今回はバルビローリの名盤・名演奏として6回目の投稿で、自国イギリスの作曲家、ヴォーン・ウイリアムズの作品について少し書いてみます。

指揮者バルビローリとヴォーン・ウイリアムズはとても良い関係でしたが、録音された作品は意外と少なく、交響曲ではバイエルン放送交響楽団とのライヴ録音による「第6番」もあるようですが、HIROちゃんの知る限り正規盤では「ロンドン交響曲」と呼ばれる「第2番」と「第5番」「第8番」の3曲だけだと思います。

 これらのうち手元にあるのは「ロンドン交響曲(第2番)」と、「第8番ニ短調」の2曲の交響曲、それと「トーマス・タリスの主題による幻想曲」と「グリーンスリーヴスによる幻想曲」の2枚のLPレコードだけです。 ただ、HIROちゃんは、ヴォーン・ウイリアムズの曲は「交響曲全集」なども持っていますが、好んで何度も聴くことはあまりありません。

 

交響曲第2番『ロンドン交響曲』 録音:1957年
交響曲第8番 録音:1956年
 ハレ管弦楽団

 

タリスの主題による幻想曲 

グリーンスリーヴズ」による幻想曲

 シンフォニア・オブ・ロンドン 録音:1962

 

 

「ロンドン交響曲」と「第8番」のレコードですが、原盤は「パイ」ですが、手元にあるこのLPレコードは、当時は歌謡曲専門?だった「テイチク株式会社」から「ジョン・バルビローリ1500名演集」として1枚1,500円で発売されていたものです。

 

「交響曲第8番ニ短調」は、バルビローリに献呈された1955年の作品です。翌年の1956年にバルビローリによって初演されています。このレコードの録音は初演の翌年1957年にセッションで行われた初期のステレオ録音です「第8番」については1961年のルガノでのライヴや、1968年のロイヤル・フェスティヴァルホールでのライヴもあるようです。

 この「第8番」ですが、普通の交響曲とは構成が異なり、4楽章ですがファンタジア(主題のない変奏曲)の第1楽章、第2楽章は管楽器だけの「行進曲風スケルツォ」、第3楽章は弦楽器だけ、第4楽章は多くの打楽器が活躍するトッカータとなっていて、大音量で曲が終わります。正直あまり好んで何度も聴く曲ではないのですが、古い録音とは言え、ステレオ録音で残されたバルビローリの演奏は、面白いと言えば面白い演奏で、ユーモア的な部分も感じられる演奏です。

 

「ロンドン交響曲(交響曲第2番)」は、ロンドンの印象を描写的に表現した曲で、作曲者自身が最も気に入っていた作品らしい。テムズ川の夜明けから始まり、ロンドンの街のさまざまな情景を綴った曲になっています。この曲は何回か改訂されているようです。バルビローリは、後に「パイ」ではなくEMIに再録音していますが、これは未聴です。この演奏は一言でいえば「充実した活力に満ちた演奏」と言えると思います。

 

「タリスの主題による幻想曲」ですが、ヴォーン・ウイリアムズが作曲家としての成功を勝ち取った曲とも言われている曲です。その編成は大小異なる2つの弦楽オーケストラと弦楽四重奏の3群からなっている曲で、ルネサンス期らしいメロディが印象的な曲で、バルビローリは、「グリーンスリーヴズによる幻想曲」と共に美しい旋律を聞かせてくれます。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。