今回はベートーヴェン作曲の「合唱幻想曲」を紹介します。
原題は「Fantasie für Klavier, Chor und Orchester c-Moll」、「ピアノ・合唱と管弦楽のためのファンタジー ハ短調 作品80」です。
演奏されることが少なく、あまり馴染みのない曲かもしれません。曲の構成は独奏ピアノと管弦楽を含む合唱曲で、独唱者と混声四部合唱で演奏されます。
曲はハ短調のピアノ独奏からピアノ協奏曲的な変奏曲となり、その後はハ長調に転調し、四重唱、合唱で歌われます。歌詞は芸術を賛美する歌詞となっています。

 演奏時間が20分もかからないくらいの短い曲に、ピアノや独唱、合唱など、いろいろと盛り込み過ぎて要素が多いためでしょうか、曲の全体像がつかみにくく、何となく中途半端?な実験的な曲に感じられなくもありません。
 「えっ?何のための実験曲かって??」 この曲は、1908年に作曲された曲ですが、1924年に作曲された交響曲第9番「合唱」の第4楽章を想わせる曲で、曲の後半では管弦楽に独唱や合唱を加えていることから「第九」の原型とも感じるばかりでなく、何となく雰囲気やメロディーも似ています。後の交響曲第9番「合唱」の構想のための曲だったのかも・・・ 短い曲ですがベートーヴェンらしい曲と言えます。

 HIROちゃんの手元には、カール・ベーム指揮/ハンス・リヒター=ハーザー(pf)/ウィーン交響楽団他とのLPレコードや、クレンペラー指揮/バレンボイム(pf)他をはじめ、アバドや、サヴァリッシュ、ジンマンなど10枚以上のCDがあります。
 今回紹介する音源はフランツ・コンヴィチュニー指揮/ギュンター・コーツ(pf)/ライプツィヒ・ゲヴァンドハウス管弦楽団 他が演奏する、ドイツ・シャルプラッテン原盤で徳間音楽工業から発売されていたLPレコードです。

 





「ベートーヴェン合唱曲選集」と題した中のA面の1曲。他にB面にはヘルムート・コッホ指揮/ベルリン放送交響楽団・合唱団による「奉献歌ホ長調作品121b」、「献堂式Wo98」、「静かな海とつつがなき航海ニ長調作品112」とのカップリングです。

 フランツ・コンヴィチュニー指揮の「合唱幻想曲」ですが録音は1960年のステレオ録音です。今となっては古い最初期のステレオ録音ですが音は非常に鮮明です。
以前から、この演奏は名盤とされ、多くの方が評価されていますのであらためて、ここでは詳しく書かなくても良いでしょう。旧東ドイツ的なベートーヴェンを感じさせる完成度の高い演奏で、コンヴィチュニーの最盛期にあったゲヴァントハウス管弦楽団の響きを聴くことが出来ます。同じ時期にコンヴィチュニーはベートーヴェンの交響曲全9曲をゲヴァントハウス管弦楽団と録音していますので、交響曲全曲の音源を持っておられる方は、この「合唱幻想曲」も聴かれた方が多いのではないでしょうか。


この演奏はYouTubeで聴くことが出来ます。
     ↓
https://www.bing.com/videos/search?q=youtubu+%e3%83%99%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%b4%e3%82%a7%e3%83%b3+%e5%90%88%e5%94%b1%e5%b9%bb%e6%83%b3%e6%9b%b2+%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%93%e3%83%81%e3%83%a5%e3%83%8b%e3%83%bc&view=detail&mid=92063C700237F3EA4BD392063C700237F3EA4BD3&FORM=VIRE

※YouTubeの画面を貼り付ける方法が分かりませんので、アドレスの表示をしました。

なお、B面のヘルムート・コッホ指揮/ベルリン放送交響楽団・合唱団による3曲の演奏も聴きごたえのある完成された演奏と言えるでしょう。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪