WAR HORSE | 日々是好日

たまたまHPを検索していたら、当日券が2席だけ残っているのを発見。

これも何かの縁かと思い、観てきました、

ミュージカル”WAR HORSE” @ National London Theatre



日々是好日


ディズニーによる、スピルバーグによる、映画版は既に日本で観ていました。戦争もの、病気もの、といったものは好んで観る方ではないのですが、それでも「ショーシャンクの空に」ほど鼻につく(←巷で大好評ですが、個人的にはプッシュしてません)こともなく、でもおとぎ話のようなベールが印象的な映画でした。そして、なぜか、”ジョーイ”という日本人発想からはなかなか出てこないかのような名前がむしろ好感で、ずっと覚えてはいました。


そうそう、そういえば、以前、日本のTV番組で、生田斗真という俳優さんがロンドンを訪ねてくる企画でも、このWAR HORSEの舞台が少し絡まっていて、そこで登場する、馬の模型(?)を人形浄瑠璃のように操るさまが、印象的でした。


というわけで、

LION KINGとはまた違った、動物(=馬)の表現方法にも興味津々で、いざWAR HORSE。


あらすじやら、舞台のしくみやらについては、いろんなところで語られていると思うので、個人的な感想をいきなり

圧巻でした。圧倒されました。期待とかそういう次元とは違った世界で全身全霊打たれまくりました。


話される英語もクセがあるし、後半ではドイツ語仏語も混ざってきてかなり”セリフへの集中力”を意識しましたが、そんなセリフ自体関係なく(←かなり大雑把な表現)観る側に覆いかぶさってきて、沁みてくるものがありました。


いやいや、冷静になって振り返ってみると、

舞台の使い方、見せ方、展開のし方、、、、どれもどれも(そんなにミュージカルを観た経験数は無いですが)斬新というか、オリジナリティに満ちていて、見惚れました。


全然、いわゆる、ミュージカルから想像する、元気で溌剌で前向きで”明日は晴れるさ”的な一本調子なものではないのです。ミュージカルから想像する、音楽といえば、ときおり絡んでくる、男性の独唱がメイン。

そうそう、先日観た映画版レミゼのなんでも全部メロディーに乗せてきますよ、とは全く違うものでした。


でも、こういうのも、いいかも。


そ、し、て、例の人形浄瑠璃みたいな馬の件。

これまた、圧巻でした。

仔馬の時、仔馬から大人の馬へ変わる時、大人の馬が疾走する時、、、、

数名の人間が支えて微妙な動きを生み出してはいるのですが、むしろ、微妙な動きを自ら連発している馬を数名の人間が周りでただ見守って、取り囲んでいるかのような、美しさがありました。


あぁ、凄かったなぁ。


仔馬が大人の馬に変わる時、ニコルス大尉が飛び上がる時、、、、、その画的なシーンが今も脳裏によみがえります。


個人的には、お父さん役は映画版くらいにもっとヤサグレテイルのが僕の中のイメージでしたし、少年アルバート役もかなりひょろっとした子供な感じよりは映画版の方が画的に青年で僕の中のイメージではありましたが、そうであっても、何よりも、”舞台としてのありよう”が圧巻で、圧倒されました。


先日観たANJIN。絶賛する人が身近にもいるものの、個人的には何かがずっと引っ掛かっていました。舞台美術も緻密で素晴らしい、膨大なストーリーを舞台にまとめ上げているのも凄いこと。でも、セリフで展開を説明していたり(ってそれが芝居というものなのかもしれないと言われましたが)、終演に向かって処理の連続のようだったり、役者さん個々人の匂いが個人商店的であったり(したように、僕が感じた)したことが、このWAR HORSEで一気に大量の圧巻とともに流されていきました。


セリフも大切だけど、観る側の言葉の理解も大切だろうけれど、それとは違う時点で、芝居ならではの圧倒的に観る側に押し寄せてくる”何か”。


それに最後まで圧倒されてしまいました。


ロンドンに来ることがあって、ミュージカルを観る時間と体力の余裕があったら、オペラ座の怪人も素晴らしい、でも、それだけではなくて、WAR HORSEもきっと、その後の人生に(←かなり大きくでてます)きっと絡まってくる傑作だと思いました。