これまで、オットー・クレンペラーの名盤・名演奏として、11回にわたり架蔵している音盤の中からモーツアルトや、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームス、マーラーなどの交響曲の音源を中心に紹介しました。
それらの中には正にクレンペラーの名盤・名演奏と言える音源が多くありました。実は前回11回目のマーラーの作品紹介で終わりにしようとしたのですが、手元にはクレンペラーのCDやLPでまだ紹介していないものや、後から見つかったCDなど、いくつかあります。今回は、それらについて番外編として紹介します。(なぜ番外かと問われると説明しにくいのですが・・)
■ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」(LP&CD)
(1963年録音)
■フランク/交響曲ニ短調(1966年録音)
■ベルリオーズ/幻想交響曲(1963年録音)
■チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調(1963年録音)
■チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」(1961年録音)
以上、フィルハーモニア(ニュー・フィルハーモニア)管弦楽団
クレンペラーというと、どうしてもドイツ、オーストリア音楽というイメージが強いのですが、上記の6曲は、ドイツ、オーストリア音楽ではありません。
ドヴォルザークの交響曲「新世界」ですが、民族的な匂いは感じませんが、インパクトのある雄大でスケールの大きな演奏です。ドヴォルザークの音楽というより、安定した真面目で壮大な交響曲といった感じですが、何か物足ない感じです。
フランクの交響曲は、第1楽章や第3楽章は生命力を感じる力強い演奏だし、弱音を中心とした第2楽章でのイングリッシュホルンの旋律は美しいなど、良い演奏だとは思いますが、この曲としては少し重厚すぎるように感じるのですが・・。名演奏?
ベルリオーズの「幻想交響曲」・・この曲、HIROちゃんにとっては、苦手な曲です。そんなことで聴くことの少ない曲ではあります。クレンペラーの演奏は、この曲のストーリー性もあまり感じさせない淡々としたテンポの演奏です。何故かこの「幻想交響曲」という曲、先入観が強いのか何度聴いても好きになれません。クレンペラーの幻想交響曲・・う~ん・・1度聴けば十分かも・・
チャイコフスキーの後期の交響曲第4番、第5番、第6番「悲愴」ですが、悲愴などで聴かれるメランコリック的な甘さは感じられません。だからと言って、ムラヴィンスキーのような感じでもなく、なんと表現したらいいのだろうか・・? ダイナミックなスケールの大きさは感じられるものの抒情性をもっと感じられる演奏がチャイコフスキーらしいと勝手に思っています。
と、いうように今回紹介したこれらの演奏は、クレンペラーのマニアの方から言えば名演奏の曲もあるかもしれません。個人的にはクレンペラーだから、こんな演奏になるのかな・・という感じで聴いてしまいました。
あえてこの中から名演奏1曲だけを選べと言われたら・・う~ん・・困った・・
フランクの交響曲だろうか・・
あとから、こんな曲のCDが棚から見つかりました・・ライヴ盤です。
■ベートーヴェン交響曲第6番へ長調「田園」
■バッハ/ブランデンブルグ協奏曲第1番
■モーツアルト交響曲第41番ハ長調「ジュピター」
■ベートーヴェン交響曲第7番イ長調
フィラデルフィア管弦楽団(1962年11月3日ライヴ)
クレンペラーのモーツアルトや、ベートーヴェンの交響曲については、これまでに紹介済ですが、前記の4曲を収めた2枚組のMEMORIES盤CDを持っていましたので追加投稿します。
これらの1962年のフィラデルフィア管弦楽団とのコンサートのライヴ盤については、正規盤が第3番の「英雄」を含め、ステレオ録音で発売されましたが、このMEMORIES盤は、いわば海賊盤。もともとの音源は何からのコピーからかはわかりませんが、音の状態は良くありません。正規盤ではすべてステレオ録音のようですが、このCDでは、10月19日コンサートの「田園」だけがステレオです。この「田園」の音ですが、録音テープの「サーノイズ」らしき音が大きくなったり、小さくなったりと録音状態は良くありません。それでもステレオなのでオーケストラの両翼配置は十分に聴き取れます。遅いテンポで重厚な演奏ですが木管楽器の音がとても美しく聴こえます。ゆったりとした田園を感じる演奏なのですが、どうしてもノイズが気になり音も良くありません・・
11月3日のライヴですが、もともとの録音はステレオのようです。正規盤の音はわかりませんが、このMEMORIES盤ではモノラルで音もかなり悪いです。モーツアルトにしてもベートーヴェンにしても重厚な演奏で、特にベートーヴェンの第7番については、強烈ともいえるインテンポでの演奏ですが、前述のように音が悪いので何度も聴く演奏ではありません。クレンペラーでこの交響曲第7番を聴くならば、1960年録音のフィルハーモニア管弦楽団盤か、1968年録音のニュー・フィルハーモニア管弦楽団のEMIのステレオ盤がおすすめです。
クレンペラーの残した録音は、かなり多いのですが、熱烈なクレンペラー・マニアではなく、好きな指揮者の一人・・と、いう感じなので多くの音源は架蔵しておらず、今回の投稿は、あくまでHIROちゃんの手元にあるライブラリーからの選曲でした。おそらく、投稿した以外の演奏の中には名盤・名演奏と言える音源があるとは思いますが、クレンペラーについては今回で終わりにしたいと思います。
追記・・・
今回の企画では、出来るだけ指揮者の生年順に記事を書いています。そうなると次回からの投稿は、いよいよフルトヴェングラー・・ということになるのですが、HIROちゃんのライブラリーの中では、フルトヴェングラーは、かなり多くベートーヴェンの交響曲だけでも相当数の音源があります。
さて、どのように記事を紹介していけば良いのだろうか・・
・・・そういえばフルトヴェングラーと同年に生まれた指揮者がいましたね。フランスの指揮者、ポール・パレーです。手元に多くの音盤はありませんが、パレーについて少し書いた後にフルトヴェングラーの名盤・名演奏について書きましょう・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。