現在投稿している「名指揮者の名盤・名演奏」の企画は、大体ですが生年順に紹介しています。
前回は1898年生まれのイギリスの指揮者ジョン・バルビローリを紹介しましたが、今回はバルビローリより生年順では少し早いジョージ・セルについて何回か紹介していきます。
ジョージ・セルのプロフィール
指揮者。1897年ハンガリーのブダペスト生まれ。1970年没。3歳の時ウィーンへ行き、11歳でウィーン響とピアニストとして共演。17歳でベルリン・フィルを指揮して自作を発表するという神童だった。15年にR・シュトラウスに認められベルリン国立歌劇場の練習指揮者になり、以降プラハ・ドイツ歌劇場の総監督にまで昇りつめる。46年からクリーヴランド管の音楽監督に就任し、世界的なオーケストラに育てた。凝縮された無駄のない演奏で知られる。
2012/08/30 (2013/01/11更新) (CDジャーナル)
セルのどの音盤から紹介していこうかと考えていたのですが、架蔵しているセルの音盤はHIROちゃんとしては少ないほうです。そのほとんどがLPレコードです。CDはあまりありません。
今回はセルが指揮をしたモーツアルトの交響曲について簡単に紹介します。
手許にあるセルが指揮したモーツアルトの交響曲の録音は下記のとおりです。HIROちゃんの知るところセルがステレオで録音したのは、これらだけだと思います。〈すべてLPレコードです〉
■モーツアルト交響曲第28番/第33番
クリーヴランド管弦楽団 録音:1965年/62年
■モーツアルト交響曲第34番
※カップリング曲:ベートーヴェン交響曲第5番「運命」
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 録音:1966年
■モーツアルト交響曲第39番/第40番
クリーヴランド管弦楽団 録音:1960年/67年
■モーツアルト交響曲第35番「ハフナー」/第41番「ジュピター」
クリーヴランド管弦楽団 録音:1960年/63年
セルは、理想のモーツアルトの交響曲を録音するため、オーケストラは小編成で録音しています。そのため、全体的に強靭さも見られるものの引き締まった演奏になっています。またアンサンブルも色彩豊かで、細部まで緻密な演奏と言えるでしょう。
どの曲も素晴らしいのですが、特に35番「ハフナー」では第1楽章では提示部を反復した完全主義者的な強靭的な演奏で全楽章をとおして聞きごたえがあります。
第39番は、知的な演奏で、幸福感や生命力、そして躍動感を感じる荘重な演奏と言えるでしょう。これも名演。
第40番もワルターのようなロマンチックな演奏ではありませんが、引き締まった演奏というのか、隙のない名演です。
第41番「ジュピター」は、無駄のない表現で密度が非常に高い演奏でしょう。早めのテンポで強靭な演奏です。第4楽章はなかなか聞きごたえのある名演です。
第28番、第33番もそれぞれ素晴らしい演奏です。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。