「名指揮者の名盤・名演奏」ということで書き始めた投稿ですが、やっと10回目でメンゲルベルク、トスカニーニ、モントゥー、ワルターと4人目ですがワルターは、まだ終わりません。50人以上は書きたいのですが、この調子で書いていくと、いつ終わるか全く予想がつきません。カラヤンについては、まだまだ先なのですが・・カラヤンだけでも数百枚もあるライブラリーからどのように名盤・名演奏を選べば良いのだろうかと悩みそうです。しかもHIROちゃんは「アンチ・カラヤン」です・・カラヤンのオペラだけでも全ての音源を聴き直すのは体力と根性が必要で、多分無理です。
まあ、今後とも、膨大な音源のコレクションを出来るだけ聴き直すのも楽しみです。
気長にクラシック以外のオーディオ記事や、家庭菜園などの投稿をはさみながら、のんびりと投稿したいと思っています。
さて、ブルーノ・ワルターの名盤・名演奏について5回目の投稿です。
今回はワルターと生涯親交が深かった、グスタフ・マーラーの作品について書いてみます。ワルターのマーラー作品についてはモーツアルトと同様に多くの名盤・名演奏と呼ばれているものが多くあります。HIROちゃんの手許にあるワルターの指揮したマーラーの作品ライブラリーは下記のとおりで、若いころに購入したLPレコードが中心です。あらためてワルターの演奏について書く必要はないのですが、勝手に好きな演奏を名盤・名演奏として選んでみました。
LPレコードです。ジャケット違いで同じ音源のものもあります。
こちらはCDとCDのBOXです。LPとのダブリもあります。
■交響曲第1番 ニ長調 「巨人」
①NBC交響楽団、1939年4月8日ライヴ
②ニューヨーク・フィルハーモニー 録音:1954年1月25日
③コロンビア交響楽団 録音:1961年
3種類の中では②と③がお薦めですが、ここはステレオのコロンビア交響楽団盤③を名盤とします。色彩感があり、メロディーの歌わせ方がロマンティックで豊かさがあります。第3楽章での表現も聴きどころです。第1番のスタンダードな名演奏と言えるでしょう。
■交響曲第2番 ハ短調 「復活」
①ウィーン・フィルハーモニー 1948年5月15日ライヴ録音
②ニューヨーク・フィルハーモニー 録音:1960年
ソプラノとアルトの独唱と重唱、混声合唱をともなう壮大な曲で演奏時間も長い曲です。①のウィーン・フィル盤が素晴らしい演奏ですが、スケールが大きい曲だけに、ここでは音の良い②を選びます。ワルターが初めてステレオ録音した曲で、ワルターが心臓発作で倒れる直前に第4楽章、第5楽章が、回復後に残りが収録されたようです。芳醇でスケールの大きな演奏です。
1枚目は、輸入盤(オデッセイ)、2枚目は国内盤のLPです。
■交響曲 第4番 ト長調
①ニューヨーク・フィルハーモニー
録音:1945年5月10日カーネギー・ホール
②フランクフルト博物館管弦楽団 アンネリーゼ・クッパー(S)
録音:1950年9月4日ライブ
③RAIローマ交響楽団 カルラ・シュレアン(S)
録音:1952年4月19日ライブ
録音1955年11月6日ライヴ
⑤ウィーン・フィル、シュヴァルツコップ(S)
録音:1960年5月29日ライブ
ワルターは、この第4番が好きだったのでしょうか・・非正規盤のライブ音源も加えると相当数の録音が残されています。HIROちゃんの持っている音盤は上記の5種類ですが、これらの他にも1945年のボストン交響楽団や、1955年のフランス国立管弦楽団とのライブ録音などがあるようですが、これらは聴いていません。
マーラーの作品は、どちらかと言うとHIROちゃんは少し苦手なのですが、中でもこの第4番は大好きな曲で良く聴くほうです。
第4番というと、バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルの演奏が好きなのですが、ワルターも素晴らしい。上記の5種類の中では④と⑤のウィーン・フィルとのライブ演奏が感動的です。どちらもモノラル録音で、けっして良い音とは言えませんが、第1楽章の明るくメルヘン的な美しい旋律が心地よく、第4楽章のソプラノの独唱も素晴らしい・・
下記は、ブルーノ・ワルター・ソサエティ盤のLPです。
■交響曲 第5番 嬰ハ短調
①ニューヨーク・フィルハーモニー 録音:1947年2月10日
②交響曲 第5番より アダージェット
ウィーン・フィル、1938年1月15日ライヴ
全曲をとおした第5番のワルターの演奏は、知る限り、①の音源しかありません。この第5番もバーンスタインあたりで、じっくりと聴きたいところですが、ここではワルターの美しい第4楽章のアダージェットにどっぷり浸ることにしましょ・・
■交響曲 第9番 ニ長調
①ウィーン・フィルハーモニー 録音:1938年1月16日ライヴ
②コロンビア交響楽団 録音:1961年1月16日
この曲もバーンスタインの名盤、中でも1979年のベルリン・フィルとのライブ録音がお気に入りなのですが、ワルター盤も素晴らしい演奏です。音的には②がステレオで良いのですが、演奏は圧倒的に①のウィーン・フィルの演奏を選びます。1938年というとても古いライブ録音ですが、驚くほど音は生々しく、ダイナミック・レンジも広く古さを感じません。緊張感と熱気が凄く、とても劇的な演奏です。これはバーンスタインより凄い! お気に入りの絶対的名盤です。
こちらは輸入盤のCD です。
■交響曲「大地の歌」
①ウィーン・フィルハーモニー チャールズ・クルマン(T)
ケルスティン・トルボルク(Cont) 録音:1838年
②ニューヨーク・フィルハーモニー セット・スヴァンホルム(T)
キャスリーン・フェリアー (MS)
録音:1948年1月18日カーネギーホール・ライブ
③ウィーン・フィルハーモニー ユリウス・パツァーク(T)
キャスリーン・フェリアー (MS) 録音:1952年 デッカ
④ニューヨーク・フィル、リチャード・ルイス(T)、
モーリン・フォレスター(A)
録音:1960年4月16日ライヴ
⑤ニューヨーク・フィルハーモニー ヘフリガー(T) ミラー(MS)
録音:1960年4月18日
「大地の歌」ですが、ワルターは多くの録音を残しています。⑤の1960年、ステレオ録音のニューヨーク・フィル盤は音も良く、テノールのヘフリガーの歌唱が繊細な表現で良いのですが、アルトはイマイチでしょうか?
このワルターの交響曲「大地の歌」と言えば、文句無しで③の1952年、デッカに録音したウィーン・フィル盤でしょう。モノラル録音ですが、驚くほど音が良く、音の分離も良く、生々しく臨場感があります。究極のモノラル録音でしょう。ステレオでなくても鑑賞には十分な音です。
手元には大学時代にレコード店でアルバイトをしていた時に購入した、キングレコードの1,200円盤、MZシリーズのMZ5013と、「ロンドン永遠の名盤」のMXシリーズの1,000円盤MX9008のLPレコードがあります。昔のロンドン盤はレコードの厚みがあり重量感があったのですが、MZ盤では少し薄くなり、MX盤では更に薄くなリ、ペラペラ感があります。それでも手持ちのCD(POCL-2814)より、LPのMZ盤のほうが音は良いように感じます。
演奏については、語りつくされているので、あらためて書く必要はないのですが、ウィーン・フィルの美音を最大限に引き出した演奏で、各楽器のバランス、音が素晴らしい。特にオーケストラでは第1楽章のスケールの大きさには圧倒されます。また、フェリアーの声に癖があるものの感情表現は素晴らしく、テノールのパツァークの歌唱も素晴らしい。HIROちゃんのもう一つのお気に入りのクレンペラー/フィルハーモニア管でのルートヴィヒと、ヴンダーリッヒ両者の歌唱とはまた違った魅力があります。
1枚目がMZ-5013、2枚目がMX-9008のLPレコード
こちらはCDです。POCL-2814
■リュッケルトの詩による3つの歌
ウィーン・フィルハーモニー キャスリーン・フェリアー (MS)
前記のキングレコードのMZ盤と、MX盤で聴くことが出来ます。ワルターとフェリアーによる歴史的名盤のひとつでしょう。なお、MX盤ではカップリング曲のシューマンの歌曲集「女の愛と生涯」で、ワルターのピアノ伴奏を聴くことが出来ます。
ワルター編は、まだ続きます。次回はシューベルト?、ブルックナー?、それとも・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。