・・・つづき。
神社と言っても,合格祈願に来た訳ではない。
掃除である。
前日の大雨で,イチョウの葉っぱが大量に落ちている。
それを丁寧に集め,ゴミ袋へ。
空き缶やタバコの吸殻も集め,本殿前を掃除し,参道を掃き清める。
「今始まったな」
「そろそろ折り返しか」
「見取りに入った頃かな」
掃除しながらもついつい長男の事を考えてしまう。
試験に取り組む長男の姿と,
小学生時代の私の姿が重なる。
神社の掃除を終え,二礼二拍手一礼。
祈った事はただ一つ,
「長男が実力を発揮できますように」
であった。
ちょうど30分。試験が終わる時刻を迎えた。
無性に迎えに行きたくなった。
結果はどうでもいい。
がんばって試験に取り組んだ。
それだけを評価してあげたい。
神社の掃除を終えた私は,試験会場へと向かっていった・・・。
・・・つづく。