突然ですが、昨年逝去した
私の父の死因は心筋梗塞でした。
朝倒れて、連絡が入って、
慌てて病院駆けつけて。
何十年か振りに、手を握った。
顔や腕をさすった。
7歳で両親が離婚して、母に引き取られ、
父親という存在が「後ろめたい」「仲良くすることに抵抗のある」ものになっていった。
手を握った瞬間、
恋人の手を思い出した。
体格は似ていないのに。
…恋愛経験少ないから？とかじゃないと思う。
父親の手を、恋人の手を握ると
私の中を流れる温かいもの。
その存在を知った瞬間だと思う。
その時に
「ああ、父親のこと、こんなに好きだったのか」
と知ったと同時に
「恋人のこと、とても愛おしく思ってるんだなぁ」
とも知った。
それ以来、恋人に触れる時は
少なからず父親の最期も頭をかすめる事がある。
温かいものが流れる。
いってらっしゃい、と毎朝見送る度に
大袈裟でなく「これが最期の会話になるかも」と思っている。
おかえり、と触れて体温を感じると
感謝が湧く。
教えてくれた父親に、ありがとう。
私にとっては本当、いい最期だった。
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