季語短歌23-10-16 | ひろちん。のエスキス

ひろちん。のエスキス

廣珍堂と同じひと

  先週 X(旧Twitter)で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。

 1,  = 秋湿り(あきじめり) =

 冷えゆける湯呑みの縁に秋湿りやはらかに添ふ古き長屋は 


 2, = 秋水(しゅうすい) =

 ポンプ押し井戸の秋水汲む朝の洗面器には高き空満つ 


 3, = 葛の蔓(くずのつる) =

 葛の蔓払ひて通る山道のいよいよ細く足跡淡し 


 4, = 秋の波(あきのなみ) =

 黒海に機雷を揺らす秋の波嘆きの風にも沈黙のまま 


 5, = 秋刀魚(さんま) =

 スーパーの冷凍さんまの眠る目はいつ・どこのもの、トングの下に 


 6, = 柘榴(ざくろ) =

 インスタで割れた柘榴の奥を見る甘さ酸つぱさ知らぬ少女ら 


 7, = 茸(きのこ) =

 里山は土と水とがふくらみて茸と指が触れ合ふところ 



・秋湿り(あきじめり):空気が秋の長い雨などによって湿っぽくなること。

・秋水(しゅうすい):秋のころの澄みきった水や流れ。