今回の名指揮者の名盤・名演奏ですが、カルロス・クライバーの父であるエーリッヒ・クライバーについて紹介します。下記のエーリッヒ・クライバーのプロフィールですが、タワー・レコードの通販サイトからコピペしました。

 

エーリッヒ・クライバー 

 1890年8月5日、ウィーン生まれの指揮者。1956年1月27日、演奏旅行中にスイスのチューリッヒにて没。プラハ大学で哲学と歴史を、プラハ音楽院で作曲を学んだ。1911年、プラハ歌劇場で指揮デビュー。1912年、ダルムシュタット宮廷歌劇場を皮切りに、デュッセルドルフ、マンハイムなどの指揮者を歴任。1923~33年、ベルリン国立歌劇場音楽監督。アメリカ人女性ルース・グッドリッチと結婚、1930年に息子カール(現カルロス・クライバー)をもうける。1934年、ヒンデミット事件でフルトヴェングラーを擁護し、ナチスに反対して歌劇場を辞任。ドイツを出国してブエノスアイレスのテアトロ・コロン歌劇場指揮者などを務めた。1948年、ロンドン・フィルに客演してヨーロッパに復帰。1951年以降、古巣のベルリン国立歌劇場にもたびたび招かれていた。

2012/08/30 (2019/07/30更新) (CDジャーナル)

 

 HIROちゃんの手元にあるエーリッヒ・クライバーの音源ですが、LPレコードではベートーヴェンの交響曲第5番「運命」、第6番「田園」、第7番、それにモーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」全曲がLPとCDでダブリでありますが、ベートーヴェンについては、これらのLPのほかにもCDがあります。また、手元にはCD34枚組の「エーリッヒ・クライバー・コレクション」のBOXがあります。

 

 

 この34枚組のBOXは、彼がベルリン国立歌劇場の音楽監督となった1923年(マイクロフォンが開発される前のアコースティック録音)から、アメリカ時代のテアトロ・コロンやNBC交響楽団との録音、そしてヨーロッパ復帰後のロンドン・フィルやウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管との録音、そして死の直前の1956年1月のケルン放送交響楽団との録音まで、極めて広範囲に収録されています。

 

 今回は、この「エーリッヒ・クライバー・コレクション」のBOXの中からモーツアルトの作品を紹介するとともに、歌劇「フィガロの結婚」全曲について簡単に紹介します。

このBOXに収録されているモーツアルトの作品は下記のとおりです。

 

交響曲第33番 変ロ長調, K.319

 ケルン放送交響楽団Rec:November 1953

交響曲第36番 ハ長調, K. 425 「リンツ」

①ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団Rec:June19??

②ベルリン国立歌劇場管弦楽団Rec:November 1954

交響曲第38番 ニ長調, K. 504「プラハ」

 ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団Feburary 1929

交響曲第39番 変ホ長調, K. 543

①ベルリン国立歌劇場管弦楽団Rec:1927

②ケルン放送交響楽団Rec:January 1956

交響曲第40番 ト短調, K. 550

 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団Rec:April 1949
セレナーデ第13番 ト長調

 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」,K.575
 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団Rec:May 1934

歌劇「イドメネオ」序曲, KV.366

 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団Rec:1928

ドイツ舞曲 ハ長調,K.509 No.6

ドイツ舞曲 ト長調,K.571 No.4

ドイツ舞曲 ニ長調,K.571 No.6

 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団Rec:1928

ドイツ舞曲 ヘ長調,K.600 No.2

 ベルリン国立歌劇場管弦楽団Rec:1927

ドイツ舞曲 ロ長調,K.600 No.3

ドイツ舞曲 変ホ長調,K.600 No.4

ドイツ舞曲 ト長調,K.605 No.2

 ベルリン・フィルハーモニ管弦楽団Rec:1928

ドイツ舞曲 ハ長調,K.600 No.1

ドイツ舞曲 ト長調,K.600 No.5 「カナリア」

ドイツ舞曲 ハ長調,K.602 No.3

ドイツ舞曲 ハ長調,K.605 No.3 「そり乗り」

 ケルン放送交響楽団Rec:January 1956

歌劇「フィガロの結婚」序曲, K.492

 ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団Rec:June19??

 

 これらのモーツアルトの演奏ですが、1920年代のSP録音ですが、コピーされたものにしても音質はあまり良くありません。 この中の交響曲では1956年のケルン放送交響楽団との第39番と、1949年のロンドン・フィルハーモニー管弦楽団との第40番は、DECCAの録音です。

 モーツアルトの交響曲についてですが、いずれも早めのテンポで、軽快、溌剌とした演奏で、中でもベルリン国立歌劇場管弦楽団との第36番「リンツ」(ライヴ)と、ケルン放送交響楽団との第39番は生き生きとした名演でしょう。また、1949年の第40番ですが淡々とした癖のあまりない演奏と言えます。

なお、第33番の録音がありますが、子のカルロス・クライバーも、父と同じように第33番と第36番「リンツ」の録音を残しているのが興味深いですね。

 

モーツアルト 歌劇「フィガロの結婚」K..492全曲

フィガロ:チェーザレ・シエピ

伯爵夫人:リーザ・デラ・カーザ

スザンナ:ヒルデ・ギューデン

ケルビーノ:シュザンヌ・ダンコ

伯爵:アルフレート・ペル

バルトロ:フェルナンド・コレナ、他

ウィーン国立歌劇場合唱団

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1955年6月、ウィーン(ステレオ)

 

 

手元にはCDでも持っていますが、写真はLPレコードです。

(L54C-5043/5)定価は5,400円でした。帯も捨てていません。

 

 エーリッヒ・クライバーがモーツアルト生誕200年を記念してデッカに録音したもの。最晩年の1955年に何とステレオで残してくれた宝物的録音です。約70年前の録音とは思えない瑞々しい音。映像を除けば、このクライバー盤があれば、後はいらないかもしれません。

  ウィーン・フィルが素晴らしく美しく、また、スザンナ役のギューデン、フィガロ役のシエピ、その他、デラ・カーサ、マイダンなど往年の名歌手たちの歌唱も文句なし。全編を通して生き生きとした洗練された演奏で、心地よく聴くことができる名盤でしょう。 

 

次回はカルロス・クライバー②として、ベートーヴェンの作品について紹介します。

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。