ベートーヴェン
ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15*
交響曲第2番ニ長調Op.36
交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」

マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)*
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
ルツェルン祝祭管弦楽団
2020年8月14-15日
ルツェルン文化会議センター・コンサートホール
(ライヴ)



 

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲は、HIROちゃんにとっては、モーツアルトやブラームスの協奏曲と共に好きな曲が多く、中でもベートーヴェンのピアノ協奏曲は全曲とも大好きでLPやCD、DVDなどの音源ライブラリーを結構多く持っています。
そんな中から、今回はマルタ・アルゲリッチのベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番ハ長調を紹介します。

 アルゲリッチは、ベートーヴェンの第1番の協奏曲が好きなのでしょう。多くの録音があります。ちょっと調べてみたのですが、多くの指揮者や楽団と共演しており、少なくても下記の録音があり、発売されています。

①アルベルト・カステリャース指揮
エル・ムンド国立放送交響楽団 (1949年ライブ)
②小澤征爾指揮
バイエルン放送交響楽団 (1983年ミュンヘン・ライブ)
③ジュゼッペ・シノーポリ指揮
フィルハーモニア管弦楽団 (1985年5月)
④ハインツ・ワルベルク指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 (1992年)
⑤アレクサンダー・ラビノヴィッチ指揮
スイス・イタリア語放送管弦楽団 (2005年ルガノ・ライブ)
⑥フランス・ブリュッヘン指揮
18世紀オーケストラ (2012年8月28日ライブ)
⑦ダニエル・バレンボイム指揮
ウエスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ (2014年コロン劇場ライブ)
⑧秋山和慶指揮
広島交響楽団 (2015年8月5日被爆70周年記念演奏会ライブ)
⑨小澤征爾指揮
水戸室内管弦楽団 (2017年1月水戸芸術館ライブ)
⑩小澤征爾指揮
水戸室内管弦楽団 (2017年5月17日別府アルゲリッチ音楽祭ライブ映像)
⑪ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
ルツェルン祝祭管弦楽団 (2020ルツェルン音楽祭ライブ映像)

 上記の他にもあるかもしれませんが、実に多くの録音があります。これらの中でHIROちゃんが架蔵しているのは④のワルベルクとの1992年盤と、今回のブロムシュテットとのライブ映像DVDだけです。

 さて、画面で見るオーケストラですが、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、各楽器演奏者との間隔を大きく開けた小編成のオーケストラ配置となっています。時々画面に映る客席の方は全員マスクをしています。



 

 

 この収録時、指揮者のブロムシュテットさんは93歳、アルゲリッチさんは79歳です。お二人とも年齢を全く感じさせない素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
ブロムシュテットさんの指揮はNHK交響楽団の定期演奏会の生演奏を聴いていますが、若々しさには驚きでした。アルゲリッチさんですが、水戸芸術館で小澤征爾さんとの演奏会があってチケットを買おうと思っていたのですが・・・チケット代30,000円にビビってしまい購入しませんでした。

 今回のDVDでは、「ルツェルン音楽祭2020」でのベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番と、交響曲第2番、第3番「英雄」がライブ映像として収録されています。
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番ですが、第1楽章は細やかな表現の音で始まります。ブロムシュテットさんは指揮棒無し。指揮姿は若々しく年齢を全く感じさせません。透明感のあるとても生き生きとした瑞々しい音です。アルゲリッチさんのピアノは、軽快で躍動感があり、溌剌としています。カデンツァでは圧倒的なテクニックで安定した演奏。
第2楽章は落ち着いた緩徐楽章で、オーケストラもピアノも歌うような表現が素晴らしく、華麗な音階進行も聴けます。ここでは管楽器の中でクラリネットが活躍します。第3楽章は、明るいロンドで、アルゲリッチさんのピアノと、ブロムシュテットさんのオーケストラとの掛け合いが絶妙で、生き生きとした躍動感がとても素晴らしい。全曲をとおして、とても洗練された演奏と感じました。最後に会場全員での熱狂的な拍手と、スタンディング・オベーションがあり、アンコールのシューマンの「子供の情景」からの第1曲も印象に残りました。

 このDVDには、ベートーヴェンの交響曲第2番と、第3番「英雄」も収録されていますが、こちらも素晴らしい演奏です。こちらの紹介はあらためて投稿したいと思います。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪