3級ガソリンエンジンの講習会も半分を過ぎ,中間試験,終了試験,そして本試験が迫ってきた。
これまで何人かの講師の講義を受けてきたが,昨夜の講師は熱かった。
「今日はまず,テキストに載っていない事を教えます」と前置きした上で,「修理屋」と「整備士」の違いについてとうとうと語ってくれた。
語り口はまるで斉藤清六 であるが,その内容は熱かった。
「修理屋は,壊れたのを元通りにするのが仕事なんだよ。
だけど,今『○○修理工場』という看板出してる工場はないでしょ。
『修理工場』じゃなくて『整備工場』なんだよ。
あなた達はこれから整備士になるんだよ。
このまま乗ってたら必ず壊れる。だから予防措置として交換する。それが整備士なんだよ。」
これで教室の空気が変わった。明らかに受講生のレセプターが開いた。
講師は続けて言った。
「試験に合格すれば整備士じゃぁないんだよ。
この車はここが故障しやすい傾向にあると知ってなきゃならないんだよ。
新しく出る車ごとに故障の傾向は違うんだから,常に勉強が必要なんだよ。
試験に合格するのはもちろん大事だけど,常に勉強を続けなきゃ整備士とは言はないんだよ。」
胸にガツンと響いた。初回の講義でこの話を聞きたかった。
こんなにも熱い話が聞けるとは・・・あえて講習会を受講した甲斐があった。