2022/06/18 追加投稿
「合唱団お江戸コラリアーず」による男声合唱の動画を追加しました。
髙田三郎作曲の合唱組曲「水のいのち」ですが、手持ちのLPレコード、CDのライブラリー9種類の演奏について、感想等を投稿する前に、You Tube から小林研一郎 氏が指揮した男声合唱版の演奏を前回紹介しましたが、あらたにYou Tube から同じ男声合唱版で畑中良輔 氏が指揮した慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(ピアノ:三浦洋一 氏)の演奏を見つけました。
この演奏の動画は1991年6月22日(土) 東京文化会館大ホールで行われた第40回東西四大学合唱演奏会の第4ステージのライブ動画です。(慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団の質の高さを知ることが出来る動画でもありますね)
畑中良輔 氏(1922-2012)はバリトンの声楽家で、音楽教育者、合唱指揮者、作曲家、評論家など多才な持主の方で、クラシック音楽の月刊誌「レコード藝術」の声楽曲の評論でも活躍されました。
前回は、小林研一郎 氏が指揮する「水のいのち」ということで驚いたのですが、畑中良輔 氏の指揮した「水のいのち」の男声合唱版も映像として残されていたことに、合唱ファンとしては驚きと感謝です・・・
また、数少ない男声合唱版の演奏としても大変貴重な動画です。
さて、畑中良輔 氏の「水のいのち」ですが、小林研一郎氏のようなストレートに突き刺さるような、どちらかというと激しい感情表現ではありません。 興奮するようなテンポルバートによるウネリや興奮、迫力と言ったことはなく、あくまで楽譜に忠実で堅実な演奏なのです。チョット聴くとおとなしい演奏のように聴こえるかもしれません。しかしこの演奏は「曲全体の流れ」を重要視した演奏で、曲全体の自然な流れの中で、良く聴いていると落ち着いた繊細な感情表現が随所で聴かれます。
そのことを最も感じるのが、終曲の演奏でしょう。 「水のいのち」では、通常は1.雨 2.水たまり 3.川 4.海 5.海よ で終わるのですが、畑中良輔 氏は最後の5.海よ の最後でピアノ伴奏の一部を省略し、6曲目として、切れ間なしで第1曲の「雨」を再び繰り返し、静かに曲が終わります。何という解釈だろう・・・
水のいのちが再び空に昇り、雨となり川となり、また輪廻を繰り返す・・・それを表現するためのリピートでしょう。この繰り返しの2度目の「雨」の演奏が何と素晴らしいことか・・どこまでも透明で静かな「雨」だ。これほど美しい pp(ピアニッシモ)や、ppp(ピアニッシシモ)での表現は聴いたことがありません。
ぜひ、下記の演奏を聴いてみてください・・・アドレスをクリックしてください。
第40回東西四大学合唱演奏会 1991年6月22日(土) 東京文化会館
指揮:畑中良輔 ピアノ:三浦洋一
慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団
男声合唱組曲「水のいのち」
1.雨 2.水たまり 3.川 4.海 5.海よ 6.雨
https://www.youtube.com/watch?v=hM9u6e09q6k
※2022/06/18 追加投稿
今日から、合唱組曲「水のいのち」について、手持ちの作曲者自身による指揮の演奏や、宇野功芳 氏指揮による演奏を紹介しようと思っていたのですが、またまた、You Tube で素晴らしい男声合唱版による演奏の動画を発見。
「合唱団お江戸コラリアーず」による男声合唱・・・見事な演奏です。
この合唱団の演奏の良いのは、各パートの声の美しさ、合唱団としての技術力の高さでしょう。そして、この演奏は歌詞の言葉が聴き取りやすいということ。合唱はやはり歌詞が大事・・・曲全体としても言葉の表現から深い感情が汲み取れる名演といって良いでしょう。
こちらです。
男声合唱組曲「水のいのち」(高田 三郎 作曲) / 合唱団お江戸コラリアーず - YouTube
では、次回から手元にある、HIROちゃんの9種類の音源LP、CDの演奏について書いてみたいと思います。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。