EL34(6CA7)と6L6系出力管

 完成したばかりのEL34(6CA7)ppアンプですが、最終的にB電圧の切替のみで6L6系(5881など)兼用のコンパチブル・アンプとしました。

本来、EL34と6L6は全く異なる特性の出力管です。構造的にもEL34が5極管に対し、6L6はビーム管です。また、真空管ソケットの接続も異なり、EL34では(G3)が1番ピンとして独立していますが、6L6では1番ピンがNCとなっていて、G3は8番ピンにカソード(K)と共に管内で接続されています。

そこで、1番ピンと8番ピンをつなぐことにより、少し乱暴でラフな使い方ではあるのですが、プレート電圧や電流、バイアス電圧等をどちらの出力管にも合うように調整することで、兼用のアンプにすることが出来ます。今回、回路の設計にあたっては、電源トランスのB電圧の280Vタップと、240Vタップの切替により、EL34と6L6の供給B電圧を切り替えています。

 

出力管の長寿命化を図る

 今回は出力管がペア・チューブでなくても使えるよう、自己バイアス抵抗(カソード抵抗)とバイアス・コンデンサーを2本共通ではなく、1本ごとに付けています。このカソード抵抗値ですが、EL34としては高目の390Ωとして電流を抑え、軽い動作で長寿命設計となっています。一方、6L6の場合には1本ごとのカソード抵抗は500Ω位が良いのですが、供給B電圧を切替スイッチで少し下げることで、390ΩでもOKとなっています。これでも6L6にとっては、かなり軽い動作になっています。

 

挿し替えられる出力管

 今回のアンプで、そのまま挿し替え出来る主な出力管は、280VタップでEL34(6CA7)、KT-77、KT-66などです。(6L6は6L6-GCなら定格が大きいので使用可ですが240Vタップが安全) 240Vタップ切替ではUSソケットの6L6系の6L6G6L6GC5881WE350B、などがそのまま挿し替え出来ます。

 なお、240Vタップでも6V6を挿し替え出来るのですが、多少定格オーバーとなりそうです。そのため、どうしても多くの出力管の音を楽しみたければ、出力は少し小さくなりますが、電源トランスのB電圧タップを200Vか220Vとしてつなぎ、出力管のカソード抵抗を420~470Ω位に変更すれば、この電圧でも6L6の他に6V6や、6F66K6なども使えるでしょう。(6L6やEL34もこれ位の低電圧でも正常に動作しますが出力は小さくなります)6V6や、6F6の場合には出力トランスの2次側の4Ω端子に8Ωをつなぐことにより、1次側を7KΩとします。これもラフな使い方ですが音はちゃんと出ます。しかし、6V6や、6F6、6K6などまでのコンパチは、あまりおすすめしません。

 

アンプの入出力特性等

 EL34と、6L6(5881)を使用した時の入出力特性ですが、1kHzの正弦波をオシロスコープで波形の山が崩れ始めるクリップ点を観察し測定しました。その結果、EL34では電圧、電流を抑えた軽い動作としていることもあり、普通のEL34アンプより出力は小さくなりました。それでも最大出力は21Wとなりました。この時の入力感度は0.9Vでした。また、6L6では5881を使用しましたが、こちらも軽めの動作ですが、最大出力は13Wでした。この時の入力感度は0.7Vでした。

どちらも、これくらいの最大出力が出れば全く問題なしですし、長寿命アンプとしても成功です。(なお、6L6使用の時は、出力トランスの2次側の4Ω端子に8Ωをつなぎ、1次側を7KΩとしたほうが良いかもしれません)

 

NFB回路の調整等

 (高域の位相補正)

 このアンプの回路図は末尾に公開しますが、完成した時のNFBは帰還抵抗の18KΩだけでした。しかし、低周波発振器で100Hz、1kHz、10kHzの矩形波(方形波)を入れてオシロスコープで観察したところ、「なんじゃこりゃ~~!」 1kHzで早くもオーバーシュートが見られ、高域にピークがあることが分かりました。(耳で聴いては全く分からない) そこで部品箱からやっと100pFを2個見つけ出し、帰還抵抗にパラって見たところ、波形は激変! オーバーシュートは消えて綺麗な波形に、10kHzも方形波の形が崩れていません。また、100Hzでもピークや大きな減衰は見られず、広帯域の素晴らしいアンプに仕上がったと思います。

 

 EL34と5881との音の違いとか、EL34のメーカーの違いによる音の違いなど・・HIROちゃんの駄目耳では良く分かりませんが、次回にでもこれらのアンプの音について聞き比べ、書いてみましょう。それにしてもEL34という球はヒーター規格が6.3V1.5Aで、6L6の0.9Aと比べると大飯食らいだ! そのためアンプに電源を入れてエージングしていても球からの放熱は凄いし、アンプ自体も電源トランスは十分に余裕があるのですが、かなり熱くなりますね・・

 

回路図

 

 

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。