現在投稿している「名指揮者の名盤・名演奏」ですが、生年順にいくと1890年代生まれの指揮者がまだまだたくさんいます。ミトロプーロス、セル、ホーレンシュタイン、マタチッチ、オーマンディなどです。生年順が少しずれますが、今回は1898年生まれの日本の指揮者、近衛秀磨 氏を簡単に紹介します。

 

プロフィール

いつも購入するタワーレコードの通販サイトからコピペしました。

 

 1898年、東京生まれの指揮者。1973年東京にて没。貴族院議長も務めた公爵近衛篤麿の次男。兄は後に総理大臣となった近衛文麿。1923年、東大を中退してパリに留学し、ヴァンサン・ダンディに作曲を学ぶ。その後ベルリンでエーリヒ・クライバーに指揮法を師事する。1924年にはベルリン・フィルを指揮しヨーロッパ・デビューを飾り、同年帰国演奏会を開いた。1925年山田耕筰と日本交響楽協会を結成。翌年同会は分裂し、近衛は新交響楽団(現NHK交響楽団)を設立し指導にあたる。1935年同団を辞し、ベルリンを拠点に欧米各地のオーケストラを客演指揮する。1945年、敗戦直前のベルリンから帰国。1946年東宝交響楽団(現東京交響楽団)の発足とともに指揮者陣に加わり、1950年近衛管弦楽団(後ABC交響楽団)を設立した。我が国オーケストラ界の先駆者であり、世界的に活躍した初めての指揮者だった。また、戦前戦後を通じ、多数のレコーディングを行った。

2012/08/30 (2012/08/30更新) (CDジャーナル)

 

現在、HIROちゃんの手許にある近衛氏の音源は少なく、下記のCD2枚とダブリのLPレコード1枚です。

 

ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』
■ シューベルト:交響曲第7(8) 番ロ短調 D.759『未完成』
  近衛秀磨
(指揮)/ 読売日本交響楽団
   録音:1968年2月21日 東京都、杉並公会堂
   録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)

 

 

 ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調「合唱」

  近衛秀磨(指揮)/ 読売日本交響楽団/二期会合唱団他
     録音:1968年9月6、12、13日

  東京都、厚生年金会館     

 

  

 

 下の写真のLPレコードですが、ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 op.67『運命』と、 シューベルト:交響曲第7(8) 番ロ短調 D.759『未完成』でCD と同じ音源です。

実は職場近くのリサイクル・ショップの「60円中古LPコーナー」で見つけ、昨日購入したものです。

 

 

 

 このレコードは学研の依頼で日本ビクターが制作したもので、今回購入したのは、研秀出版株式会社(現・(株)Gakken 現連結会社)が特約販売した「世界のオーケストラ名曲集③ドイツ編Ⅲ」のLPレコードです。3つ折りの立派なジャケット入りのもので、解説は村田武雄 氏による「ドイツ・オーストリの音楽 ― 古典派からロマン派への流れ」と題した長文と、辻壮一 氏による「シューベルトの生涯を語る」と題した解説、また、結城享 氏による曲目解説、さらに「日本の洋楽③明治の歌劇運動」と題した宮沢縦一 氏の解説という、豪華なジャケット本になっています。

 

 税込み60円という価格には驚きですが、中身のレコードはあまり聞いた形跡がなく、無傷できれいでした。お宝発見でした・・・

 

 

 この演奏は1968年2月21日に東京の杉並公会堂で日本ビクターがセッションで収録したものですが、音質が非常に素晴らしく、見事な音質です。同じ音源をリマスターされたCDでも前述のように架蔵していますが、CDより、このLPレコードのほうが音質は素晴らしいです。

 今回購入した、この「世界のオーケストラ名曲集③ドイツ編Ⅲ」は昭和43年(1968年)5月10日発行と記載されていますので、録音してからすぐに発売されていたことが分かります。

 

 これらの演奏ですが、録音も良いためか読売日本交響楽団の充実した響きが素晴らしい。ベートーヴェンの第5番「運命」や、第9番「合唱」では「近衛編」ともいえる管楽器などに手を加えた演奏になっています。若干違和感のある部分もありますが、それでも当時の読売日本交響楽団はレベルが相当高く、全体的にスケールも大きく、緻密な演奏と言えるでしょう。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。