カール・ベームのワーグナーの作品というと、1966年のバイロイト祝祭劇場でのライブによる、楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲、1966、1967年ライブによる楽劇4部作「ニーベルングの指環」全曲、そして1971年の歌劇「さまよえるオランダ人」全曲の録音があります。

 これらのうち、HIROちゃんのライブラリーとして手元にあるのは、楽劇4部作「ニーベルングの指環」全曲、そして、歌劇「さまよえるオランダ人」全曲です。

 

■楽劇4部作「ニーベルングの指環」全曲

日本フォノグラム RING 301~16 LPレコード(16枚組)

 

【曲目】
・楽劇 《ラインの黄金》 全1幕
ゲルト・ニーンシュテット(ドンナー)
ヘルミン・エッサー(フロー)
ヴォルフガング・ヴィントガッセン(ローゲ)
グスタフ・ナイトリンガー(アルベリヒ)
エルヴィン・ヴォールファールト(ミーメ)
マルティ・タルヴェラ(ファゾルト)
クルト・ベーメ(ファフナー)
アンネリース・ブルマイスター(フリッカ)
アニア・シリア(フライア)
ヴィエーラ・ソウクポヴァー(エルダ)
ドロテア・ジーベルト(ヴォークリンデ)
ヘルガ・デルネシュ(ヴェルグンデ)
ルート・ヘッセ(フロースヒルデ)


・楽劇 《ワルキューレ》 全3幕
ジェームズ・キング(ジークムント)
レオニー・リザネク(ジークリンデ)
ゲルト・ニーンシュテット(フンディング)
ビルギット・ニルソン(ブリュンヒルデ)
テオ・アダム(ヴォータン)
アンネリース・ブルマイスター(フリッカ)
ダニカ・マステロヴィッツ(ゲルヒルデ)
ヘルガ・デルネシュ(オルトリンデ)
ゲルトラウト・ホップ(ヴァルトラウテ)
ジークリンデ・ワーグナー(シュヴェルトライテ)
リアーネ・ジーネック(ヘルムヴィーゲ)
アンネリース・ブルマイスター(ジークルーネ)
エリーザベト・シェルテル(グリムゲルデ)
ソナ・ツェルヴェナ(ロスヴァイセ)


・楽劇 《ジークフリート》 全3幕
ヴォルフガング・ヴィントガッセン(ジークフリート)
エルヴィン・ヴォールファールト(ミーメ)
テオ・アダム(さすらい人)
グスタフ・ナイトリンガー(アルベリヒ)
ビルギット・ニルソン(ブリュンヒルデ)
クルト・ベーメ(ファフナー)
ヴィエーラ・ソウクポヴァー(エルダ)
エリカ・ケート(森の小鳥の声)


・楽劇 《神々のたそがれ》 プロローグ & 3幕
ヴォルフガング・ヴィントガッセン(ジークフリート)
トーマス・スチュアート(グンター)
グスタフ・ナイトリンガー(アルベリヒ)
ヨーゼフ・グラインドル(ハーゲン)
ビルギット・ニルソン(ブリュンヒルデ)
リュドミラ・ドヴォルジャコヴァー(グートルーネ)
マルタ・メードル(ヴァルトラウテ)
ドロテア・ジーベルト(ヴォークリンデ)
ヘルガ・デルネシュ(ヴェルグンデ)
ジークリンデ・ワーグナー(フロスヒルデ)
マルガ・ヘフゲン、アンネリース・ブルマイスター、アニア・シリア(ノルン)
【演奏】
カール・ベーム(指揮)
バイロイト祝祭管弦楽団 & 合唱団
【録音】
1966、1967年、バイロイト祝祭劇場:ステレオ・ライヴ録音

 

■歌劇「さまよえるオランダ人」全曲 (CD)

 

 

 オランダ人:トマス・スチュアート
 ゼンタ:グィネス・ジョーンズ
 ダーラント:カール・リッダーブッシュ
 エリック:ヘルミン・エッサー
 マリー:ジークリンデ・ヴァーグナー
 舵取り:ハラルト・エック
 バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
 カール・ベーム(指揮)
 1971年7月、バイロイト祝祭劇場:ステレオ・ライヴ録音

 

 楽劇4部作「ニーベルングの指環」全曲ですが、この16枚組LPレコードのアルバムは、今から43年前、結婚祝いとして2人の弟からプレゼントされたもので、当時の定価は28,800円。「ニーベルングの指環」は、とにかく全曲を聞き通すのは大変で、何日かに分けて聞かないととても無理な曲です。オペラが苦手なHIROちゃんにとっては、この4部作は相当の体力と根性?が必要なのです。・・このアルバムも1度しか針を落としていません。そんなわけで、機会をみて再度、聴きなおしてみたいアルバムですが・・今回は紹介まで・・

 

 歌劇「さまよえるオランダ人」ですが、こちらはワーグナーとしては最も短い歌劇で、約2時間20分位なので一気に聴くことが出来ます。ワーグナーの作品の中では結構聴くことがある作品です。

 このベームの演奏ですが、1971年のバイロイト祝祭劇場でのステレオによるライヴ録音で音も良い。高揚感のある熱気に満ちた演奏で、会場の臨場感も良く捉えています。オーケストラはティンパニの強打や金管の強奏、弦も迫力を感じます。

 スチュアートや、ジョーンズ、リーダーブッシュらの独唱陣も文句なしです。このオペラでは第1幕での「7年の時が過ぎた」や第2幕での「ゼンタのバラード」など聞きごたえがありますが、この演奏では合唱も素晴らしい。娘たちが糸車を回しながら歌う女声合唱「ブ~ン、ブン、かわいい車よ」はとても好きな曲ですが、活気に満ちていて素晴らしいし、中でも第3幕での水夫たちの合唱「舵手よ、見張りをやめよ」が何といってもすごい。陽気で勇壮な男声合唱で、足音も力強く、ダイナミックでエネルギーに満ちています。

この録音は、実演のベームの迫力をよく伝える名盤と言えるでしょう。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。