苦役列車 @ ICA | 日々是好日

ただいまICAにて開催中の”EAST SIDE STORY”企画 のひとつ、映画「苦役列車」を観てきました。


っていうか、いきなり、今日の21時から3日間の地下鉄ストライキ。そんなのきっとギリギリでストライキ中止だよ、と高をくくっていたら、、、、本当に突入してしまいました。


今日の「苦役列車」&その後の森山未来氏によるQ&A は、21時から開催。ICAまでの行きはよいよい、帰りはどうする、、、、でもバスは走っているらしい、バスは増量サービスするらしい、という天の声ならぬWEB情報をたよりに、行ってみましたICA。


平日火曜日の夜21時開始なうえに、地下鉄ストライキ、、、これはもしや意外と空いているかも、、、と思ったら、、、、18時10分開始の映画「COLORFUL」(こちらも監督のQ&A付き)も大盛況だったみたいなうえに、「苦役列車」も結局扉が閉まれば、満席でした。


さて、なにかと当時、インパクト大だった芥川賞作家の西村賢太氏が懐かしい限りですが、原作は読んだことがないままの参戦となりました。


ちなみに、主演の森山未来氏についても、今回、初めて知りました。”森山”と聞けば森山直太朗を連想し、”未来”と聞けば長洲未来を連想するレベル、当然、モテキも観たことはありません、スイマセン。

なので、原作との違いとか、映画の出来とか、その後の確執とかとか(でも、wikiの「原作者による評価」はなかなか興味深いです) について多くは語れないのですが、でも、最後まで楽しく観ることができました。

これって、なかなか珍しいです。冒頭が凄い綿密なのに途中で映画自体のテンションが落ちてしまうものとか、セリフで説明してしまう系とか、明らかに特別枠出演の方が浮き過ぎて残念なものなどなど、、、、多いなか、最後まで独特のテンションを保って引っ張られたのは、心地よかったです。

原作を読んでいないので、原作の苦役っぷりとか、列車的っぷりとかがどれほどなのか想像できないのですが、映画は基本どこかしらに清涼感の粒が静かに光っていて、それなりに何十年か前の青春映画的に感じました。

森山未来氏が、どんなにご飯をきたなく食べても、風俗を描いても、飲んだくれても、お金を無心しても、、、、なんだか嫌悪感は感じさせず、アクセプタブルに感じてしまう自分を察しました。むしろ、現実に存在する、不当に生活保護を請求している外国人とか、以前不当に子供手当を請求しようとした外国人とかの方がよほど道を外れていて酷いもんだ、とふと思い出しました。

高良健吾氏の背筋をざわつかせるほどの清涼感も、当時あんな感じの学生とかいたよなぁと、妙にアクセプタブル。賛否両論の前田敦子氏も、”何をやっても藤原竜也”系な匂いがするものの、芋っぽい学生としてみるならアクセプタブルでした。

観終われば、そんなにダメダメな奴という感じもせず、かといって”列車”としてのレール感みたいのは映画から感じられず、何十年か前の青春を描きましたという感じで、変な余韻は残りませんでした(←褒めてます)。ちょっと意外だったのは、映画の後の質疑応答で、森山未来氏が、「これは、バブル期の時の話です」と繰り返していたこと。確かに、1967年生まれの登場人物が19歳の時の話なので、言われてみればそのとおりですし、バブル期の影というのなら、はいそうですか、と思いますが、、、

さて、映画の後は、23時近くになっているなか、質疑応答タイムの始まりです。今日は、森山未来氏と、今回の企画担当者と、通訳の3名が対応となりました。


時間も押していたし、ストライキだし、な企画側の気遣いもあってか、挙手により選ばれた質問者は日本人1名、外国人3名だったと思います。

あくまで、個人的な感想なのですが、、、、、、外国人(それなりに立派な年齢の英国人男性3名)の質問が、ちょっと引っ掛かりました。

私の英語聞き取りが間違っていたのならまだいいのですが、私の記憶では、「この映画の内容には、外国の影響とか、外国人と絡んだ部分が無いのは何故ですか?今回の企画でこの映画が選ばれたのは?」みたいなのが飛び出てきたときには耳を疑いました。だって、そんなの、せっかくいま目の前に立っている生の森山未来に聞くことじゃないし、、、、。で、この問いには、企画担当者が急きょざっくり対応することに。

その後別の英国人からも、ストーリー自体や、ストーリー展開について、自分の感想を交えて質問がありました、、、、けれど、、、、この限られた時間と、せっかくの生森山未来を前に、それって聞くこと?とつっこみたい衝動にかられました。監督や、脚本家、もしくは原作者がいるなら、どーぞ語りたければ時間のあるときにどーぞ、って思うんですけど。

なんか、察しました。なんの根拠もないんですけど、僕、英国人って子供の時から、質問力とか鍛えられてきているものだと思い込んでいました。多くの日本人観客が手をあげるのをためらっている(それも日本っぽいですけど)中、ポンポン手をあげて発言する風土というか文化は”らしい”と思いレスペクトしますが、今、応答してくれるのは、”主役をやった森山未来氏”だっていうのに、ストーリーに対する感想やら、この主人公の今後とか妄想を質問者が語っても、、、、それも、限られた時間と場で、、、、なんだかこれが昭和でいう”ずこっ”ってやつなのでは、と思いました。人生いろいろ、英国人もいろいろ。。。

でも、、、、

森山未来氏は、凄く丁寧に答えていました。観客の僕ですら「そんなこと、知らんっ!」と言いたい気分なのに、丁寧に自分の言葉で自分として責任のもてる言葉で、そして、通訳の人が訳せる分量で区切りながら回答していて、驚きました。森山未来氏の誠実さみたいなのが、直前まで森山未来氏の経歴について何も知らなかった僕にも伝わって来ました。

会場を出れば雨、意外と強い雨、そしてストライキでシャッターが下りた地下鉄駅。


地下鉄が終了してしまったせいかまだ0時前なのに店が閉まりまくりのチャイナタウン。

有難くも走ってくれているバスはかなりな混みよう。それを乗り継いでの帰宅。。。。

ではありましたが、(外見は昔のダンサーSAMみたいな恰好なのに)誠実さがひしひしと伝わってくる生・森山未来氏という存在を拝むことができて、なんだかそれこそ清涼感に満ちた余韻となりました。