初めてのタイミングベルト交換も経験し,それが「当たり前」になった頃,もう一つの山を経験したくてウズウズしていた。
それは「クラッチオーバホール」である。
私は飯こそ軽く「2人前」を食うが,
技術はまだまだ「半人前」。
「一人前」になるにはどうしてもこの作業を「当たり前」にする必要がある。
クラッチはエンジンの動力をミッションに「そっと」伝達するための大事な装置。マニュアル車には必ず搭載されている。
2枚の円盤があり,片方はエンジン,片方はミッションに接続されている。エンジン側の円盤は,急激に負荷をかけると簡単に止まってしまう(いわゆるエンスト)。だからミッション側の円盤を「そっと」接触させて,徐々に負荷をかける。ミッション側の円盤は摩擦力で少しずつ回りだし,エンジン側円盤の回転数に近づいていく。回転数が近づけば両方の円盤を密着させていい。こうする事
でエンストもしないし,車もゆっくり発進させる事ができる。
エンジン側の円盤が「フライホイール」,ミッション側の円盤が「クラッチ盤」である。
さて今回車検整備という事で入庫した車。お客さんは気付いていなかったが,引き取りに行った社長は異変に気付いていた。
アクセルを踏むと,回転数は上がるが,加速が伴わないという。無論オートマ車ではない。
「いよいよか・・・?」
ウズウズし始めた。
・・・つづく。