今回は、ベームの指揮した「ドン・ジョヴァンニ」 全曲について簡単に紹介します。いろいろ調べてみると、ベームの残した「ドン・ジョヴァンニ」 全曲は多くあるようです。正規盤より、非正規盤いわゆる「海賊盤」や、それに近いマイナー・レーベルのライヴ録音CDがこれまで発売されているようです。

 

1954年9月 

ウィーン・フィルハーモニー(ロンドンでのライヴ)

1952年2月

ナポリ・サン・カルロ歌劇場管弦楽団

1955年11月

ウィーン・フィルハーモニー(ウィーンでのライブ)

1957年12月1959年2月 1967年1月

メトロポリタン歌劇場管弦楽団(ニューヨーク・ライヴ)

1967年2月

プラハ国立歌劇場管弦楽団

1977年7月 

ウィーン・フィルハーモニー(ザルツグルク音楽祭ライヴ)

 

この他にもあるかもしれませんが、中でもメトロポリタン歌劇場でのニューヨーク・ライヴが3種類もあったとは驚きました。これらの中でHIROちゃんの架蔵している音盤は下記の2種類です。

 

■モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』(ドイツ語)
ジョージ・ロンドン(ドン・ジョヴァンニ)
リーザ・デラ・カーザ(ドンナ・アンナ)
セーナ・ユリナッチ(ドンナ・エルヴィラ)
ヴァルター・ベリー(マゼット)
エーリッヒ・クンツ(レポレロ)
アントン・デルモータ(ドン・オッターヴィオ)
ウィーン国立歌劇場管弦楽団、合唱団 
1955年11月6日 ライヴ録音(モノラル)

 


 

 

■モーツァルト: 歌劇 「ドン・ジョヴァンニ」 全曲

シェリル・ミルンズ
アンナ・トモワ=シントウ
テレサ・ツィリス=ガラ
ヴァルター・ベリー
ペーター・シュライヤー
エディット・マティス、他
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
1977年 ザルツブルク

 

 

 この2種類のうち、1955年盤はドイツ語による歌です。モノラルによるライヴ録音ですが、当時を考えれば、音質は聞きやすいとまではいかなくても、まずまずと言えます。

全体的にオーケストラも白熱した感じが多く実直で、歌手陣達もジョージ・ロンドンをはじめ、女性陣達もはまり役で名唱です。なお、この演奏ではレチタティーヴォの部分ではピアノが使用されています。ドイツ語での演奏ですが違和感はありません。

 

 1977年盤も歌手陣の起用が素晴らしい。中でもドン・ジョヴァンニ役のシェリル・ミルンズや、ワルター・ベリーの歌唱は力強く、エネルギーを感じます。また、ペーター・シュライヤーも名唱と言えるでしょう。この指揮をしたときのベームは80歳を超えていますが、正統で緊張感や迫力と言ったものが随所に感じられます。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。