今回は、フルトヴェングラーのシューベルトの交響曲について少し書いてみます。
シューベルトの交響曲というと、未完成の作品が何曲かあったためか番号が変わっています。現在は第7番「未完成」、第8番「ザ・グレイト」というのが定番?のようですが、昔からの馴染みもあり、ここでは第8番、第9番としました。
HIROちゃんの手元にはフルトヴェングラーのシューベルトの作品としては、「ロザムンデ」から序曲や間奏曲などの音源もライブラリーとしてあるのですが、今回は交響曲第8番と、第9番について紹介します。
LPレコードは下記の4枚、後はCDです。(CDは、このほかにもダブリで何枚かあります)
■交響曲第8番ロ短調 D.759 「未完成」
録音:1948年 ターナバウト盤LP
②ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1950年 EMI LP&CD
③ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1952年2月 CD(DG)
④ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1954年5月4日 パリ
チェトラ盤LP&ブルーノ・ワルター・ソサエティ盤LP
■交響曲第9番ハ長調 D.944 「ザ・グレイト」
①ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1942年12月
録音:1943年
③ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1943年5月12日 ストックホルム
④ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1951年
CDのうち、F.M INCが企画・製作した2枚組CDの「CLASSIC BEST SELECTION」のシューベルト作品集では第8番「未完成」がフルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルでMONOと表記がありますが、録音年は表記されていません。このCDですが、聴いてみるとステレオ録音で音が良すぎます。演奏そのものはかなり良い演奏ですが、フルトヴェングラーの演奏ではありません。はて?この演奏は誰のだろう・・??
第8番「未完成」は、手元にある4種の中では③の1952年のライヴ盤が良い。全体的に抑揚があり、テンポルバートを伴ったアクセントを強調したかなり劇的な演奏です。第1楽章は死を予測するような深い表現に対し、第2楽章は美しさの中に深い感情がみられる演奏。名演奏だと思いますが、この演奏はフルトヴェングラーのマニア向きの演奏でしょう。 1950年録音のEMI盤はスタジオ録音のわりに音が悪く、モノラル盤でも疑似ステレオ盤でも音は良くありません。もともとの録音はSP録音? 演奏そのものも他の録音と比べると、フルトヴェングラーらしさがあまり出ていません。
第9番「ザ・グレイト」ですが、4種類の中では、ベルリン・フィルを振った1942年盤と、1951年盤が素晴らしい。どちらも深みのある表現で、第3楽章の中間部のトリオでの美しさ、そして第4楽章の速いテンポで突き進んでいく、なかなか劇的な演奏と言えます。名盤ですが、モノラル録音なのが残念。
久しぶりにフルトヴェングラーのシューベルトを聴いていると、なぜかベートーヴェン的な音楽にも聴こえてきます。第8番「未完成」を愛聴盤とするならフルトヴェングラーより、HIROちゃんとしては、ワルターやベームの演奏を聴きたい。
次回は誰の作品を紹介しようかしら・・
ワーグナーかな~・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。