空間20ミリシーベルト/年までは、許容して、汚染された土地で生活して下さいという事になりかねません。
また、こういった緩和策が出てくると、食品における放射能の基準値も緩和される可能性も出てきますし、ここ相模原でも、市の除染基準値は毎時0.23マイクロシーベルトであるのに、ガラスバッジの線量が低いので、空間線量が毎時1マイクロシーベルト以上でも除染しないでも大丈夫という、恐ろしい事態にもなる可能性も示唆しています。
いくら除染しても、線量が下がらず 、とうとうギブアップしてしまった感じがします。
さて、これから一体 どうなるのでしょうか。
想像さえもつきません。
東京都の環境局の年1ミリシーベルトについての考え方がありましたので、載せておきます。
日本の放射線に関する法令・規則には、文部科学省の関わる原子力基本法、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(放射線障害防止法)、厚生労働省の関わる労働基準法、労働安全衛生法、電離放射線障害防止規則をはじめ、多くのものがあります。
日本はICRPの理念を尊重し、大半はそれに準拠しながらわが国の国情に合うように一部を修正して、これらの法令に取り入れています。そのまま明文化していない例として、1ミリシーベルトがあります。ICRPは、計画被ばく状況では公衆の被ばくの個人年線量限度として1ミリシーベルトを提案していますが、法令の中に明確に「公衆の線量限度を1mSvにする」という記述はありません。
管理区域境界の限度(250µSv/3ヵ月)や事業所から廃棄される放射性物質の数量・濃度は放射線障害防止法等に記述されていて、それらは1年で1ミリシーベルトを守るように定められています。ただし、これは計画被ばく状況下(通常時の運転や使用状態)に適用するためのものであり、緊急時被ばく状況下と現存被ばく状況下に適用するものではありません。
ICRPは、緊急時における参考レベルは100-20mSv、また事故後の復旧期が該当する現存被ばく状況における参考レベルは20-1mSvを目安として、当該政府が現状に合わせて決めることなどを提示しています。参考レベルを選択するにあたり、ICRPは、合理的に達成できる限り低く保つよう勧告しております。
すなわち、経済的・社会的要因の考慮、ステークホルダー(地元住民等)との合意を経ながら、できる範囲で低い値をとるということです。
「1年1ミリはICRPが根拠」という指針のようなものがありますが、これは政府が決めた「事故による放射線量は1ミリシーベルト以下とする」は、現存被ばく状況の参考レベルのうち最も低い値を採用したものといえます。
事故の頻度と緊急時の被ばく線量に関しても、ICRPでは「ある特別な事情においては、定められた5年間にわたる平均が年1ミリシーベルトを超えないという条件付きで、年間の実効線量としてより高い値も許容される。」と勧告しています(2007年勧告, 文章245)。
実際、以上のことを踏まえて、原子力安全委員会が防災指針に示している緊急時の食物摂取の線量の目安として5mSvが採用されており、食品安全委員会はこれを暫定規制値に取り入れました。
また、除染の基準としても5mSvを採用することが検討されましたが、ステークホルダーの関与により1mSvを採用しています。
なお、このような放射線防護の最適化が重要となる数十ミリシーベルト未満の線量では、健康に及ぼす影響は他の健康リスクと区別がつかない程小さく、”放射線による影響が現れるか否か”、あるいは”安全か否か”の境目になるレベルではなく、極めて小さいリスクをマネジメントするレベルであることに注意が必要です。
と、東京都の環境局のHP上に載っていますが、健康リスクが小さいとの認識は、どう解釈すればいいのでしょうか。
どの線量の基準で、規制するのか?議論をしっかりと重ねて考えて欲しいものです。
空間の年間放射線量で考えますか?
それとも、年間被曝線量で考えますか?
どちらがまっとうな考え方のでしょうか。




