2024/07/02 写真と記事を末尾に追加しました。

 

 

回路等を実験的に変えながら遊んでいるEL34/6L6-GCのプッシュプル・アンプですが、3極管接続から5極管(ビーム管)接続にし、更に電源トランスのB電源タップに切替スイッチを付けて、電圧を下げ6V6-GTや、6F6-GTもそのまま挿し替え出来る「コンパチブル・アンプ」にしてみました。非常にシンプルな回路です。

 

このアンプは元々、B電源の電流容量が250mAしかないので、EL34/6CA7のプッシュプルでは電流を抑えた軽い動作にしなければなりません。軽い動作でも十分な出力は得られますが、この電源容量だと6L6-GC/5881のほうが適しているかもしれません。

 

EL34/6L6-GC(5881)の5極管(ビーム管)接続に変更した回路図です。このままEL34/6CA7でも使用できます。初段管は6201(12AT7)ですが、ラフに使うのであれば12AX7でもOKです。12AX7だとPK分割部のカソードの電圧が100Vを少しオーバーしますが、12AX7のヒーター/カソード間の電圧規格は±180Vなのでヒーター・バイアスはかけなくても大丈夫です。また、入力感度は下がりますが、12AU7や、12AV7、5814、5963、12R-LL3、5965、なども挿し替えは一応可能です。これらを挿し替えた場合の各部の電圧配分は下記の回路図の電圧とは異なります。

 

 

NFBですが、今回は仮に20KΩ抵抗を初段のカソードから繋いでいますが、初段のバイアス・コンデンサーは省略していますので、入力感度は低くなります。プリ・アンプ(コントロール・アンプ)を使用するので、この回路で十分です。個人的な意見ですが、パワー・アンプの感度が高すぎるとヴォリュームをかなり絞ることになるので使いにくくなります。

なお、今回は簡単なPK分割による位相反転回路で直結によるアルテック型にしていますが、出力管のバイアス電圧もあまり深くないので、ドライブ不足は感じませんでした。また、本来なら初段のプレートに高域補正のコンデンサーと抵抗をつけると良いのですが、100pF~250pF程度のコンデンサーの手持ちがないので付けていません。

 

今回は、B電源のタップに切替スイッチを付けてB電圧を下げることによって、出力管を6V6-GTや、6F6-GTも挿し替え出来るようにしてみました。

115Vタップからの倍電圧での6V6-GT、6F6-GT使用時での各部の電圧を表記しました。6V6-GT、6F6-GTでも、ほぼ同じ電圧になりました。

 

 

下の写真は6F6-GT(NEC製)を挿した時のものです。

 

 

 

この低めのB電圧のままEL34(6CA7)や、6L6-GC(5881)を挿しても出力は少し下がりますが長寿命アンプとしては良いと思います。6L6-GC(5881)なら、この電圧のほうが良いかもしれません。その場合のバイアス電圧は-23Vで片チャンネルの2本分の出力管の電流は98mAでした。

 

音の違いについてですが、駄目耳なので評価できません。みんな同じような良い音に聞こえます。(笑い)

今回のアンプはコアボリュームの多いタムラの出力トランスを使用したこともあってか、余裕のある音がします。それでも、個人的にはビーム管よりEL34や、6F6-GTの5極管のほうが好みの音かな~~?

 

※2024/07/02 追加投稿

手持ちの6F6-GTと、6V6-GTです。今では貴重な国産真空管です。

 

NEC製の6F6-GTです。かなり昔、秋葉原で16本購入しました。同じロットの製品らしく特性が揃っています。16本のうち8本はパラプッシュプルのオルソン・アンプを製作しました。このアンプは友人が使っています。

 

 

こちらは日立製作所製の6F6-GT、これもだいぶ前に秋葉原で入手したのですが、ガラスがカーボンスートで黒く中の構造が見えません。

4本あります。

 

 

こちらは東芝製の6V6-GTで通則用ですが、残念ながら3本しか持っていません。なので、プッシュプル・アンプでは、ロシア製のものを使用していますが、ガラスが黒く中身が見えません。中国製やロシア製の6V6-GTは結構本数を持っていたのですが、友人に差し上げてしまい手元にはあまりありません。

 

 

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。

 

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。