・・・はじめに・・・
「名指揮者の名盤・名演奏」ですが、現在、1890年代生まれの指揮者を紹介しています。1890年代生まれの名指揮者は数多く、これまでエーリッヒ・クライバー、ヘルマン・シェルヘン、シャルル・ミュンシュ、アルトゥール・ロジンスキ、クレメンス・クラウス、パウル・ヴァン・ケンペン、カール・ベーム、マルコム・サージェント、アーサー・フィードラー、デミトリ・ミトロプーロス、そして前回の日本の指揮者である近衛秀磨を紹介してきましたが、1890年代生まれの指揮者としては、まだまだいて、ジョージ・セル、ヤッシャ・ホーレンシュタイン、ジョン・バルビローリ、ユージン・オーマンディ、ロヴロ・フォン・マタチッチらの紹介をしなければなりません。
今回は生年順からいくとセルや、ホーレンシュタインのほうが少し早いのですが、今回はジョン・バルビローリについて少し書いてみます。
プロフィールは、タワーレコードの通販サイトからコピペしました。
プロフィール
指揮者。1899年英国ロンドン生まれ。1970年没。祖父、父共にイタリアのヴァイオリン奏者だった。ロンドン王立音楽院でヴァイオリンを学び、16年にクイーンズ・ホール管の最年少楽員になる。その後指揮者になり。37年から43年までニューヨーク・フィルの首席指揮者を務めている。43年ハレ管の首席指揮者になり、同楽団を世界的なレベルにまで向上させた。ヒューマニズムあふれる深い味わいを醸し出す、典型的な英国の指揮者だった。
2012/08/30 (2014/06/27更新) (CDジャーナル)
バルビローリと言えばイギリスの指揮者なので、ディーリアスの管弦楽や、ヴォーン・ウイリアムズ、エルガーの交響曲などを思い浮かべますが、個人的には、これらの曲は正直あまり好んで聞くことはありません。何枚かは持っていますので、後から紹介するとして、今回はバルビローリの名盤と呼ばれている、ブラームスの交響曲全集を紹介します。
ブラームスの交響曲と言えば、ブラームス・ファンの間では「第1番派」と「第4番派」に分かれるとかの話で、以前、HIROちゃんは「第1番」が最も好きだったのですが、その後、「第4番」を多く聞くようになり、そして最近は「第2番」がメチャクチャ好きで聞くことが多くなりました。
バルビローリのブラームス交響曲ですが、全集としてあるのは下記のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのもので。1970年代に東芝EMIから販売されていたセラフィム盤の1300円廉価盤LPレコードです。横長の帯まで捨てずに残しています。
こちらは同じ音源で、EMI原盤のオランダ製の輸入CD3枚です。
この録音ですが、1966年、67年にセッションで録音されたもので、ほとんどがワンテイクに近い録音だったらしい。全4曲とも情感あふれる演奏で、ウィーン・フィルハーモニーの美しい音色を聞くことが出来ます。 中でも「第2番」が名盤とされることから、今回は特に「第2番」について書いてみます。
バルビローリの「第2番」については、このブログで2022年11月7日の投稿で紹介していますので、今回は、その時の文章に一部追加して書いてみました。
バルビローリは、このブラームスの「第2番ニ長調」が好きだったようで、少なくても次の録音が残されています。
① ニューヨーク・フィルハーモニック 録音:1940年
② ボストン交響楽団 (映像) 収録:1959年
③ ボストン交響楽団 1962年ライヴ録音
④ ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 録音:1966年
⑤ バイエルン放送交響楽団 録音:1970/04/10 ライヴ
第2番は、④のウィーン・フィル盤の他に⑤のバイエルン放送交響楽団盤を架蔵しています。このバイエルン放送交響楽団との演奏ですが、バルビローリが亡くなるわずか3ケ月前の1970年4月10日、ミュンヘンのヘルクレスザールでのライヴ録音です。
架蔵しているCDは、ORFEOレーベルの40周年記念で発売された「伝説の指揮者たち」と題したCD10枚組のBOXの中の1枚です。
このバイエルン放送交響楽団とのライブ盤ですが、録音はステレオで音も驚くほど良いです。セッションでのウィーン・フィル盤と基本的な演奏スタイルは同じで、濃厚な演奏といえるでしょう。全体的に「バルビ節」とも呼ばれる独特の弦楽器の表現が、このバイエルン盤でも聴かれます。第1楽章は、極端な「バルビ節」は見られず、よどみのない旋律が歌い上げられ、後半での盛り上がりも素晴らしい。第2楽章、第3楽章になると正にバルビローリの世界・・ 特に弦楽器の歌い上げる旋律は濃厚で美しい。第4楽章は力強くスケールが大きい演奏で迫力があります。この第2番では個人的には第1楽章と第4楽章が絶品だと思います。好きな演奏です。
ウィーン・フィル盤にしろ、バイエルン放送交響楽団盤にしろ、バルビローリ独特の情感あふれるブラームス感は人によって、好みが分かれる演奏かも知れませんが、ウィーン・フィル盤もバイエルン放送交響楽団盤もこの曲の「名盤・名演奏」と言えるでしょう。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。