入院・手術もあって「名指揮者の名盤・名演奏」の投稿は久々です。多少のずれはあるとると思いますが、この投稿は、指揮者の生年の古い順から書いています。まだ1800年代なのでどこまで記事が書けるかわかりません。
とにかく、カラヤンや、同年1908年生まれのカイルベルト、朝比奈隆さんまででも、まだまだ多くの指揮者がいますね。カラヤンまでには、まだ20人くらいはいます。・・途中で「名ピアニストの名盤・名演奏」、「名ヴァイオリニストの名盤・名演奏」などの投稿も時には書いてみようかと・・・
さて、今回から1888年生まれのハンス・クナッパーツブッシュです。同年生まれにフリッツ・ライナーがいますが、ライナーについては後から書きたいと思います。
下記のハンス・クナッパーツブッシュのプロフィールについては、タワーレコードの通販サイトからコピペしました。
ハンス・クナッパーツブッシュのプロフィール
指揮者。1888年ドイツ、エルバーフェルト生まれ。ボン、ミュンヘンで哲学を学ぶ。1909年バイロイトでハンス・リヒターの助手を務める。ライプツィヒ、デッサウの歌劇場を経て、22年からワルターの後任としてバイエルン国立歌劇場の音楽監督に就任。36年に突然解雇され、ウィーンに拠点を移す。ザルツブルク音楽祭には毎年のように出演している。51年のバイロイト音楽祭に登場。ワーグナーには定評があり、なかでも『パルシファル』は別格。
2012/08/30 (2013/01/11更新) (CDジャーナル)
上記のプロフィールにも書かれていますが、クナッパーツブッシュと言うと、ワーグナーの演奏には定評がありますが、ワーグナーについては次回に投稿するとして、今回はブルックナーの演奏についても少しだけ書いてみます。
クナッパーツブッシュのブルックナー交響曲
ブルックナーの交響曲は、初めて聴く人にとっては、メロディーが続かない割に演奏時間も長く、疲れて分かりにくく、とっつきにくい・・・というイメージでしょうか?・・・
しかし何回か聴きこんでいくと、いつの間にか病みつきになる曲が多いから不思議です。
さて、ブルックナーの交響曲の演奏を語る上で、ハンス・クナッパーツブッシュの演奏は避けることは出来ないでしょう。
彼のブルックナーの正規録音は、デッカへのウィーン・フィルとの第3番、第4番、第5番とウエストミンスターのミュンヘン・フィルとの第8番だけだと思いますが、多くの録音がLP、CDで発売されました。私の持っているクナッパーツブッシュのブルックナー交響曲のLP、CDは次のとおりです。クナッパーツブッシュのブルックナーについては、今は亡き評論家の宇野芳功氏の影響が大きく、若い時に購入したLPレコードがけっこう多いです。
こちらはLPレコードです。1955年録音のウィーン・フィルとの第4番「ロマンティック」のLPもあるのですが、整理が悪く探してもわからず行方不明です。そのうち見つかるでしょう。
こちらはCDのライブラリーです。
■交響曲第3番ニ短調
●北ドイツ放送交響楽団(1963/3/24ライヴ) CD
●バイエルン国立歌劇場管弦楽団
(1954/10/11 ライヴ CD
●ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1954/4 正規録音) LP、CD
■交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
●ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(1944/9/8 ライヴ) LP、CD
●ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1955/4正規録音) LP、CD
■交響曲第5番変ロ長調
●ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
(1959/3/19ミュンヘン・ヘラクレスザール、ライヴ) CD
●ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1956正規録音ステレオ) LP、CD
■交響曲第7番ホ長調
●ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1949/8/30 ザルツブルグ音楽祭ライヴ) LP、CD
●ケルン放送交響楽団(1963/5/5 ライヴ) LP
■交響曲第8番ハ短調
●バイエルン国立管弦楽団
(1955/12/5 ミュンヘン ライヴ) CD
●ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
(1963/1/24ライブ) CD
●ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
(1963正規録音 ステレオ) LP、CD
●ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(1951/1/8ライヴ) CD
●ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(1961/10/28.29 ウィーン・フィル定期公演ライヴ)LP
日本コロンビア・ブルーノ・ワルター・ソサエティー)
■交響曲第9番ニ短調
●ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
(1958/2/10ライヴ) CD
●ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(1950/1/28.29ライヴ) LP、CD
●バイエルン国立歌劇場管弦楽団
(1958/2 ライヴ) LP
これらの演奏について、ひとつひとつ述べる事は出来ませんが、いずれの演奏もスケールの大きな演奏です。
1954年から56年にデッカに正規に録音した第3番、第4番「ロマンティック」、第5番ですが、このうち第3番と第4番はモノラル録音です。どちらも音が良く鑑賞には十分と言えます。聴いているとモノラル録音だということを忘れてしまうほどの名盤です。
第5番は初期のステレオ録音ですが、カットがみられるシャルク改訂版による演奏で、ブルックナー・マニアの方の中では評価が分かれるようですが、壮大で力強い演奏です。これも名盤と言えるでしょう。
1963年、ウエストミンスター正規録音のミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団との録音の第8番ですが、少し古い録音ですが、クナッパーツブッシュのブルックナーの中では第一のお薦めです。ステレオで聴く事が出来、音もまずまずで、悪くありません。クナッパーツブッシュ晩年の演奏ですが、特に第1、第4楽章はスケールの大きな演奏です。また第3楽章のアダージョは、テンポは遅いですが、いつまでも浸っていたいとても美しい演奏だと思います。クナッパーツブッシュの全盛期を過ぎた演奏とは言え、ブルックナーの第8番を好むクラシック・ファンにとっては、ぜひ聴いて頂きたい1枚です。この演奏もブルックナーのマニアの方の中には第5番同様、シャルク改訂版のため、評価が分かれるようですが、名盤・名演奏と言って良いでしょう。
また、1951年のベルリン・フィルとの第8番のライヴ演奏はモノラルですがベルリン・フィルの重厚で豊麗な音が充分に聴き取れる、なかなか感動的な演奏です。ただしこの録音、ヴァイオリンの音は良く捉えていますが、全体的にはバランスの悪い録音なのとモノラルであることが残念です。1950年録音の第9番も聴きごたえのある演奏です。この2曲のCDはTAHRA原盤のフランス輸入盤で第8番、第9番の2枚組CDです。
第7番と第9番についてですが、非正規のモノラル録音ということもあり、ブルックナーを聴く音質としては不満が残ります。よほどのクナッパーツブッシュのマニアでなければ第7番を鑑賞するならシューリヒトや、マタチッチ、ヴァント、朝比奈隆らのステレオ盤がおすすめです。第9番も同様、シューリヒト、ヨッフム、朝比奈隆などのステレオで聴きたいですね。アンチ・カラヤンですが・・カラヤンのブルックナーもあらためて聴くと結構いいかも・・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。