前回はベートーヴェンの交響曲を紹介しましたが、その他のクナッパーツブッシュのベートーヴェン作品として今回は、歌劇「フィデリオ」と、ピアノ協奏曲2曲を簡単に紹介します。

 

 

■ベートーヴェン:歌劇《フィデリオ》 作品72
【演奏】
レオノーレ:セーナ・ユリナッチ(ソプラノ)、
フロレスタン:ジャン・ピアース(テノール)、
マルツェリーネ:マリア・シュターダー(ソプラノ)、
ヤキーノ:マレイ・ディッキー(テノール)、
ドン・ピツァロ:グスタフ・ナイトリンガー(バス)、
ロッコ:デジュー・エルンスター(バス)、
ドン・フェルナンド:フレデリック・ギュトリー(バス)、
囚人1:ゲオルグ・パスクダ(テノール)、
囚人2:パウル・ノイナー(バス)
バイエルン国立歌劇場合唱団、
バイエルン国立管弦楽団
ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)

 

 このクナッパーツブッシュの歌劇「フィデリオ」ですが、ウエストミンスター・レーベルでセッションによるステレオ録音です。数少ない貴重なステレオ録音の一つですが、全体的に遅いテンポの演奏です。序曲ですが重厚さは感じられるものの最晩年の演奏のためでしょうか、迫力はあまり感じません。また、第1幕に入ってもテンポが遅いです。この曲の聴きどころとでもいえる「レオノーレ序曲」ですが、これもかみしめるような演奏ですが、クナッパーツブッシュとしては、凄みがあまり感じられず、意外と平凡に聞こえます。 当時の名歌手を集めた演奏ではあるのですが、この曲を聴くなら個人的にはカラヤン盤あたりが良い気がします。(アンチ・カラヤンといつも書いていますが、EMIに録音したフィデリオは良いと思います。LPレコードで架蔵しています)

 

 クナッパーツブッシュが指揮したベートーヴェンのピアノ協奏曲の録音は、結構残されていますが、HIROちゃんの手元にあるのは下記の2曲だけです。

 

■ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58

 ピアノ:ウィルヘルム・バックハウス / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 1954年1月17日 ライヴ録音

■ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73「皇帝」

 ピアノ:クリフォード・カーゾン / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 1957年6月 スタジオ録音

 

 ピアノ協奏曲第4番ですが、バックハウスとクナッパーツブッシュという巨匠同士の個性的な演奏と言って良いと思います。この演奏は下記のYou Tube で聴くことができますので、ここではあまり書かないことにします。下記をクリックすればYou Tubeにつながります。

   ↓

 ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第4番 / クナッパーツブッシュ&バックハウス Beethoven Piano Concerto No.4 / Knappertsbusch & Backhaus (youtube.com)

 

 ピアノ協奏曲第5番「皇帝」ですが、1950年代後半の録音ですがステレオ録音です。ここではクナッパーツブッシュとしては控えめで、カーゾンを良くサポートしている・・という感じです。ベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴くなら、バックハウス/イッセルシュテット指揮/ウィーン・フィル盤か、ケンプ/ライトナー指揮/ベルリン・フィルのステレオ盤あたりが録音は古いのですが、個人的にはお薦めでしょうか・・・。

 

クナッパーツブッシュの名盤・名演奏はまだ続きます・・・

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。