今回は「ジョン・バルビローリの名盤・名演奏」の5回目です。

バルビローリは旧EMIにハレ管弦楽団などと多くの録音を残していますが、それらの中には自国のエルガーや、ヴォーン・ウイリアムズ、ブリテンなどの作品も多く含まれています。 

 今回紹介するのはバルビローリがEMIに残したエルガーの作品を集めたCD 7枚組のBOXです。まだ一部未聴の曲がありますが、これまで印象に残った演奏について少し書いてみます。

 

 

《CD1》
1-4) チェロ協奏曲ホ短調Op.85
5-9) 海の絵 Op.37
[ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
ロンドン交響楽団録音:1965,

《CD2》
1-3) 弦楽のための序奏とアレグロ Op.47
4-6) 弦楽のためのセレナード ホ短調Op.20
7-21) エニグマ変奏曲 Op.36
22) コケイン序曲 Op.40
アレグリ弦楽四重奏団(1-3)
シンフォニア・オヴ・ロンドン(1-6)
フィルハーモニア管弦楽団(7-22)
録音:1962

《CD3》
1-4) 交響曲第1番変イ長調 Op.55
5-6) 行進曲『威風堂々』第1番&第4番
フィルハーモニア管弦楽団 録音1962

《CD4》
エルガー:交響曲第2番変ホ長調Op.63
ハレ管弦楽団 録音:1964

《CD5》
1) 序曲『フロワッサール』Op.19
2-4) 行進曲『威風堂々』第2, 3, 5番
5) ため息 (ソスピーリ)Op.70
6) エレジー Op.58
7-12) 交響的習作『フォルスタッフ』Op.68
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1-6)
ハレ管弦楽団(7-12) 録音:1964 、1966

《CD6》
オラトリオ『ゲロンティアスの夢』(第1部)
リチャード・ルイス(テノール)
ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)
キム・ボルイ(バス)
シェフィールド・フィルハーモニー合唱団
アンブロジアン・シンガーズ
ハレ管弦楽団&合唱団 録音:1964

《CD7》
1-18) オラトリオ『ゲロンティアスの夢』(第2部)
19) 夢の子供たち Op.43 より アンダンテ
ハレ管弦楽団 録音:1950 

20) 3つのバイエルン舞曲Op.27a より「子守歌」
ハレ管弦楽団、録音:1947
21-22) カンタータ『カラクタクス』Op.35より

Oh! My warriors」「Leap, leap to light」
ピーター・ドーソン(バリトン) グランドオーケストラ
録音:1928

 

 バルビローリはチェリストとしてスタートし、エルガー指揮でエルガーのチェロ協奏曲を自身で演奏していますが、このBOXでのチェロ協奏曲はジャクリーヌ・デュ・プレとの共演です。デュ・プレは、エルガーのチェロ協奏曲を最も得意としていたと言われていますが、デュ・プレとバルビローリは、曲と一体化した個性の強い圧倒的ともいえる演奏を聞かせてくれます。

 

「エニグマ変奏曲」ですがフィルハーモニア管弦楽団との録音。バルビローリはこの曲を3回録音したと言われています。HIROちゃんとしては、あまり聞くことがない曲ですが、暗い曲想部分を豊かに表現していると共にスケールの大きな演奏です。

 なお、同じCDに収録されている「コケイン序曲」はあまり演奏されない曲ですが、なかなか活き活きとした名演です。

 

「威風堂々」ですが、第1番~第5番の中では何と言っても、最も有名な第1番が最高。弦の緻密なアンサンブルや、艶やかな響きが魅力で、編曲したブラスバンドで聞く金管楽器の爆発的な強奏音とはまるで違います。他の第2番~第5番も名演。

 

 普段、こちらもHIROちゃんとしてはあまり聞くことのないエルガーの交響曲ですが、未完成に終わった「第3番」を除く「第1番」と「第2番」の2曲が収録されています。

「第1番」は、フィルハーモニア管弦楽団との演奏。全4楽章の曲ですが、第1楽章の冒頭に出て来る旋律が循環主題として用いられて、全曲にわたって何度も繰り返しあちこちに登場してきます。全体的に表情の豊かな演奏になっています。

「第2番」は、ハレ管弦楽団との録音。特徴は葬送行進曲風ともいえる第2楽章、荘厳さの中にも情感のある表情豊かな演奏ですが、全体をとおしてもダイナミックな多彩なオーケストレーッションを聞くことが出来る名演と言って良いでしょう。

 

CD6、CD7については、まだ全曲未聴です。特にオラトリオ『ゲロンティアスの夢』ですが、正直、この曲は長いこともあり、なかなか聴く気がおきません。対訳をネット検索で見ることが出来るので、機会をみて後日じっくりと聴いてみたいと思っています。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。