※記事のなかで説明に一部間違いがありましたので修正しました。
シングル・アンプを作ろうかと、電源トランスや、出力トランスの部品取りのために、6P6P(6V6)と6N1を使った中古のシングル・アンプをメルカリで購入しました。
主に電源トランスと出力トランスなどの部品取りを目的に購入したのですが、音を出して聞いてみると、なかなか良い音がします。
部品から見て中国製のようです。シャーシは、がっちりとしたステンレス製で、見た目も綺麗なアンプです。
そのため、このままでも十分なのですが面白味がありません。真空管を全て別なものに交換し、回路定数を一部変更して出力管を挿し替え出来る、コンパチブル・アンプに改造することにしました。
使用している出力管は6P6Pですが、これは6V6と同等管、ドライブ管の6N1は、中μの双3極6.3V管で、6AQ8や6DJ8などに少し類似した球です。整流管は、125mA整流管の5Z4です。このアンプの5Z4は、STタイプのG管です。
アンプの配線を見ながら回路図を起こしてみました。ケミコンなど一部の定数が部品の配置取付状態により読み取れません。チョーク・トランス、出力トランスは無表示です。
■コンパチブル・アンプに改造するにあたっての計画
①各出力管の動作例からみるとラフな使い方ですが、出力管は6F6、6V6、6L6(5881)、EL34(6CA7)の他、KT-66やKT-77、KT-88(6550)などもそのまま挿し替えができるパワーアンプとする。
※出力管のソケットの1番ピンと8番ピンを接続することでEL34のG3がカソードにつながりEL34も使用できます。
②プレート特性曲線から見たバイアス電圧の動作点は多少ズレても、プレート損失をオーバーしないバイアス電圧で6F6、6V6を動作させる。
③6L6、EL34、KT-66等については、プレート電流を抑え小出力とし、球の長寿命化とする。
④上記の①~③の条件を満たすために、出力管のバイアス抵抗を変更する。 なお、出力トランスの1次側インピーダンスは、本来出力管によって適正値が異なるのですが、出力や周波数特性が多少違ってもここは変更なしとします。その他の回路定数は、このまま出来るだけ変更しない予定。
⑤ドライブ管の6N1は、ヒーター回路を変更し中μ管の12AU7に変更する。これにより12AU7の他、同等管(類似管)の5814、5963、また、12AV7や12BH7A、12AT7、6201、5965、12R-LL3などが各電圧配分は変化しますが、そのまま挿し替えが出来ます。なお、12AX7や同等管の12AD7、7025でも音は出ますがプレート抵抗が47KΩと低いので避けたほうが良いと思います。
⑥整流管は5Z4のままでも良いのですが、5V4に変更します。ここは5AR4(GZ-34)でもOKでしょう。
⑦電源トランスの1次側が100Vではなく110Vの巻き線のため、6.3Vのヒーター電圧が5.8V~5.9Vに低下しますが全く問題ありません。かえってハムの低減や球の長寿命が期待できます。また、B電圧も多少、低くなりますが、これも問題ありません。
⑧このアンプにはヒューズ・ホルダーが付いていないので、安全上、電源ヒューズをシャーシ裏に取り付けます。なお、電源ON/OFFのパイロット・ランプとしてLEDを前面に取り付けしようとしたのですが、ステンレス・シャーシで硬く、ステンレス用のドリルの刃でも穴あけができませんでしたのでやめました。
改造はすぐに終わります。改造後の写真と回路図については次回の投稿で紹介します。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。