前回はワーグナーの作品について書きましたが、今回は、ハンス・クナッパーツブッシュが指揮した、ベートーヴェンの交響曲について少し書いてみます。
HIROちゃんの知る限り、SP録音時代のベートーヴェン交響曲の録音も残されていますが、手元にあるクナッパーツブッシュの録音は、全てもともとは非正規のモノラルのライヴ録音です。そのため、録音状態はあまり良くありません。 HIROちゃんがライブラリーとして持っているクナッパーツブッシュ指揮によるベートーヴェンの交響曲は下記のとおりでLPレコードが1枚、あとはCDで一部にダブリがあります。
■交響曲第2番ニ長調 Op36
ブレーメン・フィルハーモニー 録音1952/12/12ライヴ
■交響曲第3番変ホ長調Op55 「英雄」
①ブレーメン・フィルハーモニー 録音1951年ライヴ
②ミュンヘン・フィルハーモニー 録音1953年12月ライヴ
③ウィーン・フィルハーモニー 録音1962/02/17ライヴ
■交響曲第5番ハ短調Op67 「運命」
①ベルリンフィル・ハーモニー 録音1956/04/09ライヴ
②フランクフルト放送交響楽団(ヘッセン放送響)
録音1962/03/01ライヴ
■交響曲第7番イ長調Op92
ミュンヘン・フィルハーモニー 録音1948/12/25ライヴ
■交響曲第8番ヘ長調Op93
①ベルリン・フィルハーモニー 録音1952/01/27ライヴ
②ベルリン・フィルハーモニー 録音1952/01/29ライヴ
③ミュンヘン・フィルハーモニー 録音1956年ライヴ
④バイエルン国立管弦楽団 録音1959/12/14ライヴ
⑤ハンブルク北ドイツ放送交響楽団 録音1960年?ライヴ
※ブルーノ・ワルター・ソサエティ盤LPレコード
■交響曲第9番ニ長調Op125 「合唱」から
第4楽章の一部(約4分30秒) 録音1943年
ベルリン・フィルハーモニー 他
下記は日本コロンビア(株)発売
ブルーノ・ワルター・ソサエティ盤の交響曲第8番ヘ長調
(カップリング曲はブルックナー交響曲第8番)
こちらはCD(マイナーレーベルの盤が多い)
これらの演奏ですが、全体的にテンポは遅いものの、スケールが大きく重厚な演奏ですが、どの演奏もアクセントやテンポ設定、間の取り方が非常に個性的でHIROちゃんには違和感があります。いつも聴いているベートーヴェンの交響曲とはだいぶ異なります。
第2番ですが、第2楽章は美しく歌っていますが、第4楽章は驚くほどテンポが遅く馴染めません。マニアの方は「これがクナッパーツブッシュだ!・・」とおっしゃるかも。
第3番の「英雄」ですが、手元にある3種類の演奏の中では②のミュンヘン・フィル盤は、Archipel盤ですが、音が悪く鑑賞には適していません。①のブレーメン・フィル盤と③のウィーン・フィル盤は、当時のライヴ録音盤としては、まずまずの音質です。どちらも基本的には同じ演奏スタイルで、第1楽章の冒頭から遅いテンポで力強くはじまり、巨大さを感じます。第2楽章も力と魂の入った迫力ある葬送行進曲と言えます。全曲を通しスケールが大きく、これらのベートーヴェンの交響曲の中では、「英雄」が最も聴きごたえを感じます。 聴くなら1962年録音の③のウィーン・フィル盤が音質的にも良いと思います。
第5番「運命」ですが、①のベルリン・フィル盤も②のフランクフルト放送響とも、テンポの遅い演奏ですが、特に②のフランクフルト放送響盤は、驚くほどの遅さで演奏時間は40分を超えています。特に第4楽章の出だしがかなり遅いのには驚きます。
第7番は1948年の古い録音ですが、この時代のライヴ録音としては聴きやすい。クナッパーツブッシュとしては正攻法と言える演奏でしょう。
第8番ですが、いずれの演奏も個性的。とにかく驚くほどのスローテンポです。特にLPレコードの⑤ハンブルク北ドイツ放送響盤の第1楽章は11分半、第4楽章は9分半、全曲で32分と異常ともいえる遅さです。超スローでも壮大さや迫力を感じる演奏ですが、あまりにも個性の強いこの演奏は名演奏といえるのだろうか・・?
第9番の「合唱」は、第4楽章のほんの数分間だけの抜粋なので何とも言えません。
個人的な感想ですが、歴史的な大指揮者の演奏とはいえ、これらのベートーヴェンの交響曲の演奏は、クナッパーツブッシュの熱烈なファンというより、マニアの方が聴いて感動する演奏だと思うのですが・・どうだろう・・? どの曲もクナッパーツブッシュならではの演奏で、第8番は面白いと言えば面白のですが、HIROちゃんとしては名盤とは言い難い・・あえて1枚だけ選ぶとすれば、1962年録音の③のウィーン・フィル盤の第3番「英雄」だろうか・・
クナッパーツブッシュとベートーヴェンの交響曲は相性が良かったのだろうか・・う~~ん‥わからない・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。