これまで、モントゥーのベートーヴェン交響曲の中からHIROちゃんの好きな演奏を「名盤・名演奏」として紹介しましたが、今回は残りのモントゥーの架蔵音源から好きな演奏を紹介します。音盤は全てLPレコードです。

なお、前回の投稿は予約投稿で、LPレコードのジャケットの写真のみの紹介でしたので、簡単な演奏の感想などを追記した修正版として再投稿します。

 

モーツァルト:交響曲 第35番 ニ長調 K.385《ハフナー》

モーツァルト:交響曲 第39番 変ホ長調 K.543

ピエール・モントゥー(指揮)/北ドイツ放送交響楽団

【録音】1964年2月、ハンブルク 原盤:Concert  Hall

 

 

 

コンサートホール・レーベルでのモーツアルト6大後期交響曲は、カール・シューリヒトと、ピエール・モントゥーで録音されましたが、この第35番と、第39番は、モントゥーのモーツアルト交響曲では唯一の正規盤のようです。

2曲とも快活で明るい演奏。特に第39番では、モーツアルト特有の所々でみえる哀愁さが見事。生命力の明るさとのコントラストが何とも言えません。2曲ともモーツアルトの交響曲としては名演と言えるでしょう。

  

ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14

ピエール・モントゥー(指揮)/北ドイツ放送交響楽団

【録音】1964年2月6-14日、ハンブルク 

【原盤】Concert  Hall

 

 

モントゥーは、この幻想交響曲を得意としていたのか5度もスタジオ録音をしています。このConcert Hallの録音は、モントゥーの最晩年に録音されたものです。モントゥーの幻想交響曲というと、やはり晩年の1957年に録音されたウィーン・フィルハーモニーとのステレオ録音があるのですが、残念ながら聴いていません。HIROちゃん自身、あまりこの曲を好んで聴く曲ではないためか、モントゥーの幻想交響曲は、この1枚しか購入していません。

この北ドイツ放送交響楽団との演奏は、緊密な演奏で、なかなかダイナミックな表現も見られるとともに、精神的な表現も見事だとは思います。そんなことでモントゥーの名盤として取り上げたのですが、個人的にはモントゥーに限らず、ミュンシュや、クリュイタンス、カラヤンなどの演奏を聴いても何故か、この曲があまり好きになれないのはなぜだろう・・?

なお、この演奏は1965年度ACC(アカデミー・シャルル・クロ)、ADF(アカデミー・ド・ディスク・フランセ)の二つのディスク大賞を受賞しています。

  

モントゥーのストラヴィンスキーの作品

バレエ音楽火の鳥》

バレエ音楽《ペトルーシュカ

バレエ《春の祭典》

ピエール・モントゥー指揮/パリ音楽院管弦楽団

【録音】1956年? 【原盤】DECCA

 

 

 

いずれも廉価盤で購入したLPレコードの2枚ですが、DECCAの録音で音も良いです。

この3曲の中では、《ペトルーシュカ》は1911年に、《春の祭典》については1913年にモントゥーが初演しています。

これら3曲ともパリ音楽院管弦楽団の色彩感、リズム感、スケール感と言ったものが十分に感じられる演奏で、《ペトルーシュカ》と、《春の祭典》は世界初演者の演奏と言う点でも歴史的な名盤と言えると思います。

しかし、これらの曲の最高の名演奏かというと、若干物足りなさが感じられなくもありません。何度か聴くとインパクトが弱く少し平凡な演奏に感じることもあります。

  

ラヴェル:バレエ音楽『ダフニスとクロエ』

ピエール・モントゥー指揮/ロンドン交響楽団 録音:1959年

 

 

この曲も前記の《ペトルーシュカ》、《春の祭典》と同様、モントゥーが世界初演をしています。(初演は1912年)

フランス音楽をレパートリーの中心としていた、モントゥーにとっては、お得意の曲と言っても良いでしょう。同じバレエ音楽でもストラヴィンスキーより、こちらの方が自然で透明感のある美しい音色と色彩感があります。また、繊細なニュアンスも感じられる名盤でしょう。

  

エルガー:エニグマ変奏曲

ピエール・モントゥー指揮/ロンドン交響楽団 録音:1958年

 

 

正直、この曲はHIROちゃんのライブラリーとしては、数少ない曲です。1960年から1964年の亡くなるまで首席指揮者を務めたロンドン交響楽団との演奏。楽団と同じイギリスの作曲家エルガーの作品と言うこともあり、取り上げてみました。

この曲を聴くなら他の名盤・名演奏もあると思いますが、モントゥーの演奏は絶妙なアンサンブルが魅力と言って良いでしょう。

カップリング曲のブラームス/ハイドンの主題による変奏曲もなかなかの名演。

 

では、今日は、このへんで・・・

次回からは「ブルーノ・ワルターの名盤・名演奏」かな?