前回の「ジョージ・セルの名盤・名演奏」ではベートーヴェンの交響曲について紹介しました。セルのベートーヴェンについては、古い録音ですがブロニスラフ・フーベルマン/ウィーン・フィルと共演したヴァイオリン協奏曲や、エミール・ギレリス/クリーブランド管弦楽団と共演したピアノ協奏曲全5曲のステレオ録音も架蔵しています。これらは別の機会に紹介することとし、今回はブラームスの交響曲全集について簡単に紹介します。

 

 手元のあるブラームスの交響曲ですが、1970年代にCBS/SONYから発売されていた「セル/クリーブランドの芸術1300」シリーズの1枚1,300円の廉価盤LPレコードと、メモリーズのライブ録音によるCDです。

 

ブラームス交響曲全集(第1番~第4番)

  クリーブランド管弦楽団  録音1964年~67年

 

 

 

 

 

ブラームス交響曲全集

第1番(ルツェルン祝祭管、1962年8月ライヴ

第2番(ケルン放送響、1958年9月ライヴ)

第3番(コンセルトヘボウ管、1951年9月スタジオ)

第4番(北ドイツ放送響、1959年5月ライヴ

 

 

 メモリーズ盤は、録音も悪くおすすめはしません。ここではLPレコードの全集について簡単に書いてみます。これらはセルの絶頂期における録音で、1960年代の録音ですが、広がりのあるステレオ録音になっています。

 

 どの演奏もクリーブランド管弦楽団の透明感がある格調高いアンサンブルと、端正な表現の中にも強靭さや推進力もみられる演奏となっています。中でも「第2番」と、「第4番」の弦の響きが素晴らしく思いました。

「第2番」は、全体的な流れも良く、重々しさなどは感じられない親しみのある演奏と言えるでしょう。

「第4番」は多くの名盤がありますが、このセル盤は憂愁な響きで、過度な主観的感情をおさえた第一楽章、や、劇的さも感じる第3楽章、深い感情がみられる第4楽章と、名演奏だと思います。

なお、スケール感と重厚さも見られる「第1番」、「第3番」も良い演奏だと思いました。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。