6月5日(日)にNHKのEテレの「クラシック音楽館」で放映されたクリストフ・エッシェンバッハ指揮によるNHK交響楽団第1954回定期演奏会(2022年4月9日 東京芸術劇場)を録画しておいたので鑑賞しました。
【曲目】
■ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」作品92
■モーツアルト:フルート協奏曲第1番ト長調K313
■ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ/NHK交響楽団
    フルート:スタティス・カラパノス

 最初にテレビに映し出されたエッシェンバッハさんを見て、「だいぶお年を召したな~」と思いました。自分だってもういい年のジジイだから当たり前です。・・と、いうのもHIROちゃんのエッシェンバッハさんの印象と言えば、今から約40年前のエッシェンバッハさんのピアノと指揮による生のコンサートに3回出かけていて、若い印象が残っているからです、この3回の演奏会については、今でも当時のプログラムが手元に残っていたので、プログラムと共に曲目などを最後に紹介することにします。

 NHK交響楽団の演奏ですが、ドヴォルザークの序曲「謝肉祭」は軽快さもありなかなかの好演。フルートのスタティス・カラパノスさんとのモーツアルト/フルート協奏曲第1番ト長調ですが、やや早めの演奏で演奏技術もかなり高いですね。まだ20歳代なので、これからが楽しみな奏者です。特に歯切れのよい第1楽章が良かったように思います。この協奏曲を聴いていると、モーツアルトは、フルートという楽器は好きではなかったとのことですが、そんなことは感じられない素晴らしい曲ですね。
なお、アンコールでのドビュッシーの「パンの笛(シランクス)」は、無調で書かれているような斬新さを感じる曲ですが、感情表現の素晴らしい演奏でした。

 ベートーヴェンの交響曲第7番ですが、演奏前にテレビのインタビューで、エッシェンバッハさんが「この曲は1つの細胞からなっている・・・」と、各楽章の関係について話されていました。そのため、「各楽章はアタッカで間をあけないで続けて演奏します」との話・・続けて演奏したらどんな感じかな~~と思いながら聴いてみました。

 アタッカとは、クラシック音楽で使われる音楽用語で、イタリア語で「楽章と楽章の間を切れ間なく演奏する」と言う意味です。普通の演奏では、ある楽章が終わってから次の楽章まで、ひと呼吸おいてから始めることが多いのですが、切れ目なくすぐに、続けて演奏します。こうすると前の楽章の緊張感だったりを持続させたまま、次の楽章と音楽的な結びつきを強くする・・といった効果があります。

 さて、エッシェンバッハさんの演奏は・・確かに各楽章ともアタッカでの演奏。普通は1つの楽章が終わるたびに客席での咳払いや、体を動かすときの「ざわつき」が聴こえますが、これが全くないので緊張感をもって1つの曲として感じると言えば、感じるのですが・・・今回の演奏を聴いた感想としては、スタンダートというより、まとまりのあるオーソドックスな演奏でしょう。激しい興奮のウネリや、激しさ、あるいは極端なテンポ・ルバートと言ったものはあまり感じられない正統な演奏だったと思います。


40年前のエッシェンバッハのコンサート
約40年前、HIROちゃんの若かりし頃、1982年、1983年、1985年の3回、エッシェンバッハさんの生のコンサートを聴きに行った時のプログラムです。ウィーン交響楽団とチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団との演奏ではモーツアルトのピアノ協奏曲で弾き振り、1983年のコンサートはユストゥス・フランツさんとのピアノ・デュオでした。
プログラムの一部をスキャンしました。


■ウィーン交響楽団 日本公演 1982
1982年3月28日 日立市民会館大ホール
指揮/ピアノ:クリストフ・エッシェンバッハ
曲目
●アポステル:パッサカリーア 作品50
●モーツアルト:ピアノ協奏曲第27番変ロ長調
●ブラームス:交響曲第1番ハ短調 作品68




img20220611_19425257.jpg

img20220611_19041477.jpg

■クリストフ・エッシェンバッハ/ユストゥス・フランツ 日本公演1983
1983年11月3日 日立市民会館大ホール
ずいぶんシンプルなプログラムの表紙ですね・・・


IMG_2658.jpg

曲目:ブラームス/2台のピアノのためのソナタヘ短調 他
スキャンした(プログラムA)のとおり


img20220611_19092161.jpg

img20220611_19074329.jpg

■チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 日本公演 1985
1985年4月11日 日立市民会館大ホール
指揮/ピアノ:クリストフ・エッシェンバッハ
曲目
●ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
●モーツアルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K488
●チャイコフスキー:交響曲第5番ホ長調 作64


IMG_2657.jpg

img20220611_19112240.jpg

img20220611_19121410.jpg

img20220611_19152678.jpg


 

 3回の演奏会とも、もう40年位も昔の演奏会でしたが、特にモーツアルトのピアノ協奏曲の中でも大好きな「第23番イ長調」と、「第27番変ロ長調」を生で聴くことが出来、感動したことだけは覚えています。
早いな~~~~ もう40年も昔のことだったんだ~~
年はとりたくないな~~~ 
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪