前回はウィーン・フィルハーモニーとのモーツアルト交響曲演奏会のライヴ映像DVDを紹介しましたが、今回は、この映像とは別の録音です。
ベームは、最晩年にウィーン・フィルと6曲のモーツァルトの後期交響曲と、2曲の管弦楽曲を録音しています。交響曲は76年録音の第40,41番、79年の第38,39番、そして80年の第29,35番の録音はベーム85歳の時でした。
手許にある下記の音盤の写真は、特別限定盤として発売された3枚組のLPレコードのセットで、帯まで残しています。
ベームの録音したモーツアルトの交響曲というと、多くの録音があり、特に1959年から1968年にかけてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とによるグラモフォンの全曲録音が名盤として有名です。
少し堅固なスタイルの重厚さの中にも、緊張感と交響曲的な響きが特徴ともいえるベルリン・フィルとの演奏に対し、この晩年のウィーン・フィル盤の後期交響曲集は、全曲をとおしテンポは遅いのですが、語りかけてくるような味わい深い演奏です。また、弦楽器のしなやかさや、美しい音色の管楽器群の響きなど、当時のウィーン・フィルの音色をそのまま聴くことができます。
全体的には、前記のベルリン・フィルとの演奏のほうが、より名演かな・・とは思いますが、崇高で神々しいモーツアルトを感じる魅力ある演奏ではないだろうか・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。