前回、1899年生まれの指揮者ウイリアム・スタインバーグについて投稿、やっと1900年代生まれの指揮者の紹介が出来ると思っていたら、もう1人、忘れていました。1899年生まれのロヴロ・フォン・マタチッチです。
マタチッチのプロフィール
(いつも購入するタワーレコードの通販サイトからコピーしました)
1899年2月14日、クロアチア(旧オーストリア帝国)のスーシャック生まれの指揮者。1985年1月4日、ザグレブにて没。ウィーン音楽大学に学び、ケルン市立歌劇場の副指揮者として指揮デビューした。1933年ザグレブ歌劇場の第1指揮者を経て故国に戻り、1938年ベオグラード歌劇場の音楽監督およびベオグラード・フィルの指揮者に就任。第2次大戦後は、バイエルン州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、などの音楽監督や指揮者を歴任し、オペラの名匠として活躍した。また、コンサート指揮者としてもザグレブ・フィルの専任指揮者や、N響の名誉指揮者を務め、壮大で重厚なブルックナーやベートーヴェンの交響曲で聴衆を魅了した。
マタチッチの音盤ですが、正直HIROちゃんが架蔵しているCDについてはベートーヴェンの交響曲全集や、ブルックナーの交響曲が中心で多くは持っていません。
今回は、ベートーヴェンの交響曲について少し書いてみます。
マタチッチは1962年にミラノ放送交響楽団と全9曲の全集を収録していますが、残念ながら持っていないので未聴です。
HIROちゃんの手許にあるのは最近になって発売されたザグレブ・フィルハーモニックによるコンサートのライヴ録音の全集です。
■ベートーヴェン:交響曲全集
CD1)
交響曲第1番 ハ長調 作品21、交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
CD2)
交響曲第2番 ニ長調 作品36、交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」
CD3)
交響曲第4番 変ロ長調 作品60、交響曲第5番 ハ短調 作品67
CD4)
交響曲第8番 ヘ長調 作品93、交響曲第7番 イ長調 作品92
CD5)
交響曲第9番 ニ短調 作品125、
ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)/ザグレブ・フィルハーモニック
ラドミラ・スミッリャニチ(S)、マリヤ・クラシッチ(MS)
イーゴル・フィリポヴィチ(T)、ネヴェン・ベレマリチ(B)
ザグレブ・フィル合唱団(合唱指揮:イヴァン・ゴラン・コヴァチッチ)
【録音】
(第1、2番)1980/12/19、(第3、4番)1981/01/16
(第5、6番)1981/02/27、(第7,8番)1981/05/22、(第9番)1981/06/05
演奏会場:ヴァトロスラフ・リシンスキ・コンサートホール(ライヴ録音)
HRTクロアチア放送による録音
*当時クロアチアはユーゴスラヴィアでした。
この全集の他に何枚かのCDが手元にあります。チェコ・フィルとの第9番「合唱」があるのですが、どこかに紛れて行方不明です。この第九は第4楽章の合唱がドイツ語ではなく、チェコ語で演奏されているため聞きなれたドイツ語ではなく、少し違和感があります。
ローザンヌ室内管弦楽団 録音:1981年
※カップリング曲:ハイドン交響曲第82番ハ長調
■交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 録音:1959年
※カップリング曲:レオノーレ序曲第3番
■交響曲第2番ニ長調 作品36
■交響曲第7番イ長調 作品92
NHK交響楽団 (1984年3月ライヴ録音)
■交響曲第6番 ヘ長調 作品68「田園」
NHK交響楽団 (1967年11月ライヴ録音)
※カップリング曲:ワーグナー
ニュルンベルクのマイスタージンガー第1幕の前奏曲
これらのうち、ザグレブ・フィルとの全集ですが、巨匠最後のベートーヴェン・ツィクルスで、晩年の演奏ですが、全体的に豪快さを感じる中にも、溌剌さも感じる第7番や、第5番「運命」の表現も素晴らしく、第2番、第4番、第6番「田園」も美しい。
しかし、これらの中で最も素晴らしいのは1984年3月24日のNHK交響楽団との交響曲第7番でしょう。以前にもこのブログで紹介したのですが、この時の演奏は、後に放映されたNHKテレビでも映像を見ました。映像でのマタチッチの指揮は直立した指揮でしたが、指揮棒無しで、ほとんど右手だけを胸元で拍子をとっているだけの指揮・・・あの指揮から、何故あのような渾身、迫力ある壮絶な演奏が出来るのかと・・・もうこうなると音楽というより哲学的なものを感じました。
この第7番は、正に「名盤・名演奏」でしょう。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。




