今年10回目,通算65回目の稽古。
(子供クラス)
・1年生1名,2年生1名,4年生1名
・体の変向
・諸手取り呼吸法
・正面打ち一教 表
・正面打ち入り身投げ
・杖6の素振り
・エイエイヤー
「今日は何回泣く?」
「えーっとね,3回!やっぱ2回!」
こんな会話で稽古が始まる。
どんな稽古?と思うかも知れないが,別に意地悪したり,痛めつけたりしている訳ではない。
技の最中に気を抜く,技を見ていない,落ち着かない。
そんな時,「ほら,油断してると,こうされて痛い思いをするんだよ」と教えているだけである。
要は普段からの心構え。
油断しない,氣を抜かない。
ただそれだけである。
子供達は痛くて泣くのではなく,「武道」の持つ恐ろしい面に初めて触れ,驚いて泣くのである。
本日も落ち着きのない子が,ふざけて隣の子を蹴っていた。
「よし,蹴ってみろ」
と言って蹴らせた。
「全然効かん。もっと強く蹴ってみろ」
蹴ろうとした瞬間,一歩前に踏み出して中心を奪った。
蹴りは途中で中断され,蹴った方に痛みが残った。
「蹴りは教えてない。
教えてない事をするな。」
泣きそうになる子供。
だがどうにか堪えた。
私は「武道」を教える事しかできない。
それでも,「せんせ~」と言って懲りずに毎週稽古に来る。
そんな子供達が可愛くてしょうがないのである。
(一般クラス)
・黒帯1名
・体の変向
・諸手取り呼吸法
・組杖の10
組杖の10。
この型は,最後に両手で杖を持ち,相手をなぎ払って投げる。
私は組杖の10で投げた後,左足をスッと引くクセがある。
そのクセが,諸手の投げの後に出たのである。
?
これは何かある。
広い道場には二人しかいない。
急遽研究の稽古となった。
諸手で投げる。
組杖の10で投げる。
杖を持ったまま諸手を取らせて投げる。
杖を持ったつもりで投げる。
再び諸手で投げる。
何度も何度も投げて得た結論。
「諸手の投げと,組杖10の投げは同じ」
「掴まれていない方の腕の動きが重要」
これを文章で説明するのは大変難しい。
あえて書くとすれば,以下のようになる。
「杖を持ったまま諸手を取らせ,組杖10のように投げると,掴まれていない方の腕が理想の軌跡を描く。その結果腰がよく切れて,相手は投げを堪えることができない」
「投げる」ではなく「なぎ払う」。
文章でこれ以上の説明は無理。
実際に技を受けてもらうしかない。
それにしても,自分の「クセ」のお陰で,思わぬ収穫を得る事ができた。
大先生は大変なものを残してくれたと思う。
「大先生~」
稽古後そう言いながら,二人で写真に手を合わせた。