※2025/11/13 追加投稿
このアンプは、フリマサイトの「メルカリに出品しました」
完成したばかりのUZ-42シングル・アンプですが、あらためて写真を紹介します。
サイズは300×70×180(サイドウッド除くシャーシ寸法)です。
トランスカバーをかぶせてみました。
配線の様子です。NFBの帰還抵抗に付けた100pFは後から追加したので写っていません。
-----UZ-42と6Z-P1について-----
完成したばかりのUZ-42シングル・アンプですが、昔の真空管スーパー・ラジオは6Z-P1という出力管が多く使われていましたが、少し高級な真空管ラジオの出力管は、今回使用したUZ-42が多く使用されていました。そのためか、42も6Z-P1も、ラジオ用の真空管というイメージが強く、オーディオ・マニアの方の中には駄球扱いされる方もおられます。「ラジオ球は大量生産された真空管で雑音も多くオーディオ用としては使い物にならない」というのが理由のようですが、これはとんでもない間違いでしょう。ラジオ球やテレビ球は長時間使用するため、品質管理がしっかりされた中で製造された長寿命の真空管だと思います。
42はGT管の6F6と同じ特性で、6F6を3極管接続にしてパラ・プッシュプルで使用した「オルソン・アンプ」は真空管アンプの名機として有名ですね。
6Z-P1は日本独特の真空管で「みみっちい出力1Wしか出ない駄球」とされていますが、実際にアンプを製作してみると、とんでもなく良い音が出ます。銘球です。また3極管接続にすると12Aに似た特性となり、パワードライブ用として使用できます。6Z-P1と近い特性の真空管は5本足の3Y-P1です。5本足のためカソードは管内でヒーターの中点に接続されている真空管です。
GT管では日本では製造されていないと思うのですが6G6Gがほぼ6Z-P1と同じ特性です。
前置きが少し長くなりましたが、42は3極管接続にすると、とてもきれいな音がするのですが、シングルでは0.8W位しか出ないので、今回のシングル・アンプは5極管接続で使用しました。初段管は、ST管の6Z-DH3Aや、GT管の6SQ7、6SL7などを使うと見た目のバランスも良いのですが、今回はやはりラジオ球で、MT管の5球スーパーラジオに多く使用された6AV6を使用しました。この球は検波・増幅用の双2極3極管ですが、3極部の増幅率は、μ=100で12AX7の片ユニットとほとんど同じ特性の使いやすい真空管です。
42のバイアスは深くないので、初段に使用できる球は、いくらでもあります。
------回路について-----
今回完成したシングル・アンプですが、前回、書いたように使用した電源トランスのB電源容量が80mAなので、42の規格表による動作例から出力3W以上を得るためには電流が少し足りません。そのため出力管42の自己バイアス抵抗を510Ωとし、プレート電流を抑えました。その結果、最大出力を測定したところ2.4Wと少し小さくなりましたが、十分な出力です。この時の入力感度は丁度、1Vとなりました。なお、B電源のチョーク・トランスは1KΩ抵抗で代用しましたが、ハムは全く聞こえません。無音です。
回路図を下記に示します。簡単な2段アンプです。抵抗やコンデンサーは家にあったものを使用しました。
今回も整流にはST管の80か80Kを使用したかったのですが、手持ちが少なく傍熱管のため、シリコン・ダイオードによる整流としました。
出力トランスは春日無線のOUT-54B57です。バンド型ですが、スプレー塗料で黒色にしました。このトランスは音のバランスが良く、特に中音から高音に伸びがあり音の良い出力トランスです。現在は春日無線からは販売されていないようです?。東栄変成器からOPT-54B57として販売されていますが、春日無線の物はコア材が、オリエント・コアとなっていましたが、東栄変成器のOPT-54B57ではハイライトとなっています。今回使用したのは春日無線の新品同様のものです。
-----音の感想について-----
このアンプの音の感想ですが、一言でいうと、とてもラジオ用の出力管とは思えません。オーディオ用として十分なクオリティーを持っています。音楽のジャンルはジャズでもクラシックでも心地よい音を聞かせてくれます。人の声も素晴らしいと思います。
最大出力は、電流を少し抑えたこともあり、2.4Wですが十分な音量です。90dB以上のスピーカーなら、うるさい位の音量です。
オシロスコープで波形の観察をしたところ、少し高域にピークが見られたので、NFBの帰還抵抗に100pFをパラったところ、この程度のシングル・アンプとしては素直な波形となっていると思います。
参考に最大出力時の正弦波と、1W出力時の100Hz、1KHz、10KHzの方形波(矩形波)の写真を掲載します。
100Hz
1KHz
10KHz
このアンプは出来が良かったので、フリマサイトに出品しようかと思っていますが、音の良さと、出力トランスの良さから手放すことが惜しくなってきました。どうしよう・・・
メルカリで売れました・・・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。
----お願い----
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。











