千招を知るをおそれず,一招に熟するをおそれよ | 武産合氣道 大和/宮城野合氣修練道場 稽古日誌

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「神奈川県大和市」及び「仙台市宮城野区」にて岩間スタイル合気道を稽古する「大和/宮城野合氣修練道場」道場長鈴木博之のブログ。IT関連、自動車整備、資格試験、震災関連など、様々な情報を提供しています。

今年9回目,通算64回目の稽古。


・黒帯6名,学生2名

・杖素振り20本

・組杖10本


先月から熱心に通っていた「お嬢様方」が,仮入門期間を終え,正式入門となった。


そのため黒帯が6名という大所帯に。


#地元の人や,白帯が全くいないという状態は相変わらず・・・。


学生の合宿が近いとの事で,学生の要望で組杖10本を実施。


今年秋に行われる45周年演武会では幹部として演武するであろう面々。


意外と動きがしっかりしており,休み中であっても地道に稽古を続けていた様子が伺えた。


このペースで稽古を続けてもらえば,演武会は技の面では問題ないだろう。


#「技」の面ではね。


2時間で組杖10本は,かなりのハイペース。


混乱を招くだけなので,お嬢様方は組杖の1をじっくり。


4年生のU君に3名のお嬢様方を託したのだが,これが大正解だった。


U君は何でもこなす器用なタイプではない。


むしろ不器用と言っていい。


「ウサギとカメ」で言えば,間違いなく「カメ」。


しかし,一つ一つの技をコツコツと継続して続ける根気よさがある。


U君はお嬢様方の指導に,その根気よさを如何なく発揮してくれたのだ。


全員が手順を確実に覚えるまで,絶対に次に進まない。

全員に確実に2秒間の間を空けさせる。

全員に確実に型を覚えさせる。


厳しく指導したりはしない。

ただ身をもって教えている。


稽古が始まって1時間半ほど経った頃,U君が指導した3名とそれぞれ組杖の1を合わせてみたのだが,全く問題なく合わせる事ができたのである。これには驚いた。


結局,お嬢様方が2時間で覚えたのは組杖の1と2。


だが,それでいい。


技数を追求するよりも,一つの技をとことん追求する事に価値がある。


中国には「千招を知るをおそれず,一招に熟するをおそれよ」という格言もある。


稽古後,先日行った武器技講習会の指導料のうちの5,000円を封筒に入れ,稽古に来ていた学生に渡した。


宮城野稽古会からの,45周年の支援金である。


「いいか,これはな,浄財なんだ。

 ただの金じゃねぇんだ。

 お賽銭と同じ,心のお金なんだ。

 1円だって無駄にできねぇんだ。」


受け取る学生の背筋が伸びた。


失敗があるのはしょうがない。


礼を失することだけはないようにしてもらいたいと思う。