「名演奏家の名盤・名演奏」という、とんでもない企画を考え、始めてしまったのですが、なかなか難しい・・ 膨大なライブラリーから選ぶのですが、昔に聴いた演奏の記憶は大きく薄れています。そんなことで再度、曲によっては聴き直しもしているので、投稿の間隔は毎日というわけにはいきません。昔、初めて聴いた演奏に衝撃や感動があった演奏を改めて聴き直してみると、それほど感動しなかったり、逆に当時はそれほど感動しなかった演奏を聴き直してみると新しい発見をして感動したり・・と、人間の記憶や感情って不思議だな~~って・・

ですから、これからの投稿も手持ちの音源から個人的に好きな演奏を選んだものと、ご理解ください。HIROちゃんの架蔵していない音源の中にも名盤・名演奏と呼ばれるものがあるでしょう・・

 

【アルトゥーロ・トスカニーニの名盤・名演奏】

アルトゥーロ・トスカニーニ(1867年-1957年)は、イタリアの指揮者。生年から言うと、前回紹介したメンゲルベルクより4年ほど早く生まれています。19歳でチェロ奏者として旅行中に代役として指揮デビュー。チェロ奏者としてスカラ座でのヴェルディ『オテロ』初演に参加。1887年から本格的に指揮者として活動を始め、1927年にメンゲルベルクと共にニューヨーク・フィルの常任指揮者に就任。スカラ座の再建、楽譜の読みなどに大きな影響を及ぼしました。 

メンゲルベルクと異なりLP録音まで活躍し、NBC交響楽団と多くの演奏を行い、録音も数多く残しています。

 

IROちゃんのトスカニーニのライブラリーとして手元に架蔵している音盤はLPレコード、CD合わせて約70枚です。 これらの手持ちの音盤から勝手に選んだ「トスカニーニの名盤・名演奏」 10点の中から、今回は「交響曲編」として5選を紹介し、次回の投稿記事で残り5曲を紹介することにします。

 

まずはHIROちゃんの大好きなベートーヴェンの交響曲から・・

トスカニーニのベートーヴェン交響曲と言うと、多くの録音があります。SP録音では、1930年、ニューヨーク・フィルの常任指揮者時代の第1番、第3番「英雄」のスタジオ録音や、1938年‐42年に録音されたアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との第2番、第4番、第5番、第6番、第8番、第9番のライブ録音、1942年のベルリン放送交響楽団との第7番など、また、1939年のNBC交響楽団とのベートーヴェン・ツィクルスでの全9曲の連続演奏会でのライブ録音など、多くのSP録音の復刻盤を架蔵しています。これらの中では下記の1939年録音の第3番「英雄」と、第5番「運命」が選んだ名盤・名演奏です。

 

■ベートーヴェン交響曲第3番 変ホ長調「英雄」

トスカニーニ指揮/NBC交響楽団

録音:1939年NBC放送用録音(8-Hスタジオ)

 

 

■ベートーヴェン交響曲第5番 ハ短調「運命」

トスカニーニ指揮/NBC交響楽団

録音:1939年NBC放送用録音(8-Hスタジオ)

 

 

ベートーヴェンの交響曲の演奏は、ドイツの楽団のように何とも言えない渋さ?のような音色と、重厚なハーモニーが一つの特徴とも言えるのですが、トスカニーニのベートーヴェンは、重厚さはあまり感じられませんが、そのかわり、緊張感とエネルギー、求心力、推進力と言ったものが前面に表れます。 もしかしたらベートーヴェン交響曲のマニアの中にはトスカニーニのベートーヴェンは、ベートーヴェンではない・・とおっしゃる方もおられるかもしれませんね。 しかし、トスカニーニのようなベートーヴェンがあっても良いのではないでしょうか・・

 

■ベートーヴェン交響曲全集(全曲)

トスカニーニ指揮/NBC交響楽団

録音:1949年-1953年、カーネギー・ホール

 

 こちらはLPレコード  RCA&RVC(株)

 

 

こちらはCDによる全集BOXです。

 

 

 

HIROちゃんの手元にはRCAのLPと、国内のRVC(株)から発売されたLPレコードで全集となっていますが、復刻CDでのBOXでも架蔵しています。 しかし、RCAのLPレコードは電気的にステレオにした「疑似ステレオ盤」のためか、音に広がりはあるものの音の定位がはっきりしません。

多くのベートーヴェン交響曲の中では、前記のようなSP録音の名盤もあるのですが、やはり鑑賞するならモノラルとは言え、この1949年から1953年にかけて、カーネギー・ホールでのLP録音の全集が良いと思います。 録音のせいか、全曲とも若干、音が硬いように感じますが、厳格で圧倒的な推進力と情熱、強靭なカンタービレ表現。緊張感と統一感があります。

これらの中では、特に奇数番号の第3番「英雄」、第5番「運命」、第7番、第9番「合唱」が名盤・名演奏と言えるでしょう。

 

■ブラームス交響曲第1番 ハ短調Op.68

トスカニーニ指揮/NBC交響楽団

録音:1951年11月6日 カーネギー・ホール

 

 

トスカニーニのブラームスの交響曲ですが、SP時代にも1941年3月のカーネギー・ホールでの第1番の録音などを残しています。また、1952年のフィルハーモニア管弦楽団とのコンサートのライブ録音の第1番と、第4番がチェトラ盤のLPとして発売され、手元にあるのですが、ノイズなどがあり音が良くありません。(その後、EMIから全集として発売された) やはり聴くなら1951年にカーネギー・ホールで録音されたNBC交響楽団との第1番~第4番までの全集でしょう。その中でも第1番が豪快ですが、緊張感と、推進力のあるスケールのある名演だと思います。

 

■メンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」/第5番「宗教改革」

トスカニーニ指揮/NBC交響楽団

録音:1953年 カーネギー・ホール

 

 

あと1曲ですが・・トスカニーニの残した交響曲の中から、あと1曲の名盤を何にするか、非常に迷います。ベートーヴェンやブラームスの他にも、硬さはあるものの締りのあるモーツアルトの第39番~第41番、カンタービレの美しいシューベルトの第8番「未完成」、第9番、旋律を十分に歌ったチャイコフスキーの第6番「悲愴」、その他、サン=サーンスや、ドヴォルザークの「新世界より」、シベリウスの第2番などのライブラリーが手元にありますが、交響曲のあと1曲は、メンデルスゾーンの上記の曲を選びました。

特に第4番の「イタリア」ですが、非常に明るくスピード感がありますが、緊張感や迫力と言ったものも感じられる名演。モノラル録音としてはまずまずの音ですが、ステレオでないのが残念。

 

※ブログの更新について

個人的なことですが、12月7日から、手術、入院加療のため自宅からのPCによる投稿ができません。 そのため予約投稿機能を使い、事前に書いた記事を何回か投稿します。今回の記事は事前に12月3日に書いたものです。

そのため、コメントをいただいても返信できない場合もありますので、ご理解ください。

できるだけ、コメントに対しては、遅れてもスマホから返信したいと思います。

寒くなってきます。どうぞ皆様ご自愛ください。

 

次回は、トスカニーニの名盤・名演奏②として投稿します。

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。