昨日、6月9日(日)、NHK(Eテレ)の番組「クラシック音楽館」を録画し鑑賞しました。今年4月に行われたN響の「2008回定期公演」で、曲目はエッシェンバッハ指揮による「ブルックナー交響曲第7番」でした。エッシェンバッハは、ピアニストとしても著名ですが、指揮者としては1972年にブルックナーの交響曲第3番でデビューしています。

 

 実はエッシェンバッハ指揮によるコンサートですが、HIROちゃんは、今から42年前の1982年のウィーン交響楽団との来日公演と、1985年のチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団との来日公演で生のコンサートを聴いています。82年のウィーン交響楽団との演奏会ではアポステル/パッサカーリア作品50、ピアノを弾きながら指揮をした(弾き振り)モーツアルト/ピアノ協奏曲第27番K.595、ブラームス/交響曲第1番ハ短調でした。

 また、85年のチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団との演奏会では、ロッシーニ/歌劇「ウィリアムテル」序曲、弾き振りでモーツアルト/ピアノ協奏曲第23番K.488、チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調でした。

 

 さて、今回の「クラシック音楽館」での、ブルックナーの交響曲第7番ですが、ブルックナーを得意とするだけあって、良い演奏でした。(特に第2楽章・・)

 しかし、今回のブルックナーの演奏より、HIROちゃんにとって驚いたのは、番組の余った時間に放映された「コンサートα」のコーナー、ピアニストとしてユストゥス・フランツとのデュオ・コンサートの映像でした。 このコンサートは、1983年のユストゥス・フランツとコンビを組んだ日本公演で、翌年の1984年にNHKで放映されたものだったのですが、なんと、HIROちゃんは、このデュオ・コンサートを生で聴いていたのです。

 

 

 このコンサートのプログラムですが、表紙は何ともシンプル。40年も前のコンサートのプログラムですが、捨てていませんでした。(上の2人の写真はプログラムからスキャンしました)

 

 

 プログラムの公演日程を見てみると、今回NHKで放映されたのは11月15日の東京/昭和女子大学人見記念講堂での演奏でしたが、HIROちゃんが聴いたのは11月3日の茨城県日立市(日立市民会館)での公演でした。曲目は11月15日の東京公演と同じAプログラムでした。

 

 

 

 当時の生の演奏はどうだったか・・といっても40年も前のこと、当時はただただ素晴らしい演奏だったとしか覚えていません。 40年前のそんな懐かしさを少し持ちながら、今回、モーツアルト「2台のピアノのためのソナタニ長調K.448」を鑑賞しました。エッシェンバッハは当時43歳、フランツ39歳の時の映像です。

 モーツアルトの曲は明るい中にも時々、暗い影のような部分を見せることが多いのですが、この曲は軽快で明るく溌剌とした3楽章の曲です。

 第1楽章ですが、2つのピアノのユニゾンの第1主題は力強さがあり、テンポは速めです。やがて2人のピアノが対話風に阿吽の呼吸で進んでいくのがとても魅力です。

 第2楽章ですが、第2ピアノの音に第1ピアノが第1主題を奏でます。第2主題では第1ピアノから始まり、第2ピアノが1小節遅れて追いかけていくのですが、重なる2台のピアノの音がとてもきれいです。

 第3楽章はロンド形式で途中、少し短調による沈んだ表情も見せるのですが、最後ははなやかなコーダで終わります。2人とも向かい合っての演奏なので、両者ともピアノの手元の手の動きは見えません。お互いに顔を見て呼吸で合わせていますが、ユニゾンでは全く2台のピアノの音のずれは感じませんし、掛け合いの部分ではとても魅力ある、素晴らしいデュオでした。

 

現在エッシェンバッハは、1940年生まれなので84歳・・ピアノは演奏しなくても指揮ではまだまだ活躍してくれそうですね・・・

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。