今回完成したEL34(6CA7)のプッシュプル・アンプですが、三極管接続で無帰還ですが、音質はクリアーで低音から高音までバランスが良いように感じます。残念ながら測定器のオシロスコープが壊れてしまったので、各周波数での波形の観察や、入出力の特性が測定できませんが、以前に製作した三極管接続のppアンプの測定経験を参考に推定すると、今回のアンプの最大出力は約10W位でしょう。出力としては十分です。また、タムラの出力トランスに負うところも多く、音に余裕があります。無帰還ですが低音も十分に伸びていて迫力もあり、NFBはかけなくても十分な感じです。

 

 

 EL34ですが、個人的に非常に好きな出力管です。テレフンケンや、ムラードといったメーカーのものは持っていませんが、20本以上の手持ちがあります。

Yahooブログ時代だった2014年にも投稿していますが、現在手元にあるEL34のメーカーは下記のとおりです。

 

 

 左がシーメンス社のもの。他のものと比べると少し細身です。40年くらい前にまとめてペアチューブを数箱購入したものですが、友人に譲ったりで、手持ち数は少ないです。今は結構、高価では? 松下製(ナショナル)ですが、ハカマが金属のものもありましたね。国産球は今となっては貴重です。現在は、これを使用しています。真中は、JJ製(旧テスラ?)写真では良くわかりませんが、頭が丸みがあり形があまり好きではありません。右側の2種類はロシア製。黒い箱の物はエレクトロ・ハーモニクスと書いてありますが、中身はソブテック製かもしれません。一番、右側はソブテックの太管ですが、中の構造を良く観察すると、五極管ではなく、ビーム管構造のEL34のようです。このEL34をアンプに挿してみると、気のせいか、何となく音まで太く感じます。個人的には、あまり好みませんが、何となく珍しいと思い、かなり前に6本購入したものです。全体としてメーカーによる音の違いは、私の耳では良くわからない。というのが正直なところですが、何となく松下製(ナショナル)の6CA7が好みかな~という程度です

 

 さて、これらのEL34を完成したアンプに挿してみると、バイアス電圧が多少異なります。

自己バイアス抵抗間の電圧を測ってみると25V±1V位でメーカーによって若干異なります。松下製の6CA7は、ペアチューブではありませんが、24V~24.5V、シーメンスだと25.5V~26Vといった具合です。今回製作したアンプは出力管1本ごとに自己バイアス抵抗とバイパス・コンデンサーをつけていますので、ペアチューブでなくてもプッシュプル動作として特に問題はないでしょう。

 また、今回完成したアンプには1本ごとの自己バイアス抵抗間の電圧が確認できるよう、50Vの電圧計を取り付けているので便利です。

 

 なお、EL34だとソケットの1番ピン(G3)と8番ピン(K)をつないでいますが、今回のアンプの回路定数だと、6L6-GC(5881)もそのまま挿し替え出来ます。(6L6の1番ピンはNC) 次回は6L6-GCでの挿し替えと、ドライブ段の12AX712AT7(6201)挿し替えてみた結果について報告します。

 

では、またね・・・HIROちゃんでした。