その5 妻は何処? | 武産合氣道 大和/宮城野合氣修練道場 稽古日誌

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「神奈川県大和市」及び「仙台市宮城野区」にて岩間スタイル合気道を稽古する「大和/宮城野合氣修練道場」道場長鈴木博之のブログ。IT関連、自動車整備、資格試験、震災関連など、様々な情報を提供しています。

日が傾いてきた。


どこもかしこも停電しているから,日が落ちてしまえば真っ暗になるだろう。
そうなる前に妻を捜さなければならない。


出花の集会所は自宅アパートよりも海よりにある。
当然浸水しているだろう。


とすると,避難先は中野栄小学校である。


踏切を渡り,線路を超える。

警報がカンカンと鳴り止まず,かなり耳障り。


踏切から見える線路上には,瓦礫や水没車両が散乱しているが見える。
電車など来るわけがない。


遮断棒は誰かが取り外したらしく,通行は自由。


線路を越えたその先が水浸し。
津波は国道を超え,線路を越えたのだ。


どうにか小学校へ到着。
体育館は人でごった返している。


地元の方々だけではなく,
仙台新港近辺の工場に勤務する人たちが,
作業服にヘルメットのまま避難してきている。


消防団や商工会の面々が毛布を運んでいる。
手伝わなければと思うが,今は妻が最優先。


作業服を着た人たちが,床にダンボールを敷いている。
子供達がステージの上で遊んでいる。
顔見知りのお年寄りが,毛布にくるまってろうそくの小さな炎を見つめている。


体育館を探すが,どうしても妻が見つからない。
アパート1階の奥さんと一緒に避難しているはずだが・・・。


体育館に収容しきれなくなったため,教室にも大勢避難しているという。

1階から順に,教室を一部屋ずつ探す。


1階をすべて探したところで,長男が6年生当時担任だった先生に出会う。

明かりを灯す発電機を回そうと,必死でがんばっている。


既に外は薄暗い。とにかく明かりが必要なのである。

妻を捜さなければならないのだが,つい手を出してしまう。


プラグがカブっていないか,火花は散っているか,燃料は出ているかをチェックし,
何度もエンジンを回すが,なかなか点火しない。


そうこうしている間も,余震は続く。
校舎が耐えられないほどの余震が来たら・・・とチラッと思う。


恐怖心は周囲に伝播する。
作業に専念して恐怖心を無理やり押さえ込む。


30分ほど格闘したが,ついに断念して消防団に委ねる。
先生にお詫びをし,再び教室を探して歩く。


4階まですべての教室を探したが,妻がどうしても見つからない。


時刻は既に夜7時。

妻には小学校で一夜を過ごしてもらうしかない。


あきらめて実家へ戻る。


妻と同じように,子供も大事。


二華中に避難している長男を,何としても迎えに行かなければならない。


長い長い一日は,まだ終わりそうになかった・・・。


・・・つづく。


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