・・・はじめに・・・
この「名指揮者の名盤・名演奏」の企画ですが、投稿記事を書き始めたのは2022年12月からで、早いもので約2年半になりました。当初はHIROちゃんのCDのライブラリーの中から好きな演奏家について、その音盤から勝手に名盤・名演奏を簡単に紹介していく企画で、「名指揮者〇〇〇の名盤・名演奏10選」とか、「名ピアニスト〇〇〇の名盤・名演奏10選」などのように紹介して、1年位で終わりにしようか思っていた企画でしたが、実際には大体生年順に名指揮者と言われる録音の多くを紹介する投稿となっています。
最近は特に左目が悪くなってきてPC作業も少し辛くなってきました。そのためブログへの投稿も3日に1度程度で、クラシック以外の投稿もしていることから、なかなか先に進みません。この2年半で紹介したこの企画の投稿は118回、番外編などを含めると130回を超えていますが、これまで紹介した指揮者は、まだ30人です。(末尾にこれまで紹介した指揮者名を記載します)、まだ1890年代生まれの巨匠たちの紹介も終わっていません。まだまだ1890年代生まれの指揮者としてはサージェントや、セル、バルビローリ、ロスバウト、ホーレンシュタイン、オーマンディ、マタチッチなどが残っています。1908年生まれのカラヤンや、朝比奈隆の名盤紹介までは、いつの頃になるのかわかりません。 終活を進めているHIROちゃんです。そろそろこのブログも止めようかとは思っているのですが、ボケ防止のためにも出来る限り続けたいとは思っています。
さて、今回はカール・ベームの30回目の投稿です。これまで紹介した音盤の他にも、まだまだベームの録音した音源は手許にあるのですが、一応今回でベームについては最終回とします。今後、紹介したい音源が出てきた時などは「追加編」や、「番外編」として投稿します。
今回、紹介するのは、前回に投稿したドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を含む、シュトゥットガルト放送交響楽団を指揮した「カール・ベームSWR録音集1951-1979年」の6枚組CDのBOXです。
シュトゥットガルト放送交響楽団とのライヴは、これまであまりいた聞いたことがありません。このBOXは貴重な録音集と言えるでしょう。
【CD1】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):
1-4. 交響曲第40番 ト短調 K.550
SWR19432CD/93.014と同一音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827):
5-7. ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op. 58
93.014と同一音源
ブランカ・ムスリン(ピアノ)…5-7
シュトゥットガルト放送交響楽団
Südfunk-Sinfonieorchester… 1-4
シュトゥットガルト放送交響楽団
Sinfonieorchester des Süddeutschen Rundfunks… 5-7
録音:ライヴ
1974年9月18日Liederhalle Stuttgart…1-4 (STEREO)
1951年4月15日SDR Villa Berg, Stuttgart…5-7(MONO)
【CD2】
ベートーヴェン:
1-4. 交響曲第2番 ニ長調 Op. 36
5-8. 交響曲第7番 イ長調 Op. 92
シュトゥットガルト放送交響楽団
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart
録音:ライヴ
1979年2月14日 Liederhalle Stuttgart (STEREO)
【CD3】
ベートーヴェン:
1-4. 交響曲第9番 ニ短調「合唱」 Op. 125
ルート=マルグレート・ピュッツ(ソプラノ)
シビッラ・プラーテ(アルト)
ヴァルター・ガイスラー(テノール)
カール=クリスティアン・コーン(バス)
シュトゥットガルト放送合唱団
シュトゥットガルトフィルハーモニー合唱団
シュトゥットガルト放送交響楽団
Südfunk-Sinfonieorchester
録音:シラー生誕200周年記念演奏会のライヴ
1959年11月12日 Liederhalle Stuttgart (MONO)
【CD4】
ヨハネス・ブラームス(1833-1897):
1-4. 交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
ロベルト・シューマン(1810-1856):
5-7. ピアノ協奏曲 イ短調 Op. 54
ブランカ・ムスリン(ピアノ)…5-7
シュトゥットガルト放送交響楽団
Sinfonieorchester des Süddeutschen Rundfunks
録音:
1951年4月15日 (スタジオ) Villa Berg, Stuttgart…1-4 (MONO)
1954年12月10日 (ライヴ)
Waldheim in Stuttgart-Degerloch)…5-7 (MONO)
【CD5】
アントニン・ドヴォルザーク(1841-1904):
1-4. 交響曲第9番 ホ短調 Op. 95
パウル・ヒンデミット(1895-1963):
5-8. カール・マリア・フォン・ウェーバーの主題による交響的変容
シュトゥットガルト放送交響楽団
Sinfonieorchester des Süddeutschen Rundfunks
録音:ライヴ
1954年12月10日
Waldheim in Stuttgart-Degerloch…1-4 (MONO)
1951年4月15日 Villa Berg, Stuttgart…5-8 (MONO)
【CD6】
アントン・ブルックナー(1824-1896):
1-4. 交響曲第7番 ホ長調
シュトゥットガルト放送交響楽団
Südfunk-Sinfonieorchester
録音:ライヴ
1974年9月18日 Liederhalle Stuttgart (STEREO)
※第1楽章の冒頭にオリジナル・テープに由来する2小節の欠落があります。
上記のこれらの録音から何曲か印象に残った演奏を簡単に紹介します。CD1のモーツアルト交響曲第40番は、ヘンスラーから発売されたものと同じ音源で以前から持っていた音源ですが、今回のほうが若干、音質は良い気がします。1974年、チェリビダッケ時代のシュトゥットガルト放送交響楽団の演奏は、各パートもクリアで、暖かみを感じる演奏で美しく、ベームの40番の中でも聴きごたえのある1枚でしょう。
CD2のベートーヴェンの1979年録音の交響曲第2番と第7番ですが、翌年のウィーン・フィルとの最後の日本公演と同じ曲目で、この時の演奏時間を比較してみると、第2番も第7番も、来日公演では、かなりのスローテンポな演奏でしたが、この1年前のシュトゥットガルト放送交響楽団との演奏では第2番、第7番とも全楽章が早くなっていて、両曲とも3~4分短い演奏。というか普通のテンポ・・その中でも第2番が素晴らしく、構築感がある演奏で特に第2楽章が美しい。第7番も最晩年を感じさせない全体的に壮大なベートーヴェンを感じる演奏です。
CD3の1959年録音のベートーヴェン交響曲第9番「合唱」ですが、ベームのライヴとしては極端な激しさは見られませんが、まとまりのある演奏で特に第3楽章のアダージョがとても美しい。
CD4の1951年の放送用のスタジオ録音のブラームスの交響曲第1番ですが、悠然と開始する第1楽章は強大さを感じる演奏で、全曲をとおしてダイナミックで熱い演奏を聴くことが出来ます。
CD5の1951年録音のドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」は、前回紹介した通りライヴならではの緊張感や激しさも見られる迫力のある演奏です。
CD6の1974年のブルックナー交響曲第7番は、残念ながら理由はわかりませんが、第1楽章の冒頭にオリジナル・テープに由来する2小節の欠落があります。
ベームのブルックナー交響曲第7番については多くの録音が残されています。HIROちゃんの知る限り下記の9種類があります。(まだあるかもしれません)
① ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1943年or 1948年)
ALLEGRO THE Great Conductors
② ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1953/03/07ライヴ)
Altus
③ ウィーン・フィル・ハーモニー管弦楽団
(1964/09/06ルツェルン・ライヴ
④ ザクセン国立(ドレスデン)国立歌劇場管弦楽団
(1944)DOCUMENTS
⑤ シュトゥットガルト放送響強楽団(1974/09/18ライヴ)
SRW
⑥ ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1976/2月)DG
⑦ ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1976/09/26ライヴ)
ORF
⑧ ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1977/03/24ライヴ)
⑨ バイエルン放送交響楽団 ライヴ(録音年不明ライヴ 1977?)
METEOR
これらのうち③以外の音盤についてはシュトゥットガルト放送響交響楽団盤を含め8種類架蔵しています。
今回のシュトゥットガルト放送交響楽団の演奏ですが、意外と淡々とした感じで感情の入れ込みも大きくは無いように感じます。しかし、それでもベームのブルックナーは十分に楽しむことが出来ます。たとえ冒頭の2小節だけの欠落とは言え、残念。
・・・ ご参考 ・・・
これまで紹介した名指揮者たちです。これらの投稿記事はテーマ「名指揮者の名盤・名演奏」からみてください。
■メンゲルベルク、トスカニーニ、モントゥー、ワルター、セラフィン、カザルス、ビーチャム、シューリヒト、シュトルツ、ストコフスキー、アーベントロート、ターリッヒ、アンセルメ、クレンペラー、パレー、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、ライナー、ボールド、エーリッヒ・クライバー、シェルヘン、ミュンシュ、クレメンス・クラウス、ケンペン、ベーム
■もっと長生きしてほしかった名指揮者:フルトヴェングラー、ベイヌム、カイルベルト、フリッチャイ、リヒター、ケルテス
では、今日はこのへんで・・・HIROちゃんでした。