前回はモーツアルトの作品からワルター指揮の交響曲について投稿しましたが、今回は交響曲以外の管弦楽や、協奏曲、そして「レクイエム」の名盤・名演奏をHIROちゃんのライブラリーの中から勝手に好きな演奏として選んでみました。
手元にある音盤は次のとおりです。録音年月には間違いがあるかも知れません。
(録音年月の記載は順不同です)
■セレナード「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」ト長調
①ウィーン・フィルハーモニー 録音:1936年
②フランス国立放送管弦楽団1956年06/14ライブ録音
③コロンビア交響楽団 録音:1958年
■歌劇「フィガロの結婚」序曲
①ブリティッシュ交響楽団 録音:1932年
②コロンビア交響楽団 録音:1961年
■歌劇「ティトゥスの慈悲」序曲
ウィーン・フィルハーモニー 録音:1934年?
■歌劇「偽の花作りの女」序曲
ウィーン・フィルハーモニー 録音:1938年?
■歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」序曲
①ウィーン・フィルハーモニー 録音:1945年
②コロンビア交響楽団 録音:1961年
■歌劇「魔笛」序曲
コロンビア交響楽団 録音:1961年
■歌劇「劇場支配人」 K 486 序曲
コロンビア交響楽団録音:1961年
■3つのドイツ舞曲
・ニ長調K605-1(1937年) ・ト長調K605-2(1936年)
・ハ長調K605-3(1937年)
①ウィーン・フィルハーモニー 録音:1936-1937年
②コロンビア交響楽団 録音:1954年
■フリーメイソンのための葬送の音楽
①フランス国立放送管弦楽団 録音:1956年06/14ライブ
②コロンビア交響楽団 録音:1961年
■メヌエット&トリオ(ヘ長調K599/5)(ハ長調K568/1)
コロンビア交響楽団 録音:1954年
■ピアノ協奏曲第14番
ピアノ:マイラ・ヘス 管弦楽団 録音:1956年
■ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
①ピアノ&指揮:ブルーノ・ワルター
NBC交響楽団 録音:1939年03/11ライブ
■ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K216
ヴァイオリン:ジノ・フランチェスカッティ
コロンビア交響楽団 録音:1958年
■ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調K218
ヴァイオリン:ジノ・フランチェスカッティ
コロンビア交響楽団 録音:1958年
最初にセレナード「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」ですが、何度か(多分5回位?)ワルターは録音していますが、中でも①のウィーン・フィル盤が美しい。1936年のSP録音ですが、弦楽器だけの曲なので音もそれほど悪くありません。透明感があり心地よく、美しい演奏です。HIROちゃんの音源は東芝のGR盤で交響曲第41番「ジュピター」とのカップリングです。名盤と言えますが、ステレオの良い音で聴くなら、1961年録音の歌劇の序曲集とカップリングになっているアルバムが良いでしょう。正規ではオペラを録音していないので、序曲集は貴重な録音と言えるでしょう。CDも持っていますが、下記はオデッセイ盤のLPレコードです。
こちらは、①のウィーン・フィル、東芝GR盤のLP、ジュピターとのカップリング
ワルターが指揮した協奏曲
ワルターが指揮した、モーツアルトの協奏曲の録音は少ないのですが、有名なのが1937年にウィーン・フィルとセッションで録音したピアノ協奏曲第20番ニ短調です。ワルター自身のピアノで指揮も兼ねた弾き振りです。この演奏は東芝の初期のGR盤で発売されていたのですが、残念ながらHIROちゃんは、この音源は持っていません。持っているのは①の1939年3月11日、NBC交響楽団とのコンサート・ライブで、ここでもワルター自身がピアノを弾いています。第1楽章、第3楽章は早めの演奏です。また、第2楽章は美しい音色が魅力的で情感があります。ワルター・ファンにとっては貴重な録音と言えるでしょう。演奏の後の拍手まで収録されています。(このライブラリーはHISTORYの「BRUNO WALTER MAESTRO GENEROSO 」 CD10枚組BOXの中の1枚。廉価盤で正規盤ではありません)
②の音源はブルーノ・ワルター・ソサエティーのLPレコードで、ピアノは、マイラ・ヘスですが管弦楽団名の表記がありません。 録音は1956年、第14番の協奏曲とのカップリングで、どちらの曲もマイラ・ヘスのピアノが美しい演奏です。
ジノ・フランチェスカッティとのヴァイオリン協奏曲第3番K.216と、第4番K.218ですが、ジノ・フランチェスカッティとブルーノ・ワルターが共にコロンビア・レコードの専属であったことで実現した録音のようです。やや遅めのテンポで、重厚な響きのオーケストラと、フランチェスカッティの艶のある美音が魅力と言えます。個人的には第3番K.216が大好きで、第2楽章でのヴァイオリンの静かな美しい旋律が何とも言えません。
ブルーノ・ワルターのモーツアルトの「レクイエム」
■レクイエム
①ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
シューマン(S)、トルボルク(A)、デルモータ(T)
キブニス(B) (1937年ライブ録音)
②ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン楽友協会合唱団
リップ(S)、レッセル・マイダン(A)、デルモータ(T)
エーデルマン(B)
(1956年6月23日 オーストリア放送協会のライブ録音)
③ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
リーザ・デラ・カーザ(S)、イラ・マラニウク(A)、アントン・デルモータ(T)、
チェザーレ・シェピ(BS) (1956年 ザルツブルク音楽祭ライブ録音)
④ニューヨーク・フィル/ ウエストミンスター合唱団
ゼーフリート(S)、トゥーレル(MS)、 シモノー(T)
ウォーフィール(Br) (1956年 モノラル/セッション録音)
ワルターは、ライブなどを含めると、多くの「レクイエム」の録音を残しています。そのうちHIROちゃんのライブラリーとして手許にあるのは、上記の①~④の4種類。①②③の3枚は、いずれもウィーン・フィルとのライブ録音。①は、1937年のパリ万国博覧会でのライブ録音。SP録音の復刻CDですが、当時のライブ録音ということを考えれば、それほど音は悪くありません。
②、③は同じ1956年の録音。②は、モーツアルト生誕200年祭でのムジークフェラインザールにおけるライブ録音。③は、ザルツブルグ音楽祭でのライブ録音です。
最後の④も同じ1956年の録音ですが、こちらはニューヨーク・フィルとのセッションによる録音です。3月10日と12日に、モーツァルト生誕200年記念にコロンビア・レコードに録音し、この名曲の代表的名盤となっているのですが、実は。10日と12日の中日の3月11日にカーネギー・ホールでのモーツァルト・フェスティバルで演奏したライブ録音も残っているのですが、残念ながら聴いていません。これは聴いてみたいですね。
モーツアルトのレクイエムと言えば、ワルター・・・と言われるくらい語り継がれてきた名盤ですが、本質的には4種類の演奏とも同じです。ステレオ録音ではありませんが優美で豊かな感情表現がみられる、威厳さえも感じとれる演奏です。
モーツアルトの「レクイエム」には、バーンスタインや、ベーム、リヒターなど多くの名盤・名演奏がありますが、ワルターの演奏は、これからも語り継がれていく演奏だと思います。
「ワルターの名盤・名演奏」は、まだ続きます。次回はワルターが録音したマーラーの作品について紹介します。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。