今回は、モーツアルトの後期の交響曲(第35番~41番)を中心に投稿します。モーツアルトの交響曲というとHIROちゃんにとってはベートーヴェンや、ブルックナー、ブラームスなどの交響曲と並び、とても好きで結構多くの音源がライブラリーとして手元にあります。後期の交響曲でしたら多分30種類以上のLPやCDがあると思います。その中にはワルターをはじめ、ベーム、クーベリック、バーンスタイン、シューリヒト、スイトナーなどの名盤と呼ばれるものを架蔵していますが、中にはカザルスや、アーノンクールといった個性的な演奏もあり、モーツアルトの魅力を楽しんで聴いています。
そんな中、今回は『メニューイン・コンダクツ・モーツァルト』と題したユーディ・メニューイン指揮によるモーツアルトの後期交響曲を中心に、セレナード、協奏曲、序曲等を収録したCD6枚組のBOXについて簡単に紹介します。
『メニューイン・コンダクツ・モーツァルト』
※曲目と演奏者は末尾に記載します。
『あれっ・・メニューインってヴァイオリニストじゃないの・・?』と思われる方が多いと思いますが、指揮者としても多くの録音を残しています。実はベートーヴェンの交響曲についても全9曲を1994年にシンフォニア・ヴァルソヴィアとライブ録音しています。この演奏はCD5枚組のBOXとして手元にあります。全曲とも曲の開始前と終わりの聴衆の拍手まで収められていて、ライブ感があります。全曲をとおしてやや早めのテンポで、ほとんど反復した演奏、なかなかの好演です。
さて、メニューインのモーツアルト交響曲ですが、第35番ニ長調 「ハフナー」と、第36番 ハ長調 「リンツ」は、ローザンヌ室内管弦楽団との演奏、第38番 ニ長調 「プラハ」 第39番 変ホ長調、第40番 ト短調 、第41番 ハ長調 「ジュピター」は、シンフォニア・ヴァルソヴィアとの演奏です。
これらの演奏ですが、ひとことで言うなら、どの曲も軽快で溌溂とした演奏と言えるでしょう。また癖のない素直な演奏だと思います。だだ、トゥッティになると弦の音が若干、濁ったように感じるところが少し残念です。
長調の曲では前述のように生き生きとした軽快な演奏が多い中、第38番「プラハ」については端正ではあるのですが、もう少し深い表現が欲しいと感じました。
それは短調の第40番ト短調でも感じることで、第1楽章などはもっと細やかな感情表現があっても良いのかなと思いました。
しかし、全体的には全曲とも、まとまりのある飽きの来ない好演と言えるでしょう。
また、このBOXではセレナードや、序曲も録音されていますが、癖のない標準的な演奏と言えると思います。協奏曲ではイギリス室内管弦楽団と、フルート協奏曲2曲と、「フルートとハープのための協奏曲」が収められていますが、こちらも素直な演奏。なお、「フルートとハープのための協奏曲」では、日本のハープ奏者である吉野直子さんが演奏しているのが興味深い。とても爽やかな演奏でした。
『メニューイン・コンダクツ・モーツァルト』
CD1
1. ディヴェルティメント ニ長調 KV136
2. セレナード ニ長調 KV239「セレナータ・ノットゥルナ」
3. セレナード ニ長調 KV320「ポストホルン」*
4. 2つの行進曲 KV335
*クリスピアン・スティール=パーキンス(ポストホルン)
ローザンヌ室内管弦楽団
CD2
1. 交響曲 第35番 ニ長調 KV385「ハフナー」
2. 交響曲 第36番 ハ長調 KV425「リンツ」
ローザンヌ室内管弦楽団
CD3
1. 交響曲 第38番 ニ長調 KV504「プラハ」
2. 交響曲 第39番 変ホ長調 KV543
シンフォニア・ヴァルソヴィア
CD4
1. 交響曲 第40番 ト短調 KV550
2. 交響曲 第41番 ハ長調 KV551「ジュピター」
シンフォニア・ヴァルソヴィア
CD5
1. フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 KV299
2. フルート協奏曲 第1番 ト長調 KV313
3. フルート協奏曲 第2番 ニ長調 KV314
サミュエル・コールズ(フルート)、吉野直子(ハープ)
イギリス室内管弦楽団
CD6
序曲集
1. フィガロの結婚
2. コシ・ファン・トゥッテ
3. 偽の女庭師
4. 劇場支配人
5. イドメネオ
6. 魔笛
7. 羊飼の王様
8. ルーチョ・シッラ
9. 皇帝ティートの慈悲
10. ドン・ジョヴァンニ
11. バスティアンとバスティエンヌ
12. 後宮からの誘拐
ローザンヌ室内管弦楽団
以上 ユーディ・メニューイン(指揮)
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪